ネイア・バラハの冒険~正義とは~   作:kirishima13
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第13話 本当の正義【完】

 ネイアに気づいたレメディオスが足を止めると、後ろの亜人たちも足を止める。そして亜人たちは倒れるように膝をついた。

 

「一人か? こんなところで何をしている」

 

 モモンガがいないことを気にしているのか、周りを見回している。

 

「団長こそこんなところで何を……」

「私が聞いているのだがな……。まぁいい。ネイア、国を離れたお前は知らないのだろうが……カルカ様は亡くなったぞ」

「え……。えっ!? 遠征は……失敗したんですか……」

 

 それはモモンガや帝国の皇帝なども予想していたことであった。あのまま続ければいつか失敗すると。しかし、遠征を途中でやめることはできたはず。ということは最悪の事態が起こるまで歩みを止めなかったと言うことだ。

 

「失敗などしていない! 私は負けてなどいない! 卑怯にも亜人どもが後衛にいたカルカ様たちを奇襲したのだ。ケラルトもその時一緒に……糞! 法国のやつらめ! カルカ様の守りは任せろと言っておきながら! 私がいれば絶対にお守りしたものを!」

 

 レメディオスは血が滲むほど唇を噛みしめ、連れている亜人を睨みつける。

 

「ひ……ひぃ!」

 

 亜人の一人が怯えた声を出し目を伏せる。幼く甲高い声は女の子だろうか。しかし、もう一人は荒い息を吐くだけで声も出ないようだ。それを見てネイアは疑問に思う。聖騎士団の団長ともあろう者がなぜ部下も連れず、こんなところに一人でいるのだろうか。それに国に残してきた両親のことも気がかりである。

 

「国は……聖王国は無事なのでしょうか」

「ああ……お前の両親も無事だ。彼らは遠征に出ていない。九色の称号をもらっておきながら国の防衛を主張しおって……。まぁ、国が手薄になる隙をついて亜人が攻めてくると言う予想は当たっていたがな……」

「ほかの聖騎士の方々はなぜいないのですか?」

「あいつらか……。あいつらは皆裏切り者だ! カルカ様が亡くなり、国に戻るとその責任をカルカ様に押し付けた! そして新たな聖王を立て……カルカ様の葬儀を行うというのだ!」

 

 戦争を主導した王が責任を取るのは当然であるし、亡くなったのであれば次の王を立てるのは妥当だ。レメディオスは何をしようとしているのだろうか。

 

「カルカ様以外を王として立てるなど絶対に認められん! ケラルトも死んだ以上、国に蘇生魔法を使えるものはいない。だが、法国には蘇生の秘術があると聞く。ともに聖戦を戦ったのだ。蘇生を断ることはないだろう」

 

 蘇生魔法。死者を蘇らせる奇跡の御業(みわざ)だ。だが、国の王が亡くなったからと他国に蘇生を依頼する者などいない。

 それを依頼すると言うことは国として相手に首を差し出すに等しい見返りを求められる。国を犠牲に自身の蘇生を求める王に誰がついてくるというか。

 だが、レメディオスはそんな主張をする者達を恩知らずの裏切りものと罵り、カルカとケラルトの遺体を持ち出したのだ。

 

「っと、そんなわけで急いでいる。お前を相手にしている暇はないな。さあ、さっさと歩け」

 

 レメディオスが亜人へと激を飛ばすが、亜人たちは動かない。いや、動けない。

 

「はぁ……はぁ……うぐぅ……」

「お兄ちゃん!」

 

 亜人の一人が膝をつき、もう一人の亜人が駆け寄った。どうやらこの亜人の子供たちは兄妹のようだ。傷つき弱り切っている。

 

「どうしたさっさと歩け」

 

 レメディオスが冷たい瞳で見下すと、剣を抜きそれを膝をついた亜人の兄へと突きつけた。まさか殺そうとでも言うのだろうか。

 

「団長……その子たちは……なんなんですか?」

「敵の捕虜だ。国を出るときに手が足りなくてな、連れてきた」

「なんで……こんなことを? この子たちが何かをしたんですか?」

「何かしたかどうかなど関係ない。亜人は亜人だろう。滅ぼした集落にいたやつらだ。戦いもせず簡単に捕まった臆病者どもだ」

 

 戦いに参加していない。それは人間を傷つける意思のない無抵抗の非戦闘民ということではないのか。ネイアにはなぜレメディオスがこのようなことをしているのか理解できない。

 

「どうした。さっさと歩け」

 

 亜人の兄妹は立ち上がらない。お互いに体を支え合って震えている。

 

「なんだ? もう歩けないのか? そうか。まぁ、ここまで役には立ったか。ではお前たちの役目もここまでだな。……死ね」

 

 レメディオスが剣をふるう。少年は倒れるように何とかそれを躱そうとするも背中をしとどに斬りつけられ、血が舞った。

 

