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母の日(読み)ははのひ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

母の日
ははのひ

母の愛情に感謝し,その労苦を慰める趣旨の。5月第2日曜日。 1907年5月 12日アメリカフィラデルフィアに住むアンナ・ジャービスという女性がウェストバージニアで行なわれた母の追悼式に一箱のカーネーションを捧げたことから始まったといわれ,1914年 W.ウィルソン大統領が祝日に定めた。この日,母が健在の者は赤いカーネーションを,母を失った者は白いカーネーションを胸に飾って母をたたえる。家庭でも子女が母親に贈り物などをする。日本では昭和初め頃から皇后誕生日 (3月6日) を母の日としていたが,第2次世界大戦後アメリカにならって5月第2日曜日とするようになった。世界の多くの国でも同様に扱われているが,イギリスでは四旬節の第4日曜日を,フランスでは5月の最終日曜日を,ロシアでは3月8日を母の日としている。

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知恵蔵の解説

母の日

家族のために尽くしてくれる「お母さん」をねぎらい、感謝の気持ちを表す日。毎年、5月2週目の日曜日とされている。
母の日の由来にはいろいろな説があるが、アメリカで起こったとされる説が一般的。1907年、アメリカに住んでいた女性、アンナ・ジャービスが、苦労の末、自分を懸命に育ててくれた母の死を悼み、母親が好きだった白いカーネーションを教会に飾ったのが発端とされている。これをきっかけに、全米に母に感謝する動きが広まり、14年、アメリカ合衆国議会は、5月の第2日曜日を「母の日」と制定。アンナの母が亡くなったのが5月9日(第2日曜日)だったことから、この日に定められた。以後、母の日には、母親が元気な場合は赤いカーネーションを、亡くなっている場合は白いカーネーションを胸に飾るようになり、やがてプレゼントとしてカーネーションを贈る風習へとつながっていった。
日本に母の日が伝わったのは、大正時代。青山学院(当時)教授のアレクサンダー女史によって紹介されたといわれている。31年(昭和6年)には、皇后の誕生日である3月6日が母の日とされたが、戦後になり、改めて5月第2日曜日が母の日であると定められた。
日本で母の日が国民的行事となったのは、37年、森永製菓が母の日を提唱してからのことだ。同社はこの年、「森永母を讃(たた)える会」を設立し、母の日の普及活動を全国規模で展開した。
母の日の贈り物は、いまやカーネーションから、服飾、フード、各種サービスとあらゆる商品にわたっている。毎年、母の日が近づくと、さまざまなメーカーから関連商品が発売され、百貨店などの小売店でも専用ブースを設けてプレゼント需要の取り込みを狙う。その市場規模は、クリスマスを上回るほど大きいともいわれている。

(高野朋美 フリーライター / 2009年)

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デジタル大辞泉の解説

はは‐の‐ひ【母の日】

母の愛をたたえ、母に感謝する日。5月の第2日曜日。米国に始まる。 夏》「―や大きな星がやや下位に/草田男

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百科事典マイペディアの解説

母の日【ははのひ】

米国で母に感謝する日と決められている日。5月の第2日曜日。母の愛を感謝して,母ある人は赤,ない人は白いカーネーションを胸につけるのがならわしで,1907年A.ジャービスの提唱に始まるとされる。日本でも第2次大戦後に行われている。→父の日
→関連項目カーネーション

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大辞林 第三版の解説

ははのひ【母の日】

母への感謝を表す日。5月の第2日曜日。二〇世紀初めにアメリカで始まる。 ⇔ 父の日 [季] 夏。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

母の日
ははのひ
Mother's Day

5月の第2日曜日。母に敬意と感謝を表す日。四旬節の四度目の日曜日に教会を訪れて両親の霊に感謝を捧(ささ)げたイギリス、ギリシアの風習と、1910年ごろアメリカの一女性が母の追憶のため教会で白いカーネーションを配ったことが結合したものといわれ、1914年ウィルソン米大統領によって制定された。日本には第二次世界大戦後この風習が伝わって赤いカーネーションを母に贈るようになり、母を失った者は白いカーネーションを霊前などに供えることが行われるようになった。[佐藤農人]

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精選版 日本国語大辞典の解説

はは【母】 の 日(ひ)

母の命日
※俳諧・花摘(1690)下「母の日や又泣出すまくは瓜〈其角〉」

はは‐の‐ひ【母の日】

〘名〙 (Mother's Day の訳語) 母に感謝する日。五月の第二日曜日。一九〇八年にアメリカで始まり、第二次世界大戦後日本でも一般化し、当日、母の生きている人は赤、生きていない人は白のカーネーションを胸につけたり、母親に贈ったりすることが習慣となった。《・夏》 〔現代新語集成(1931)〕

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世界大百科事典内の母の日の言及

【カーネーション】より

…キリスト教伝説では,十字架にかけられるキリストを見送った聖母マリアが落とした涙のあとに生じた花とされ,母性愛の象徴と考えられた。よって1907年にアメリカのジャービスAnn Jarvisの提唱により,〈母の日〉(5月の第2日曜日)には母親が健在の子は赤の,亡くした子は白のカーネーションを,それぞれ胸に付ける習慣が生まれた。この花の中央部が赤いのはキリストの体から滴った血のせいだといわれるが,イタリアのロンセッコ家にまつわる伝承では,勇士オルランドが敵に胸を突かれたときの血で白い花が赤くまだらに染まったことになっている。…

※「母の日」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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