(cache)最新アトピー対策ガイド&注目の「L-92乳酸菌」|「カルピス」由来健康情報室

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「カルピス」由来健康情報室

「カルピス」由来健康情報室では、「カルピス」の研究から始まり長年続けられてきた乳酸菌・微生物の研究の成果を発信します

ステロイド、アトピー改善に効果のある特別な「L-92乳酸菌」 ステロイド、アトピー改善に効果のある特別な「L-92乳酸菌」

アトピー性皮膚炎の症状・・・。ここでは日本を代表するアレルギーの名医が、
その発症メカニズムや、最新の研究成果を紹介しつつ、ステロイドに加え
日常的に実践できるアトピー対策を紹介します。

※本内容は、ステロイド剤による治療を否定するものではありません。医師の診断に従って適切な対処をすることをお勧めします。

鳥居 新平 先生

監修

鳥居 新平

先生

(医学博士)

監修

鳥居 新平

先生

(医学博士)

名古屋大学医療技術短期大学部名誉教授・一社アレルギー科こどもクリニック名誉院長
専門は臨床栄養学、アレルギー学、小児科学。日本小児アレルギー学会会長、日本アレルギー学会会長、厚生労働省特定用途食品検討部会委員などを歴任。日本を代表するアレルギーの専門家。著書に「小児ぜん息・アレルギー疾患食事療法HANDBOOK」(医歯薬出版)、「子どもの食事とアレルギーQ&A」(共著/第一出版)など。

乳幼児だけでなく、成人も!

現代社会においてアトピー性皮膚炎などのアレルギーを引き起こす物質であるアレルゲンは食べ物や化学物質など多岐にわたります。また、アトピーの症状の発症には環境因子に加え、個人の体質も大きく影響してきます。ここ20年ではアトピー性皮膚炎の発症傾向にも変化が見られます。以前は乳幼児の発症が多かったものの、学齢期になると自然に治っていました。しかし最近では成人になっても自然に治ることなく症状が続く人や、悪化する人が増えてきています。
アトピー性皮膚炎の有病率が年々高まる中、発症してからのアトピーケアだけでなく、日頃から皮膚ケアや免疫バランスを崩さないよう心がけていくことが重要です。

免疫バランスと皮膚バリアー障害?

アトピー性皮膚炎などのアレルギーは免疫バランスのくずれ等によって発症します。 ヒトの免疫システムには、司令塔の役目をするTh1(主として感染に働くT細胞)とTh2(主としてアレルギーに働くT細胞)、Treg(主として免疫調節に働くT細胞)が関わっているといわれています。これらのT細胞は互いにバランスをとりながら免疫をコントロールしています。しかし環境や生活習慣によって、Th2が過剰になったりTregが弱まったりすると、免疫バランスがくずれ、アレルギーが発症してしまいます(図1)。つまり、アレルギー対策のポイントは、免疫バランスを整えることだといえそうです。

アレルギーの発症メカニズム(図1)

アレルギー発症メカニズム

アトピー性皮膚炎に関して言えば、「皮膚バリアー障害」にも注意が必要です。皮膚には表面に角質層と呼ばれる部分があります。正常な皮膚なら、この角質層とそのすぐ下の表皮がバリアーとなって細菌やアレルゲンの侵入を防ぎ、皮膚内部の水分の過剰な流出を防いでくれます。しかし、ふだんの生活の中でこの皮膚のバリアー機能が傷つけられると、そこからアレルゲンが入り込んでアレルギーを発症しやすくしてしまいます。対策として、スキンケアを中心に皮膚の清潔と保湿を心がけるようにしましょう。

TH2

アトピー性皮膚炎への有効性

いま、新たなアレルギー対策として専門家からも注目されているのが「L-92乳酸菌(ラクトバチルス・アシドフィルスL-92株)」です。
この特別な乳酸菌は、免疫をつかさどる細胞に働きかけ、抗アレルギー作用を引き出してくれることがいくつもの研究から示唆されています。

8週間で
アトピー症状が改善

小児のアトピー性皮膚炎への有効性データ ①

4歳から15歳までのアトピー性皮膚炎患者20名を対象に、「L-92乳酸菌」を8週間摂取してもらい、その経過を観察しました。図2では「L-92乳酸菌」を摂ることで重症度スコアが低下し、皮膚のかゆみや皮膚症状が改善してきていることがわかります。また、ステロイド軟膏の使用量が減ったことが示されました。
図3でも有効と感じる割合が90%にも達しています。