「お兄ちゃん!」

「動くな、次はお前の番だ」

 

 レメディオスの無慈悲なその言葉に亜人の妹が唇を噛みしめながらその理不尽の元凶をを睨みつける。

 

「……悪魔」

「なんだと?」

「この悪魔! あんたなんて悪魔よ!」

「邪悪な亜人が……私に向かって悪魔だと!?」

「私たちを殺す悪魔じゃない! お父さんも……お母さんも……友達もたくさん殺した! きっと私たちの命を犠牲にして棺の中の魔王を復活させるんだわ!」

「私だけでなくカルカ様を魔王呼ばわりとは……許せん!」

 

 レメディオスの顔が真っ赤に染まる。怒りに任せて妹を斬りつけようとするが、そこで、動けなかったはずの兄が妹を覆いかぶさるように抱き着いて(かば)った。兄はさらに斬り付けられ口から血を吐き出す。

 

「お兄ちゃん!」

「……」

「お兄ちゃん! 死んじゃやだ! お兄ちゃん!」

 

 亜人の子供が兄に抱き着いて泣いている。それを見てネイアは両親が言っていたことを思い出す。

 正義とは愛する人を守ることと二人は言っていた。この二人にお互いを守るだけの力はない。だが、お互いに支え合い、大切な人を守ろうと身を挺するこの兄妹に正義がないと言えるだろうか。亜人だからとここで命を散らせることを許せるだろうか。

 ネイアのそんな想いを無視するようにレメディオスはとどめを刺そうと剣を振りあげた。

 

「やめろ!!」

「……なんだ、ネイア・バラハ。まだいたのか」

「団長! あなたは何をやってるんですか!!!」

「邪悪な亜人を殺しているだけだ。それがどうした」

「それが……どうしたですって!? あなたはこの子たちを見て何も思わないんですか!」

「何を思う? 私はカルカ様の目指す誰も泣かない世界を目指す。それを実現させようとしてるだけだ」

「誰も……泣かないですって?」

「?」

 

 レメディオスは訳が分からないと首を傾げている。それとは対照的にネイアは怒りのあまり金色の髪が逆立ち、視界が赤く染まる。怒髪天を衝くとはまさにこのことだろう。

 

「誰も泣かない世界を目指すというのなら! 今すぐこの子たちの涙を止めてみせろ!」

 

 ネイアは片手を兄妹に向け魔法を発動させると、ありったけの魔力を注ぎ込んだ。

 

「《重傷治癒(ヘビーリカバー)》!」

 

 兄妹の傷が見る見るうちに消えていき、兄は息を吹き返す。妹は驚いたようにネイアを見上げた。ネイアはレメディオスを睨んだまま兄妹に告げる。

 

「逃げなさい」

 

 驚きながら傷が治った体のあちこちを触り、異常がないことを確認した兄は頭を一度下げると、ふらつく足で妹の手を取り走り出した。

 

「何をしている! ネイア・バラハ! 貴様悪に堕ちたか!」

「悪……ですか。確かに私には何が正義なんてわからないかもしれません。ここまで旅をしてきていろんな人に会いました。その人たちはそれぞれがそれぞれ正義を語っていました……。答えはまだ出ません。それに……私には世界中のだれもが泣かない世界なんて作れない。世界を変えることだって出来ない。でも……目の前で泣いている子供を助けるくらいはできますよ!」

 

 ネイアは短剣を引き抜く。

 ミラーシェードを上げてレメディオスを睨みつけるとその強さに震えが走った。今までネイアが相手をしてきた誰よりも強大で計り知れない力を感じる。

 

「どけ、ネイア。あいつらを生かして帰したら人類の敵となるぞ」

「どきません! 団長……私たちとあの子たちの何が違うっていうんですか!」

「はぁ? 何を言っている」

「敵になるって何で決めつけるんですか。人間にだって善人と悪人がいます。でも、どんな悪人だって心を入れ替えることはあるし、どんな善人だって悪に手を染めるようになることはあります。あの子たちが悪に走ると決めつけないでください!」

 

 ネイアの脳裏に旅に出てから出会ったたちの姿が浮かんだ。望まない悪に手を染めてしまった者、正義と信じて悪を成している者、だが、そうと決めつけて断罪してしまっては決して分かり合えないだろう。

 

「人間も亜人も……アンデッドとだって分かり合えます。話を聞いてください」

「亜人だけでなく生者を憎むアンデッドとだと?」

「……私たちだって、一皮むけばスケルトンじゃないですか! 分かり合えないはずはないんです!」

「お前とは話にならない! 亜人やスケルトンと分かり合えると言うお前の戯言に耳を貸す気もない! ネイア・バラハ、貴様を人類の敵とみなし、悪の芽はここで断つ!」

 

