【競馬・ボート・競輪】[競馬]NHKスマイルC 2歳王者復権 マーズ最強マイラー2019年5月6日 紙面から
「第24回NHKマイルC」(GI・芝1600メートル)は5日、東京競馬場で行われ、中央競馬の令和最初のGIレースは、2番人気のアドマイヤマーズが直線の叩き合いを制し、1分32秒4で優勝。GI2勝目を挙げるとともに1着賞金1億500万円を獲得した。M・デムーロ騎手(40)=栗東・フリー=はこのレース初勝利。友道康夫調教師(55)=栗東=は2勝目。半馬身差の2着は14番人気のケイデンスコール、さらに鼻差の3着は7番人気のカテドラル。1番人気の桜花賞馬グランアレグリアは4位で入線したが進路妨害で5着に降着となった。
新時代の幕開けに名を刻んだ。2番人気のアドマイヤマーズが、朝日杯FS以来のGI2勝目。鞍上のM・デムーロは、出迎えた友道師と固く抱き合うと満面の笑みを浮かべた。同馬と挑んだ皐月賞は4着、僚馬で臨んだ天皇賞・春のエタリオウも4着。鞍上は「もう最高。令和で最初のGIを勝ちました。気持ちいいですね。スッキリです」と鬱憤(うっぷん)を晴らす今年初のGI制覇を素直に喜んだ。 普段は速い発馬がひと息。ロスが多い外めの8枠17番にも、慌てなかった。前に行く馬が多いと見るや、道中は6、7番手で脚をため、抜群の手応えで4コーナーへ。直線半ばで馬体をぶつけられても、ひるまなかった。右ステッキを連打し、残り約50メートルで先頭へ。「気持ちが強い馬。最後は他が来ても耳を絞って伸びた」。全7戦でコンビを組む相棒と、歓喜のゴールに飛び込んだ。 苦しんでいた。M・デムーロにとって、ここまで今年のJRA重賞勝ちは日経新春杯(グローリーヴェイズ)のみ。GIも6戦6敗で重賞も23連敗中だった。「フラストレーションはありました。勝っていない時はつらくて苦しい」。検量室で膝をつき、十字を切って神に祈ったこともあった。 「調子が悪いと言われる。ただ、僕はそんなことないと思っていた。いつもいい時ばかりじゃない。悪い時もあるから」。これまでと変わらず懸命にトレーニングに励み、競馬と向き合う日々。元号が変わり、そっぽを向いていた勝利の女神がようやくほほえんでくれた。 友道師も思いは同じだ。「ジョッキーもそうだし、うちの厩舎もGIで結果が出ていなかった。お互いに良かった」と目尻を下げる。今後は日本ダービーをパスして休養に入る見通し。秋は5戦5勝となった得意のマイル戦を中心に古馬撃破を目指す。 「腰は痛くない。もっといい馬に乗りたいし、いっぱい勝ちたいネ」と体調不安のうわさを一蹴し、報道陣を笑わせたミルコ。輝きを取り戻した昨年の最優秀2歳牡馬&イタリアンが、令和の日本競馬を盛り上げていく。 (東京競馬取材班)
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