世界の人々は、韓国を「積弊清算」や「所得主導」で記憶はしない。人々が思い浮かべるのはサムスン、現代自というブランドだろう。現政権の論理に基づくなら、これらの企業は典型的な親日企業に該当する。サムスン電子は三洋の技術で始まり、現代自は「戦犯企業」三菱からエンジンを持ってきた。サムスンの創業者イ・ビョンチョルは、日本を師匠のように仰ぎ見た。しかし、日本は克服すべき対象だという観点は片時も手放さなかった。現代グループの鄭周永(チョン・ジュヨン)も、ポスコの朴泰俊(パク・テジュン)も、LGの具仁会(ク・インフェ)も同様だった。それは日本を知り(知日)、日本を活用して(用日)、日本に勝つ(克日)という「戦略的親日」だった。企業だけでなく、あらゆる部門、全ての韓国国民がそうだった。各人が己の立ち位置で日本を競争相手として、国力を育むことに力を貸した。光復後の70年史は、また別の独立運動の歴史だった。
韓国にとって日本は、まだ学ぶべきところが多く、得るものが多い国だ。「親しくしてこそ勝てる」という克日の観点を、現政権は理解できずにいる。単細胞的な世界観で固まり、国際孤立と外交的なのけ者状態を自ら招いている。力が弱まり、縮こまる道へと国を引っ張っている。韓国の国力が衰弱したら誰が喜ぶか、想像するのは難しくない。反日を原理主義的教理のごとく振り回す権力者に問う。どちらが日本を助ける親日で、誰が国を駄目にする売国をしているのかと。
朴正薫(パク・チョンフン)論説委員