 レメディオスが剣を抜く。蒼く透き通った刀身を持つ美しいその剣はネイアの見たことのない剣だ。悪を討つと言いながら正義の象徴たる聖剣サファルリシアを使わないと言うか。

 

「……聖剣を使わない?」

「聖剣……か。使いたいところだが切れ味が悪くてな。使い物にならん。亜人を斬りすぎたせいかはたまた呪いか……。だが、こちらの剣はいくら斬っても斬れ味は変わらん。行くぞ!」

 

 ネイアは武技《領域》《能力向上》《能力超向上》を発動し、短剣を構えると走り出した。力では劣るネイアは動きで翻弄するしかない。レメディオスから目を逸らさないように慎重に間合いを図るが、相手の力はそれすら許さなかった。

 ゆらりとレメディオスの体が動いたかと思うと背後に気配を感じる。身をよじって躱そうとするが既に斬りつけられた後だった。

 

「っ!?」

 

 斬りつけられたというのに痛みがない。しかし、驚きは後から来た。ポロポロと足元に落ちる残骸。それはモモンガからもらったあの弓の一部だった。まさか弓を斬られるとは思ってもみなかった。見た目の割にそこいらの防具よりよっぽど頑丈であったはずなのに一刀のもと、斬り裂かれた。

 

「お前は遠距離攻撃が得意だったからな。逃げられて狙撃でもされたら面倒だ」

 

 ネイアは思い出す。レメディオスは普段の言動こそおかしいところがあるが、こと戦闘に関しては天才的な勘を持っている。だからこそ聖騎士団長に任じられているのだ。

 距離を取ってレメディオスの剣の届かないところからの攻撃。それはネイアも考えていたことだが、真っ先にそれが封じられた。

 

「悪あがきはするな。さっさとお前を倒してあの亜人どもを追わねばならない」

 

 今度はレメディオスが正面から迫る。先ほどのスピード、捌ききれる自信はない。

 

(なら……)

 

 ネイアはブルークリスタルメタルの短剣を横に構え、レメディオスを待ち構える。避けることが出来なければ受けきり、隙をつくしかない。レメディオスの剣筋に割り込ませるように短剣で受け流そうとして……。

 

(ぇ……。うそ……)

 

 ネイアは驚愕する。レメディオスの剣がまるでバターでも斬り裂くようにネイアの剣に食い込んだのだ。そしてそのまま刀身を抜け、ネイアの体へと向かってくる。それでも剣筋を逸らすことだけには成功したようで右肩を斬りつけられるだけで済んだ。

 

「うぐっ……剣が……」

 

 モモンガからもらった短剣が斬られた。折られたのではない斬られたのだ。この短剣の頑丈さはよく知っている。今までどんな武器とぶつかり合っても刃こぼれ一つしないほど頑丈であった。しかし、それを一太刀で真っ二つだ。

 斬られた傷は致命傷ではない。すぐに動く必要があるが、《領域》から感じるレメディオスの速さはそれを上回っている。

 

(……速すぎて目で追えない。後ろ!?)

 

 距離を取ろうと駆けだしたところで背中に気配を感じたと思ったら瞬間、さらに斬りつけられた。直前に気づいたことでわずかに身をよじったが、今度の傷は大きい。

 

「うまく避けるものだ。何かの武技か? だが、ここまでだ」

 

 レメディオスがネイアへと死刑宣告をする。ネイアにはもう打つ手がない。弓は失った。短剣も失った。肉体能力では相手が圧倒的に上。逃げることも敵わない。

 

(もう……終わりなの……いえ、まだ……諦めない!)

 

 反撃をするにしてもまずは武器だ。レメディオスが一歩一歩とネイアに近づいてくる中。ネイアの目が吸い寄せられるようにレメディオスの腰の得物を捉えた。

 そこにあるのはもう一振りの剣。聖剣サファルリシア。まるでネイアに使ってほしいと言っているように目を引き付けてやまない。

 

(でも団長は聖剣が斬れなくなったって言ってた……そんな剣を奪っても……。いえ、待って……)

 

 ネイアの脳裏にモモンガの言っていた言葉がよぎる。帝国で言っていた(カルマ)という考え方だ。善行を成せば(カルマ)がプラスに、悪行を成せばマイナスに傾く。聖剣サファルリシアは善を力に変え、悪を討つ聖剣だ。

 

(サファルリシアが斬れなくなったってことは団長の悪行のせい? 無抵抗の亜人を殺戮するという悪行の……)

 

 答えは出ない。だが、試す価値はある。ネイアはそう判断する。

 

(あれを……あれを奪うしかない。でもどうやって……)

 

「さらばだ、ネイア・バラハ。亜人に心を奪われし者よ……」

 

 ネイアは武技で身体強化をしているがレメディオスのスピードにはついていけない。剣を避けることなどこの傷ついた体でできるだろうか。だが、やるしかない。

 覚悟を決め、レメディオスに突っ込む。待っていてもジリ貧だ。ならば死中に活を見出すしかない。

 

「玉砕覚悟か!」

 

 レメディオスの懐に飛び込もうとするが、それより先に目の前に白刃が迫る。とても避けきれるわけがない。

 

(駄目……やられる!?)

