フジテレビジュツの仕事
直撃!シンソウ坂上
2018年4月〜
毎週木曜日 21:00~21:54
- 美術プロデューサー:平井 秀樹
- デザイン:鈴木賢太、杉山宏樹
- アートコーディネーター:村瀬 大
- 大道具:杉本 孝弘
- アクリル装飾:谷口 航平
- 電飾:桑島 亮太
- アートフレーム:石井 智之
- 装飾:高祖 朋代
デザインのヒミツ
ー情報番組に近い内容ですが、斬新なセットですよね?どのような要望を受けてあのデザインを描いたのですか?
杉山
番組立ち上げ時、ディレクターから「局の膨大な報道映像をベースに、事件の当事者の今を深掘りするバラエティ番組」という説明を受け、最初に頭に浮かんだイメージは「映像保管庫」でした。そこから、セットの至る所に「映像」を連想させる物を置きました。モニター、ビデオテープ、映画のフィルムなどなど。
その中でも小道具としてのモニターを際立たせようと思い、大量に並べてみました。全部で32台です。それらの全てに違う映像を流してフジテレビアーカイブの膨大さをアピールしつつ、特殊な空間でのトークショーを目指しました。
ー報道色の強いバラエティ番組、という点で工夫したところはありましたか?
事件の緊迫感を出すために、ベースカラーを踏切や工事現場にある黄色と黒の「警戒色」に決めました。ただ、この2色は主張が激しい色なので、他の番組で使われていると記憶に残りやすいんです。なので、「見たことある」と言われないように、全局の黄・黒ベースのセットの番組を見て、2色の比率と明るさの度合を書き出して、同じにならないように心掛けました。
黄・黒のほかにメタリックシルバーも差し色に入れて、その分、冷たい感じになり過ぎないよう、木目も加えました。
色味以外では、モニターが多くてともするとニュース番組のようなお堅い雰囲気のセットになってしまうので、多少バラエティ寄りにするために、実物でない、作り物を入れようと考えました。それで作ったのが、映画フィルムの大きいオブジェです。こういった非現実的な物が入ると、硬派な印象からグッと和らぐんです。
ー坂上さんとゲストの白熱トークも見どころですが、それを盛り上げるために作り込んだ部分はありますか?
パネリスト達が見下ろす中で激論を戦わせる、コロシアムの構造にしました。「対談」と言うよりも「対戦」風な。円形ステージ上のモニター7台は、スポーツの4面ビジョンのイメージで、かつ上から封鎖するような形に並べています。閉塞感を出すことで、ここに上がるゲストの方にも緊張感を味わって頂くのが狙いです。
ー視聴者に見て欲しいところは?
「映像」に直結するリアル素材を贅沢に使っているところでしょうか。本物のベータカムビデオテープとPCのキーボードを大量に集めて、スプレーで黄色に塗り、MC・パネリストの後ろやカウンターの下に並べています。もちろん廃材を使っていますが、それにしても贅沢な使い方だと我ながら思います(笑)。
因みにビデオテープは2018年3月に終了したとある長寿番組の膨大なアーカイブからの再利用です。
スタジオ平面図