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【ドラニュース】

阿知羅、プロ6年目で初勝利 初安打&初打点のおまけ付き

2019年5月6日 紙面から

中日-ヤクルト プロ初勝利を挙げた阿知羅(右)は、ウイニングボールを手に与田監督と握手を交わす=ナゴヤドームで(小沢徹撮影)

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 親指の皮がめくれて5イニングで降板してからの長い時間が、苦しんだ5年間に重なった。「いろいろな方に支えられて、やっと1軍で勝つことができた」。阿知羅は初めて手にした勝利球を見つめ、多くの指導者や先輩への感謝を口にした。

 大垣日大高からJR東日本を経て、ドラフト4位で2014年入団。2年目までは制球に苦しんだ。「まともに投げられなくて、野球をやっている気がしなかった。情けなくて、悔しい2年間でした」。光が差したのは3年目。クイックに活路を見いだし、17年にはプロ初先発で7イニング2失点の好投も見せた。

 昨季は一転して1軍登板なし。2軍でも18試合で2勝5敗、防御率5・13と苦しんだ。小笠原2軍投手コーチは「昨季は膝に土が付いていた」と指摘。右膝が折れて重心が低くなることで、直球は打者の手元で弱まっていたという。

 昨オフ、ナゴヤ球場に隣接する屋内練習場のブルペンには黙々と投げ続ける阿知羅の姿があった。右膝が折れないように一からフォームを作り直す作業。「このままでは野球ができなくなる」。焦りを抑え、あえて回り道を選んだ。

 あれから半年。春季キャンプから取り入れたワインドアップも奏功し、190センチの長身から投げ下ろす直球には力が宿る。この日、1回1死一、三塁で山田哲を二飛に打ち取ったのは142キロ。「攻める気持ちは持ち続けて投げると決めていた」。甘くても強打者のバットを押し込んだ。

 4回、雄平に浴びた2ランを含め、この日の3安打はいずれも変化球。6イニングを3安打1失点だった前回4月29日の阪神戦(ナゴヤドーム)でも直球では内野安打1本しか許さなかった。2試合で直球の被打率は0割5分と驚異的な数字を誇る。

 

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