 

 それでも目を逸らさず左手でレメディオスの腰に手を伸ばした。

 

(掴んだ!)

 

 そしてそのまま剣を引き抜くと同時に二人の体が交差する。そして……。

 

 

 

 ネイアは立っていた。左手には聖剣を持っている。しかし、逆に右腕に鋭い痛みを感じる。手首から先を失い、血が溢れ出ている。

 

「《重傷治癒《ヘビーリカバー》》!」

 

 治癒魔法で右手を治療するが、なぜ避けられたのか分からない。今のは絶対に首を刎ね飛ばされるところだった。あれを避けられるような肉体能力はネイアにはない。ならば……。

 

(武技? 体がスライドした? あのエルヤーが使っていた……)

 

 武技《縮地改》。足運びなく体を水平移動させる武技だ。それが発動したおかげで首が飛ぶところを右手だけで済んだ。

 

(そういえばモモンガさんが分析してた……。本気で、本気で必要と思った時、それに見合う力を持っていれば新しい武技を覚えられるんじゃないかって……)

 

 モモンガのことを考えると少しだけ勇気が戻ってきた。

 だが、もう魔力は空っぽだ。同じような怪我をしたらもう次はない。

 ネイアは最後の希望として手にした聖剣を見下ろす。聖王国が誇る正義を司り、その正義を力へと変える聖剣サファルリシア。

 

(なにこれ……初めて握ったのにすごくしっくりくる。まるで力が流れ込んでくるみたい……)

 

「き、貴様! 貴様のような亜人に狂った邪悪な人間が……カルカ様より授かったその剣に触れるなぁ!」

「団長! 善悪は人によって違うんでしょうけど……今! 私にとっては貴方のほうが悪です!」

 

 ネイアは握りしめたサファルリシアの剣先をレメディオスへと向ける。まるで剣がそうしろといっているようだった。

 

「なに!?」

 

 レメディオスが困惑の声を漏らす。ネイアの心に呼応するようにサファルリシアが光を放ったのだ。その光には見覚えがある。かつて彼女が悪を斬り裂くために力を示した断罪の光だ。

 

「な、なんだ。なんなんだその光は! なぜだ! 私には使えなくなったと言うのに……なぜ聖剣が……サファルリシアが……正義の象徴がお前に応える!」

「分かりません……ただ……この剣が私を認めてくれた……? そんな感じがします」

「そんなことはない! カルカ様はそんなことは認めない!」

 

 レメディオスが剃刀の刃(レイザーエッジ)を、ネイアが聖剣(サファルリシア)を構え対峙する。

 武器を手にしたが、ネイアにとってレメディオスはいまだ到達不可能な領域にいる強者だ。震える手を必死に握りしめる。

 お互い譲れないものがある。もはや言葉は不要。

 レメディオスが怒りに任せ上段から剣を斬り下ろしてくる。それに呼応するようにネイアも剣を振るった。

 そして……二つの剣が、剃刀の刃(レイザーエッジ)聖剣(サファルリシア)が交錯した。

 

 

 

 

 

 

 打ち負かされたのはサファルリシア。何でも斬れるとの異名の通り、聖剣の刀身さえ斬り裂き、ネイアの持つサファルリシアはその刀身を真っ二つに斬り飛ばされた。

 

―――しかし

 

 刀身は斬り飛ばされようともその剣の放つ光は消えることなくますます輝きを強くする。そしてそのままレメディオスの体を光が包み込んだ。そしてその聖なる光がレメディオスの体を焼く。

 ネイアがレメディオスにダメージを与えることに成功したのだ。

 

「ぐうううううう」

 

 だが、レメディオスは顔を体を光に焼かれる激痛に耐える。そして……。

 

 倒れたのはネイアであった。理由は圧倒的なレベル差。いや、そのレベル差でレメディオスに重傷を負わせたというのは僥倖である。奇跡とも言えた。しかし、戦意を挫くほどのダメージは与えられなかったのだ。

 反撃に肩から胸まで斬り裂かれたネイアは倒れ伏す。血が止めどなく溢れ、地面を染めていく。

 ネイアは無力感に打ちひしがれていた。目の前で泣いている子供さえ守れない無力感に。そして残していく大切な人たちに。

 

(モモンガさん……ごめんなさい。一人ぼっちにしちゃって……)

 

 

 もう力が入らない。立つこともかなわず失われていく体力にネイアの目が霞み、それを閉じようとしたその時―――

 

