【図解】英語の時制はたったの12種類!?わかりやすく解説します。

完了形、完了進行形……。英語には日本語には存在しない時制がいくつもあります。中でも完了形と完了進行形は鬼門です。

これらの時制を習うのはだいたい中3から高1あたりですが、その頃から英語がチンプンカンプンになってしまう人、とっても多いのではないかと思います。

その後は「仮定法過去」なんていうものが登場し、ますますわからなくなってしまった人も多いのではないのでしょうか? 

今回は完了形に止まらず、英語のすべての時制を一気にまとめて説明し、いつどんな状況でどの時制を使えばいいのか、解説してみたいと思います。

英語の時制は全部で12種類しかない

まず最初に、時制にはいくつ種類があるのか並べてみましょう。まず基本時制と呼ばれるもっとも基本的な文型が3つ。

現在形
過去形
未来形

そしてそれぞれに進行形が3種類です。

現在進行形
過去進行形
未来進行形

完了形もそれぞれ現在、過去、未来で3種類です。

現在完了形
過去完了形
未来完了形

最後に完了進行形。これも3種類です。

現在完了進行形  
過去完了進行形  
未来完了進行形

これで全部。たった12種類です。そんなにたくさんあるわけじゃありません。それでは順番に解説していきましょう。

英語の時制の基本!現在形、過去形、そして未来形

まずは最初に現在形から始めてみましょう。現在形が表すことは実にシンプル。「習慣」と「事実」だけです。

例えば、毎朝歯を磨く、学校に行く、銀行で働いている、これらは全部「習慣」、つまりはルーティーンです。また、朝日が昇るか、水は100度で沸騰するか、マイクはクラスで一番背が高い、などといったものは「事実」です。こういった「習慣・ルーチン」と「事実」はすべて現在形で表現します。

I go to school. 
僕は学校に通っている。

I walk my dog.
犬を(習慣的に)散歩させてる。

He works for Google. 
彼はグーグルで働いてる。

Water boils at 100 degrees Celsius. 
水は100度で沸騰する。

では過去形は何でしょうか。今現在とは直接関わりがない、過去に点在する出来事や事実などを表現するときに使います。過去形はこの「今現在とは直接関わりのない」という部分がキモです。「昨日映画を見た」「去年の夏ハワイに行った」「ケネディ大統領が暗殺された」のような過去の出来事を表現するのが過去形の役割なのです。

I watched a movie last night.
昨晩映画を観た。

He went to Hawaii last summer.
彼は昨年ハワイに行った。

Liza got sick this weekend.
リザは週末に具合が悪くなった。

Kennedy was assassinated in 1963.
ケネディは1963年に暗殺された。

未来形は基本的に「予定」と「意志」です。「来年の夏アメリカに行く」「東大に合格する」「明日友達と映画を見る」「家のローンが来年で終わる」……そんなふうに、未来に予定されたイベント、あるいは未来に向けての意志を表現するのが未来形なのです。

I am going to watch a movie with my friends tonight.
僕は今夜友達と映画を観に行く予定だ。

I will get into the University of Tokyo.
僕は東大に合格するぞ!

I will be done with my mortgage next year.
来年には家のローンが終わるよ。


まとめてみると:

現在形:「日々繰り返される習慣」や「普遍的な事実」を表現
過去形:過去に点在する出来事
未来形:未来に発生するであろう予定や希望

つまり現在形は他の2つと若干役割が違うとも言えます。現在形は「お日様は東から昇る」などのようなずっと変わらずに繰り返される出来事を表現するのにとっても便利なのです。

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進行形は何を表現するのか?

次は進行形について考えてみましょう。進行形は、継続性のある出来事を表現します。

例えば、「いまシャワーを浴びている最中だ」「昨日の5時頃は、まだ電車に乗っていた」「明日の夕方は、家にいるだろう」なんていう具合です。

現在形、過去形、未来形がある時間軸上の一点であるのに対し、進行形というのはもうちょっと長さがあり、時間軸の線上にドッカリと横たわっているいるものだとイメージすると分かりやすいかもしれません。

Donna is taking a shower right now.
ドナは今シャワーを浴びている。

We will be staying at Hiroshi’s house when we get to San Francisco next week.
来週サンフランシスコに行った時には、ヒロシの家に滞在する予定だ。

I was watching a DVD when Paul came to my house last night.
昨晩ポールがきた時、僕はちょうどDVDを観ていた。

ここまではよくわかる。多くの人がそうでしょう。ではここからいよいよ、日本語には存在しない完了形の説明です。

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英語の時制の中ではややこしい!?完了形は何を言い表す?

完了形は、ある時点での出来事が、時間軸上の未来に関連があることを表すための文型です。これもまた、図で考えてみましょう。


まずは現在完了から考えます。例えば、「去年ハワイに行った」だったら、普通の過去形で、“I went to Hawaii last year,” と言っても別に通じる訳です。

しかしこれがこんな会話のときに過去形で話すと、ちょっと流れが悪いのです。

Mike: I went to Hawaii last year. Mike: 俺さ、去年ハワイに行ったんだ。

Yuka: Oh really? I have been there too! I would love to go there again. Yuka: ホント? 私も行ったことある。またいきたいなあ。

Ken: Seriously? I’ve never been there.

