「日本に学び日本を超える」という克日のエネルギーが、韓国人をここまで導いた
何が国を亡ぼす親日売国だというのか
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が「親日」フレームを駆使するのは、左派統治のための一種の「陣営の論理」にほかならない。心から問いたい。本当に日本をあがめ慕う親日勢力が韓国社会に存在しているというのか。日本のために韓国の国益を投げ捨てる売国奴がいるということか。光復(日本の植民地支配からの解放)からおよそ70年が流れ、世の中は大きく変わった。民族を裏切って国を売る、1900年代タイプの親日は消滅して既に久しい。にもかかわらず、70年前の物差しを持ち出して魔女狩りを繰り広げ、政敵に「土着倭寇」なる奇怪なフレームを押し付けている。所得3万ドル(約335万円)の「先進国」でこんなことが起こっていいのか、と思う。
現政権になって、反日は原理主義の宗教のように暴走している。左派の教育監(教育委員会に相当する教育庁のトップ)らはだしぬけに「親日校歌」攻撃に乗り出し、ある地方の議会は「戦犯企業」を追い出す条例案を持ち出した。全国民主労働組合総連盟(民労総)は、釜山の日本総領事館前を「抗日通り」にすると宣言した。国際条約に違反する恐れがある「強制徴用労働者像」も建てると主張した。感情的にはすかっとするが、決して国益の役には立たない。国家の利益とは、数多くの変数が複雑に絡み合った高度な戦略イシューだ。銅像を立て、抗日の印を付けてこそ民族の自尊心が守られるという発想自体が、安物の民族主義にすぎない。現代版「斥和碑」でも立てようというのか。
鎖国を命じる斥和碑が朝鮮半島の各所に立てられたのは、1871年に起きた米国艦隊による朝鮮攻撃(辛未洋擾〈じょう〉)の直後からだった。西洋の力を目撃しても、国の門にかぎを掛けて閉ざした。同じ年、日本は西欧の文物をまねるため「岩倉使節団」を欧米12カ国へ派遣した。使節団の代表・岩倉具視は米国上陸からわずか1カ月後、自分のまげを切った。使節団の一員だった6歳の少女・津田梅子は米国に留学し、帰国後は大学を開設した。教育面で日本の近代化の先頭に立った彼女を、安倍政権は5000円札の新たな顔に選んだ。歴史がまた繰り返されているかのようだ。韓国は反日の斥和碑を立て、日本は国家建設の英雄譚(たん)を持ち出している。