 突如黒い空間が目の前に現れたかと思うと場違いで能天気な声が聞こえてきた。

 

「あー……酷い目にあった。他にも世界級(ワールド)アイテムがあるとか……まったく。しかし、収穫は上々……ん?」

 

 そこへ現れたのは豪奢な漆黒のローブに赤い眼光を宿し、ひび割れた眼窩を持つ骨。モモンガだ。

 

「何!? アンデッドだと!?」

 

 ネイアを打倒し、自身の傷を癒そうとしていたレメディオスが再び剣を取り上げる。

 

「ネイア!? ちょ、大丈夫……じゃないよな! なんで!? どうしてこうなってる!?」

「次から次へと! なんなのだおまえは! 滅びろアンデッド!」

「おまえは……聖王国の? おまえが……やったのか!?」

「……モモンガさん……気を付けて」

 

 ネイアは掠れるような、とても聞き取れそうにない弱弱しい声でモモンガへ警告を送る。その声、そして溢れ出る血を見てモモンガは一刻の猶予もないことを知った。

 レメディオスを無視すると、素早く無限の背負い袋(インフィニティ・ハヴァザック)を開け、指輪を付け替えた。

 しかし、その判断が、一手行動を遅らせるその判断がすべての運命を変えた。

 

「《大治癒(ヒール)》」

 

 モモンガの治癒魔法によりネイアの傷が一瞬で完治する。声が出せるようになったネイアはあらためてモモンガへと警告を発する。

 

「モモンガさん! その剣は何でも斬り裂きます! 気を付けて!」

「……なんでも?」

 

 モモンガは相手の戦力分析から入ることにする。まずは相手の能力、装備の把握が勝利を目指すうえで重要だ。相手の実力は聖王国にいるときに把握済み。一撃受ける覚悟で分析をし、勝てそうになければ撤退すればいい。

 

「《道具上位鑑定(オール・アプレイザル・マジックアイテム)》」

 

 レメディオスの持つ剣についてモモンガの頭に入ってきた知識。それはネイアの言っているとおり何でも斬り裂く剣であった。

 ―――剃刀の刃(レイザーエッジ)

 弱者が使えば大した代物ではなかったかもしれない。だが、レメディオスは亜人の討伐に討伐を重ね、高レベルに達していた。

 さらに恐ろしい情報が頭に入ってくる。能力(スキル)までも貫通して斬り裂けるというものだ、その耐性さえも……。それはモモンガの即死無効という耐性さえ無視できるということ。つまりこの剣で首をはねられればダメージではすまない。

 モモンガは2つの魔法を連続で放ったことにより、2手反応が遅れたことを後悔する。しかし、もう遅い。モモンガが首を守るように出した右手が斬り飛ばされるとレメディオスの剣の切っ先をその首へと向ける。

 

「くぅ……」

 

――敗因は情報不足と油断。

 聖王国では情報収集をし、モモンガに対抗できるほどの人間がいないことを知っていた。だが、まさかこれほどの速度でレベルを上げ、さらにモモンガの能力(スキル)さえ貫通する魔法道具(マジックアイテム)を所持しているなどどうして予想できようか。今から時間停止の魔法を発動させることも間に合いそうにない。

 

(モモンガさんが……やられる……いなくなっちゃう……)

 

 ネイアは後悔する。これは自分のせいだ。自分が始めた戦いにモモンガを巻き込んだ。そして自分の弱さゆえに敗れ、モモンガは窮地に陥っている。

 

(私が何とかしないと……)

 

 ネイアの脳裏にあったのはバハルス帝国で発動を失敗した武技だ。その名は武技《疾風走破》。時間を歪めるほどの速度を有するあの武技ならば間に合うのではないか。

 

(ここで……ここで力を使わないででいつ使うのよ!)

 

 新しい力を得るために必要なもの。生存意欲と力への欲求、それが必要だというのであれば今こそその時だ。

 ネイアは武技を発動させる。《能力向上》、《能力超向上》、《縮地改》。身体能力を高め、速度を上げ、一直線にモモンガへと駆ける。だがまだ足りない。

 

(もっと……、もっと速く!)

 

 そしてネイアの力への欲求は限界を超える。新たな武技の発動だ。あのクレマンティーヌが発動していた武技《疾風走破》。すべての武技を同時に発動させたその速さは時間さえも超えた。

 

 

 

 

 

 

 モモンガはスロウに見える空間の中、突き進むネイアの姿を捉える。そして動けないままの自分が刃の先から押し出されるのを。

 

(時間停止!? いや、時間加速か!?)