図2:皮膚症状の変化

図3:皮膚のかゆみの変化

出典 Int. Arch. Allergy Immunol.,154,236-245(2011)/日本アレルギー学会春季大会(2006年度)

小児のアトピー性皮膚炎への有効性データ ②

1歳から12歳のアトピー性皮膚炎患者50名を対象に、「L-92乳酸菌」を含む食品を摂取するグループ(26名)と「L-92乳酸菌」を含まない食品(プラセボ)を摂取するグループ(24名)に分けて、8週間にわたり試験を行いました。その結果、「L-92乳酸菌」を摂取したグループでは摂取していないグループに比べて、皮膚症状+治療スコア(SMS)が改善しました。

図4:「L-92乳酸菌」摂取による重症度スコアの変化

出典 S Torii et al:Int.Allergy Immunol.,154,236-245(2011)

成人のアトピー性皮膚炎への有効性データ

神奈川県の横浜市大で池澤善郎先生らによって行われた試験では、中等症以上の難治例が多い成人のアトピー性皮膚炎に対しても、有効性を確認することができました。 試験では18歳から54歳のアトピー性皮膚炎患者49名のうち、24名に「L-92乳酸菌」を含んだ食品を、25名に「L-92乳酸菌」を含まない食品(プラセボ)を、通常の投薬治療は継続したまま8週間摂取してもらい、その経過を比較しました。その結果、図5のように、「L-92乳酸菌」を摂取したグループでは皮膚炎スコア(SCORAD)が有意に低下したことが確認されました。また、図6ではアレルギー性の炎症に伴って増加する血液中の好酸球数がプラセボ群に比べて、有意に低下したことが示されました。さらに図7では「L-92乳酸菌」を摂取したグループは、Treg誘導因子の一つであるTGF-βが有意に増加したことがわかりました。
SCORADとは、Scoring atopic dermatitisの略語で、アトピー性皮膚炎の重症度(皮膚症状とかゆみ)を指数化したもの。英文の文献では、現在、最も広く採用されています。

図5:「L-92乳酸菌」摂取による皮膚炎スコアの変化 図8:「L-92乳酸菌」摂取による血液好酸球数の変化

図6:「L-92乳酸菌」摂取による皮膚炎スコアの変化 図8:「L-92乳酸菌」摂取による血液好酸球数の変化

図7:「L-92乳酸菌」摂取による皮膚炎スコアの変化 図8:「L-92乳酸菌」摂取による血液好酸球数の変化

出典 Y Inoue et al:Int. Arch Allergy Immunol.,165,247-54(2014)

長期摂取で、
継続的に症状が緩和

長期摂取によるアトピー性皮膚炎への
有効性データ

16歳から49歳のアトピー性皮膚炎患者50名のうち、24名に「L-92乳酸菌」を含む食品、26名に「L-92乳酸菌」を含まない食品(プラセボ)を摂取してもらいました。
通常の投薬治療は継続したまま24週間摂取してもらい、経過を比較しました。
その結果、「L-92乳酸菌」を摂取した群では摂取していない群と比較して、皮膚炎スコア(SCORADおよびEASI)が改善しました。
図8のように、皮膚症状とかゆみなどの自覚症状から算出される皮膚炎スコア(SCORAD)8週から24週にかけて継続して改善が確認されました。
また、図9では皮膚症状から算出される皮膚炎スコア(EASI)は24週で改善が確認されました。
「L-92乳酸菌」の摂取によって、かゆみなどの自覚症状が早期に緩和され、続いて皮膚症状などが緩和される可能性が示されました。

図8:皮膚炎スコア

図9:皮膚炎スコア

出典 K Yamamoto et al : J. Dairy Sci., 99, 5039-5046(2016)

乳幼児の
症状も改善

乳幼児のアトピー性皮膚炎への有効性データ

あいち小児保健医療総合センターの伊藤浩明先生が行った最新の研究では、生後10ヶ月以上3歳未満の乳幼児のアトピー性皮膚炎でも有意な緩和が確認されました。その有効性データについては第63回日本アレルギー学会秋季学術大会(2013年)でも発表されています。図10は、皮膚炎の重症度を示すスコアの推移を表したグラフで、「L-92乳酸菌」(20mg)を摂取した群で有効であることがわかります。また、図11は 血液中のアトピーに関連する2つの因子を調べたものです。TARCとは免疫バランスを崩す原因となるTh2が活性化することで産生される因子です。また、 総IgE値はTh2が過剰な状態で産生されるものです。これらがどちらも下がっているということは「L-92乳酸菌」が過剰になったTh2を抑え、Th1とTh2で免疫バランスを整えた可能性が示唆されます。

