静岡では浜松商、加藤学園が5日の決勝に進出するとともに、地元開催の春季東海大会(24日から3日間・草薙、清水庵原)出場を決めた。岐阜では、決勝で大垣日大が県岐阜商に4-1で勝ち、昨夏以来の優勝となった。福井では、福井工大福井が昨秋に続いて2季連続優勝した。
主砲の一振りで試合をひっくり返した。3点を追う7回。1点を返し、なお1死満塁の好機で、浜松商の4番・福井優也内野手(3年)が、浜松工の先発・吉田の初球をとらえた。打球が右翼線を抜ける間に、3人の走者が生還。走者一掃の逆転三塁打になった。
「何も考えず、初球だけを狙っていた。気付いたら三塁ベースにいた」と福井。1回にも先制の2点二塁打を放ち、2安打5打点。
往年の「逆転の浜商」を思い起こさせる試合運びで、西部地区大会準決勝でコールド負けした浜松市のライバル校に雪辱した。
全国優勝の経験がある名門も、甲子園出場は2000年夏が最後。近年は県の壁を破れずにいる。福井は「『逆転の浜商』という言葉がモチベーションになっている。復活させたい思いはある」と話す。令和の時代となったが、甲子園の常連だった時代を知らないナインにも伝統は生きている。優勝した2003年以来の春決勝進出は、その第一歩になる。
「東海大会は目標だった。流れはあるので、決勝も集中して勝ちたい」と福井。まずは県の頂点に立ち、復活をアピールする。 (麻生和男)