 

 モモンガの意識が一瞬ネイアの能力に行くが、目の前の凄惨さにそんな考えは吹き飛ぶ。モモンガの目の前にあったのはレメディオスの剣により心臓を貫かれたネイアだった。

 

「ネイア! くぅ……《大治癒(ヒール)》!」

 

 モモンガは体制を立て直し、再度ネイアへ向け治癒魔法をかけるが……。

 

「ごほっ……」

 

 ネイアが大量の血を吐き、倒れ伏す。治癒魔法は効果を発揮せずその胸に空いた傷が治ることはない。致命攻撃による即死状態だ。

 

「くそ! 邪魔をしおって、アンデッド! 次はお前の番……」

「やかましい! 《完璧なる戦士(パーフェクト・ウォリアー)》」

 

 モモンガの頭脳が現状への最適解をはじき出す。肉体能力を100レベル戦士のそれへと変え、レメディオスの剣を軽く躱すと殴り飛ばした。

 身体能力が劣る魔法詠唱者よりレベル的に上位となる戦士職の能力を得た方が対応できると判断したためだ。

 吹き飛び、気を失ったレメディオスから剣を取り上げる。この剣さえなければこの程度の戦士は怖くない。振り返ることなく急いでネイアに駆け寄った。

 

「ネイア。何で……何で……こんなことに……」

 

 モモンガの眼窩の中で赤い炎が悲しく揺れている。

 

(モモンガさん……泣いてる?)

 

「《大治癒(ヒール)》! 《大治癒(ヒール)》! くそ!治癒魔法が効かない!」

 

(私が傷ついて……悲しんでくれてる……)

 

 ネイアにはそれが少し嬉しかった。死んでも復活させればいい、そんな気持ちは微塵も感じない。ネイアが死んだらモモンガは蘇生をさせるとしても。

 しかし、それでいいのだろうか。モモンガを守って死ぬのならば後悔はない。しかし、心残りが一つだけ。エルフの王が言っていた言葉。

 

(いつか……私が死んでしまったらモモンガさんは一人ぼっちになってしまう……)

 

 それはたとえ生き返ったとしても、寿命を持つ種族にいずれ確実に訪れる未来だ。

 

(だったら……)

 

 ネイアがこれからすることにモモンガは怒るだろうか。それとも悲しむだろうか。これは賭けでもある。ネイアは薄れゆく意識の中、モモンガへのほんの少しの意地悪とほんの少しの期待を胸に想い、先に謝っておくことにする。

 

「……ごめんなさい……モモンガさん」

 

―――ネイアの人生はここに幕を閉じた。

 

 

 

 

「《真なる蘇生(トゥルー・リザレクション)》!」

 

 ネイアの体が魔法の光に包まれる。しかし、それはすぐにかき消えてしまった。

 

「なぜだ! なぜ生き返らない!」

 

 ネイアの命が失われてからというもの、モモンガは蘇生魔法をかけ続けていた。しかし、何度かけようと蘇生は一向に成功しない。

 

「あの剣の効果によるものか? いや、そんなことはない」

 

 モモンガが調べたあの剣の効果は、すべての効果を斬り裂き無効化するというものだが、それは死後の蘇生を阻害するようなものではなかった。ならば答えは一つ。しかしモモンガはそれを信じたくはない。

 

「蘇生を……拒否しているのか?」

 

 頭の中ではそれを否定したがっている。だが、それしか考えられる原因はなかった。

 

(なぜだネイア……もう生きていたくないのか? もしかして……嫌われたのか? 俺のしたことがやっぱり許せないのか?)

 

 確かにネイアを実験対象として見ていたこともある。しかし、それは強くなるために必要な事だったともいえるし、今はそんな気持ちは微塵もない。これからも一緒に……ずっとともにありたいと思っていたのになぜという想いが胸を締め付ける。

 それ故にモモンガは蘇生魔法をかけ続けていた。

 

「……だが何故だネイア。何が悪かったんだ……。俺の何が……。教えてくれ! どうすれば生き返ってくれるんだ!」

 

 頭蓋を掻きむしり悲しみを胸に叫ぶが返事はない。静寂のみが丘陵を支配している。その静寂こそがネイアが蘇生を拒否している証拠のように思えた。そして限界を超えた悲しみはアンデッドの特性による精神の鎮静化により静まる。

 しかし、悲しみが去ると代わりにモモンガの心を抗いがたい欲求と怒りが支配した。

 

(……知りたい。ネイアが何を考えていたのか……。()()をすれば本当に嫌われるかもしれない……。だけど、それでも知りたい……)

 

 例えネイアに嫌われようと一緒の世界にいたい。それが出した結論だった。ならばやることは決まっている。目を閉じるように眼窩に宿る炎を細め、モモンガは決意する。

 

(蘇生を拒否すると言うのであればするがいい……。もう……ネイアの意思などとは関係なしに生き返らせてやろうじゃないか!)