図10:「L-92乳酸菌」摂取による皮膚炎スコアの変化

図11:血清マーカーの変化

出典 第63回日本アレルギー学会秋季学術大会(2013年)より一部改編

通年性鼻炎、花粉症への有効性データ

カラダの中の免疫バランスを整える「L-92乳酸菌」には、アトピーだけでなく、
通年性鼻炎や花粉症といったアレルギーへの有効性も確認されています。
それぞれの症状において、「L-92乳酸菌」を8週間摂取したグループは有意な改善が確認されています。

8週間で通年性鼻炎の
症状が改善

通年性鼻炎を持つ49名を2つのグループに分け、25名に「L-92乳酸菌」を含む食品を、24名に「L-92乳酸菌」を含まない食品(プラセボ)を8週間摂取してもらい、症状の変化を測定しました。その結果、図12、図13のように「L-92乳酸菌」摂取群では、摂取していない群に比べ、鼻は有意に改善、眼は改善傾向にあることが確認されました。

図12:鼻の症状+治療スコア

図13:眼の症状+治療スコア

出典 Y Ishida et al : J. Dairy Sci., 88, 527-533(2005)

花粉飛散前の8週間の
摂取で予防効果を確認

花粉曝露試験施設(所在地:和歌山県有田郡有田川町、所有:NPO日本健康増進支援機構)において、「L-92乳酸菌」を用いたスギ花粉曝露試験を実施しました。試験では花粉症の症状をもつ人80名を「L-92乳酸菌」配合食品を摂取する3グループ(菌末量20mg、60mg、180mg)と「L-92乳酸菌」を含まない食品(プラセボ)を摂取するグループの計4グループ(各20名)に分け、花粉曝露を行いました。その後、8週間摂取してもらった後、再び花粉曝露を行い、摂取前後の眼や鼻などの花粉症の症状の変化を解析しました。 その結果、「L-92乳酸菌」摂取グループで、花粉再曝露後の「眼の症状」、「鼻の症状」に緩和が認められました(図14・15)。

目の症状

鼻の症状

花粉シーズン中の6週間の
摂取で症状が改善

スギ花粉シーズンに、花粉症の症状を持つ被験者23名のうち、12名に「L-92乳酸菌」を含む食品を、他の11名には「L-92乳酸菌」を含まない食品(プラセボ)を、6週間摂取してもらいました。その結果、「L-92乳酸菌」を含む食品を摂取したグループで、眼の症状スコアが有意に改善し、医薬品の使用頻度も減りました。 (図16・図17)

目の症状+治療スコア

医療品の使用頻度

出典 Y Ishida et al :Biosci Biotechnol.Biochem.,69(9),1652-1660 (2005)
勘里裕樹:Medical Science Digest,35,27-30.(2009)

最新の試験でも花粉症の
症状の緩和を確認

2018年1月~4月に行われた最新の試験では、12週間の摂取で花粉症の症状の緩和を確認しました。花粉症有症(軽症~中等症)の成人男女163名を対象に「L-92乳酸菌」20.7mgを含む食品を摂取するグループ(81名)と「L-92乳酸菌」を含まない食品(プラセボ)を摂取するグループ(82名)に分けて、12週間摂取してもらいました。
その結果、「L-92乳酸菌」を摂取したグループでは摂取していないグループに比べて、眼のかゆみ、くしゃみの回数などの症状の緩和が認められました(図18・19)。また、同試験で眼SMS(眼の症状+治療スコア)でも、改善しました(図20)。
さらに、今回の試験で、摂取12週間後のスギ特異的IgEの抗体量は減少傾向、ヒノキ特異的IgEの抗体量は有意に低い値を示したことも確認されました。このことから、「L-92乳酸菌」は、体内の免疫細胞に働きかけ、花粉症などのアレルギー症状を緩和していると考えられます。

眼の症状(かゆみ)

鼻の症状(くしゃみ)

眼の症状+治療スコア

出典 薬理と治療, 46(12), 2011-2018(2018), データ改編

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アトピー症状の改善のためには、普段の生活の中でも対策を実践していくことが大切です。

強い界面活性剤の入っているシャンプーや洗剤は避け、昔風の石けんを使ったり、綿やシルクといった自然素材の衣服を着るなどの対策がおすすめ。食生活では、肉を少なくして、魚を食べること、野菜は根菜類を多く摂るようにしましょう。具体的には昔ながらの和食に近づけた献立で、それを1日3食摂ること。刺激に負けないカラダをつくるためには環境、生活習慣の両面でQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を高め、意識的に皮膚をケアしてあげることが重要です。