Ken: マジ? 俺行ったことないや。

マイクが口にする「去年ハワイに行った」という最初のセリフに対して、対する「私も行ったことある。」「俺は行ったことない」というユカとケンのセリフはそれぞれどちらも過去の出来事ですが、どちらも今進行中の「ハワイの話」に関連しているセリフなわけです。

こんなふうに「今現在」に関連がある過去の話をするときには、現在完了を使うのです。

Hiroshi: Oh, I have to walk the dog.
ああ、犬の散歩に行かなくちゃ。

Yumi: I’ve walked the dog already.
もう歩かせたよ。

こんなふうに、今の話題に繋がっている過去の話、それが現在完了形が表す世界なのです。

同じロジックが過去完了形にも当てはまります。例えば、「ロンドンに行く前に英語を勉強していたから、いざロンドンに行った時にはとっても役に立った」と言いたいとします。

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ロンドンに行ったのはもう過去の出来事で、英語の勉強をしていたのは、さらにその前の過去の出来事です。こんなふうに、「過去の過去」が「手前の過去」に関連している場合に用いられるのが、過去完了形です。

I had studied English for 3 years before I moved to London. I was so glad that I had spent my time studying the language. It really made my life a lot easier.

「ロンドンに移住する前に、3年間英語を勉強した。勉強しておいて良かったとしみじみ思った。おかげでロンドンでの暮らしがグッと楽になった」

仮定法過去でもこの過去完了がよく用いられます。「あの時にもっと勉強をしておけば、もっといい大学に行けたのに」なんて過去を悔やむ場合ですね。 “If I had studied harder, I would have been able to go to better school.” なんて具合です。希望する大学に受からなかった過去があり、その前に勉強していなかった過去の過去があるわけです。仮定法についてはまた別の機会に解説したいと思います。

未来完了は?

ここまでお読みになれば、未来完了も想像がつくのではないかと思います。未来完了は、未来に影響がある、その「未来」よりも手前に起きた(あるいは起きつつある)出来事を言いたい時に使うんです。

例えば、「2020年にはアメリカで4年間勉強したことになる」なんて言いたい時に、この文型が使われます。

He will have lived in America for 6 years by the time he graduates a college there.
彼がアメリカの大学を卒業する頃には、アメリカで6年間住んだことになる。

My mortgate will have been paid off by 2020.
2020年には住宅ローンが終わっているだろう。

いずれにのケースも、アメリカで勉強し始めた今現在、あるいはローンを払っている今現在があり、そして大学を卒業する、あるいは、ローンの支払いが終了する未来があります。

こんなふうに、未来で完了していることを言いたいときには未来完了というわけです。なお、「来年始めて4年後にこうなっているはず」のように、現在はまだスタートしていない話に使っても一向に構いません。

「し続ける」完了進行形

では最後に完了進行形です。完了形は「つながりのある出来事」を表現する方法でしたが、完了進行形は「ずっと続いている状態」を言い表す方法です。例えば、朝から勉強し続けている。

甲子園を目指して練習し続けている、プロジェクトが始まって以来働き続けている、などといった状況を言い表すのに適切な表現方法です。

例えば現在完了進行形なら:

He has been working for the last 16 hours.
彼は16時間ぶっ通しで働いている。

I have been preparing myself the exam for the last 3 months.
この試験に備えて、3ヶ月間勉強し続けている。

They have been playing tennis since noon.
彼らは昼からテニスをし続けている。

などといった感じです。いずれもかなり「し続けている」感が満載の文章ですね。

過去完了形だった、「期末テストが終わるまで、勉強し続けていた」みたいな感じで、過去のある地点から、もう終わってしまった別の過去(例えば期末テスト)まで勉強し続けていた、という感じになります。

I had been waiting for more than 2 hours when she finally showed up.

he had been training really hard for this race.

Ayumi gained weight because she had been eating constantly.</P

Dan failed his final exam because he had not been attending the class at all.

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英語の時制まとめ

基本時制
過去形:過去に点在する「出来事」を表現
現在形:現在の習慣やルーチン、あるいは事実を表現
未来形:未来の予定、あるいは意思を表現

進行形
過去進行形:過去に「やっていたこと」を表現
現在進行形:「今やっていること」を表現
未来進行形:「未来にやっているはずのこと」を表現

完了形
過去完了形:「過去の過去」の出来事を表現
現在完了形:「今このとき」に関連がある過去の出来事を表現
未来完了形:「未来のある時点で完了しているはずの出来事」を表現

完了進行形
過去完了進行形:「過去のある地点から、別の過去のある地点まで継続していた出来事」を表現
現在完了形:「過去のある時から、今このときまで継続している」出来事を表現
未来完了形:「未来のある時点まで継続しているはずの出来事」を表現


いかがでしたでしょうか? 以上が英語で出てくる全ての時制です。こうして俯瞰して眺めてみると、決してそれほど難しいものではありません。

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時制を自分のものにするには

ではなんとなく時制が理解できたところで、どうすればこれを実際の会話は英作文の中で使えるようになるでしょうか?

話は簡単で、実際に使ってみるのが最短距離です。英語を身につけるというのは。スポーツを身につけるのと大差ありません。何度も実際に使ってみて、その都度間違いを修正していくうちに、徐々に自分の体に定着していくのです。ですから、オンライン英会話をするなり、ミートアップに参加するなり、フィリピンに短期留学するなどして実際にガンガン使ってみましょう。

また、書いたものを直してもらうのも非常に効果的です。なぜなら会話というのは流れていってしまいますし、ゼスチャーや表情も使えるため、細かいところまで修正が行き届かないのです。ですので、一度書き物に落として赤入れしてもらうと、間違いが視覚化され多くの学びを得ることができます。

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松井 博
hiroshi.matsui@brighture.jp

著書に『僕がアップルで学んだこと』『企業が「帝国化」するアップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔』などがある。2009年まで米国のアップル本社にシニアマネージャとして勤務。大学や企業での講演も多数。