 

 モモンガはネイアの遺体を優しく抱えると転移の魔法を唱える。もうネイアを生者として生き返らせることはできない。ならば答えは一つだ。

 モモンガは暗黒儀式を行うため、必要とされるもののある場所へと転移の魔法を発動させるのだった。

 

 

 

 

 

 

 時間の存在が不確かな世界の中でネイアの意識は朦朧としている。自分がどこにいるかさえ分からない。ただただ何もない真っ白な水のような空間の中をたゆたう存在だ。

 

 悠久の時間の中でどれだけ経ったか分からないが、自分へと水面から手を伸ばす存在がいることに気づく。それは白く優しく、恐る恐る指し伸ばされた骨の手であった。

 

 しかし、ネイアはその手を取らない。その優しさに甘えてしまいたくなるが、取るわけにはいかない。

 

 それを取ってしまってはネイアの望みは叶わないから。

 

 その優しい手の持ち主の望みは叶わないから。

 

 しかし、その優しい手は諦めなかった。何度も何度も手を差し伸べる。

 

 早く握ってくれと。

 

 早く自分の手を取ってくれと。

 

 しかし、ネイアは動かない。

 

 何もない空間に漂いながらネイアは人生を振り返っていた。

 

 思えば今のこの状態はネイアが本当の正義を探そうとは思い国を出た結果だ。

 

 飛び出した広い世界には本当にいろんな人がいて、本当にいろいろな正義があった。

 

 

―――剣のみに生き、その高みを目指した剣士はこう言った「正義とは剣」だと

 

 

―――在りし日の母を想い、苦しみ。忘れられなかったアンデッドは言った「正義とは母」だと

 

 

―――仲間たちと共に人々を救おうと奮闘する冒険者たちは言った「正義とは懲悪」だと

 

 

―――世の中に絶望し、堕ちて行かざるを得なかったならずども達は言った「正義とは塵芥」だと

 

 

―――この世界で一番の頭脳を持つ王女、賢王の二つ名を持つ獣は言った「正義とは忠義」だと

 

 

―――死しても大海を愛しそれが汚されることに全力で抗う亡霊たちは言った「正義とは海」だと

 

 

―――他人を犠牲にしようと、自分への誇りのみを信じ続ける男は言った「正義とは己」だと

 

 

―――大国を、一族を率い、その命を預かる預かる偉大な王たちは言った「正義とは繁栄」だと

 

 

―――超常の力を持ち、その力のみですべてを支配した超越者は言った「正義とは強者」だと

 

 

―――今は亡き神々の教えを守り、人類を守り続けた神官たちは言った「正義とは人間」だと

 

 彼らにとってはそのどれもが本当の正義であったのだろう。

 

 しかし、そこにネイアの求める正義はあったのだろうか。

 

 

―――せいぎってなぁに

 

 

 幼いころに父と母に尋ねたことを思い出す。そこで両親は愛する人を守ることと答えた。

 自分には守る力などないと思っていた。守りたいその人は強く、ネイアの力など必要としていなかったのだから。

 

 あの時の傷ついた亜人の兄妹がお互いをかばう姿を幻視する。お互いに支え合い、立ち上がっている二人。

 

 そこに力の有無など関係なかった。ただ、その人がそこにいること。それが大切なのだ。

 

 ネイアは思う。いつか一人ぼっちになってしまう大切な人のために傍にいる。それだけでその人を守っていることになるのではないかと。

 

 

 どれだけの時が経ったのか。突如、何もない真っ白な空間が完全なる闇に包まれた。

 

 そして闇の中から手を差し出される。しかし、それは今までのような恐る恐る伸ばしてくるような手ではない。

 

 ネイアの意思に関係なく、力強くネイアの手を掴んで強引に引っ張り上げる手だ。

 

 しかしネイアはその手の力強さに心が喜びでいっぱいになった。

 

 その手は自身の意思でネイアを必要だと、絶対に離さないと握りしめている。

 

 ネイアはその手へと身を任せると自分の本当の正義を決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこは非常に見覚えのある場所であった。そこは聖王国の城壁の外側。はじめてモモンガに会った場所のすぐ近くだ。聖王国を襲い、返り討ちにあった亜人たちを埋めた場所でもある。ネイアは自分の胸に手を当ててみる。かつてそこから感じた鼓動を感じない。

 

(……心臓が止まっている)

 

 そして目の前に立つ人物に目を向けた。豪奢なローブに身を包んだ骨、モモンガだ。何だかバツが悪そうに顔をそらして両手の指をソワソワと動かしている。

 一方、ネイアの気分は良かった。これまでにないほどの充足感を感じる。眩暈もしなければふらつきもしない。ネイアは立ち上がると目の前の骨の顔を見る。モモンガもネイアへ顔を向けた。

 そして、まるで示し合わせていたように二人が同時に頭を下げる。

 

「「ごめんなさい!」」

「「え?」」

 

