【ゴルフ】石川遼、9年前に世界記録出したコースで11オーバーの大たたき発進2019年5月3日 紙面から
◇中日クラウンズ<第1日>▽2日、愛知県東郷町の名古屋GC和合C(6557ヤード、パー70)▽晴れ、21・9度、北西6・6メートル▽賞金総額1億2000万円、優勝2400万円▽108選手(うちアマ7人)▽観衆6877人 節目の60回大会は波乱の幕開けとなった。今季国内初戦の石川遼(27)=カシオ=は11オーバーで107位と、よもやのブービー発進。11番パー4ではバンカーに悪戦苦闘して8打をたたくなど大きく出遅れた。4月のマスターズ(米ジョージア州)でアマチュアの日本選手では2人目の決勝ラウンド進出者となった金谷拓実(20)=東北福祉大3年=は、石川と同組で回りイーブンの23位。ツアー通算11勝の宮本勝昌(46)=ハートンホテル、同未勝利の貞方章男(40)=アイダ設計=ら3人が4アンダーで首位に立った。 異変は8番パー4のティーショットの際に起こった。石川は3番ウッドで低めのフックを打った時、「腰が抜けた」という。ボールはフェアウエーに飛んだが、フォロースルーの途中から痛みに襲われ、打ち終わった直後は足を踏み出せなかった。「体の捻転が戻ってくる反動で打とうとしたが…。どこから動かせばいいか分からなくなった。こんな痛みは初めての経験」と話した。 2週前の国内開幕戦・東建ホームメイト杯を、直前に出た腰の関節分離症とヘルニアの症状のため欠場した。今週は半信半疑のまま会場入りし、2日前の練習で痛みがなくなったとして出場を強行。選手会長として、自分のプレーを楽しみにしてくれているファンへの責任もあっただろう。だが、その思いは裏目に出た。 痛みが出た後は苦しそうな表情で腰をさすったり屈伸を繰り返したりし、第1打では2番アイアンを多用した。フォローを大きくとるドライバーだと、腰に痛みが出るかもしれない。アイアンを地面に刺すようにダウンブローに打ち、フォローで力を減速させる狙いだ。だが、ごまかし続けるプレーを許すほど、和合は甘くない。決定的だったのは11番パー4だった。 第2打をグリーン奥のバンカーに打ち込んだ。ピン位置はバンカーからわずかに2メートル、しかも下りのラインという難しい状況ではあったが、そこから3打続けて脱出に失敗。ギャラリーが悲鳴さえ忘れたように静まり返る中、6オン2パットの「8」を打った。「バンカーは砂で下(地面)がゆるいし、ソールもできない。自分の思ったところにクラブを入れられず、思っているよりも手前に入った」と失敗の原因を説明した。 12番以降も7ホールで5つボギーを重ねた。11オーバーは108人中107位のブービー。報道陣の取材にはしっかりと答えていたが、珍しく途中で「ちょっといいですか」と自ら打ち切ったところに深刻さをうかがわせた。2010年5月2日、この大会の最終日にツアー新記録の58を出して大逆転優勝した。あれからちょうど9年たち、元号も令和になって迎えた今季国内初戦。第1ラウンドは81をたたき、体調面が今後も不安視される事態になった。 (大西洋和)
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