 声が重なる。ネイアはまさか謝られるとは思わなかった。責められるのは蘇生を拒否したネイアではないのか。だが、目の前の骨はネイアに求めてもいないのに言い訳を始めた。

 

「蘇生を拒否したことは分かっている。生き返りたくなかったのに無理やり生き返らせて……しかもアンデッドとして生き返らせて……怒ってると思う。……だけど聞かせて欲しい。何で……蘇生を拒否したんだ? それがどうしても聞きたい。なぁ、どうしてなんだ?」

「……怒ると思ってました」

「ん?」

「蘇生を拒否したこと」

「それは……」

 

 モモンガは否定はしない。やはり怒っていたのだろう。当然だ。蘇生には触媒も必要だろうし、何より善意で行ってくれたことに対する裏切りなのだから。

 

「ごめんなさい! 私……モモンガさんのこと試しました!」

「えっ!?」

「私のこと、本当に必要としてくれるのかって、私が蘇生を拒否しても無理やり生き返らせてくれるかって」

 

 ネイアは目を瞑りモモンガの返答を待つ。自分のことを必要としてくれてるか試したことを告白し、恥ずかしくて目を開けてられない。

 

「なっ……ネイア……本当に蘇生されなかったらどうするつもりだったんだ……」

「……賭けました。モモンガさん旅に出る時言いましたよね。蘇生を拒否するなって。拒否した場合アンデッドとして蘇生するしかなくなるって……」

「あー……言ったかも。でも試すなんて……そんな……」

 

 好きな人の気持ちを確かめるみたいだ、と言う言葉をモモンガは飲み込む。

 

「モモンガさんも私で実験して試していたでしょう? お返しです」

「うっ……確かにそうだな。ふふっ」

 

 人体実験のことを持ちだされモモンガが黙り込むと、ついおかしくて笑ってしまう。

 

「そうだ! アンデッドになってしまったんだぞ!? それはよかったのか?」

「アンデッドになったことは後悔していません。お父さんとお母さんにちょっと悪いかなって思いますけど……。でも、私モモンガさんを一人ぼっちにしたくなかったから……」

「……ネイア」

「いえ、それだけじゃない。私が、私自身がモモンガさんとずっと一緒にいたいんです」

「それって告白……」

「それで……モモンガさんはどうなんですか?」

 

 答えなど聞かなくても分かっている。法国から逃がそうとしてくれた時、一緒にいたいといってくれたから。それでももう一度ちゃんと聞きたかった。

 顔を赤らめて上目遣いに見つめるネイアにモモンガは思い出したように手を打ち鳴らす。

 

「えーっと、そ、そうだ! ネイア! ステータス! ステータスを見せてくれないか!?」

「はぁ!?」

 

 あっけに取られるネイアをモモンガはまじまじと見つめる。魔法を発動させると、捲し立てるように話し始めた。

 

「今回のは死者の蘇生と言うよりは暗黒儀式によるクラス取得というのが正解でな、アンデッド作成スキルによらないから支配権などは私にはない。安心してくれ」

 

「私がクラスを取得するにも大量のプレイヤーの死体が必要でな。昔仲間たちが融通してくれたんだ。ここに埋葬した死体が役に立ってよかった」

 

「ほぉ! 職業レベルに種族レベルが加わって……。レベルも私に匹敵するじゃないか!」

 

「しかもカルマ値が善のアンデッドなんてレアだな。聖騎士の屍(ホーリーナイト・コープスと)とでも言ったところか」

 

「神聖魔法に対する耐性もあるし、恐らくある程度魔法も行使可能になっているだろうな。それから……」

 

 照れ隠しなのか、マシンガンのように語り出した骨はネイアに興味津々だ。先ほどまでの甘い雰囲気は何だったのかと思うが、これがモモンガなのだから仕方ない。

 

 愉快で、ちょっと抜けてて、実験好きで、失敗もすれば間違いだって犯す、人間よりも人間らしい骨。ネイアがずっと一緒にいると決めた相手だ。

 

 ネイアはモモンガを見つめる。これからたくさん冒険して、いろいろな人に出会って、別れて、喧嘩もするだろうし、失敗もするだろう。

 

 それでもネイアは絶対にモモンガのそばを離れないと決めていた。

 そしてネイアの好きなこの骨に精いっぱいの笑顔を向ける。今まで誰にも向けたことのない一番の笑顔を。

 

 モモンガもネイアを見つめている。目と目があう。見つめ合い、そしてお互いの顔が近づき、そして―――

 

 

 モモンガは照れくさそうに、いつかこの場所で初めてネイアと交わした言葉を投げかけた。

 

 

 

 

 

 

 

               ―――顔こわっ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

             ~ネイア・バラハの冒険 完~




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最後まで見ていただいた方いましたらありがとうございました。

それでは!


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