技術流出の疑いがもたれている日本の半導体関連メーカーが「韓国の司法府の独立性に対する懸念」を主張し、韓国からの事業撤収を宣言した。
半導体製造設備と部品を作る日本のメーカー「フェローテック・ホールディングス」は16日、自社のホームページに、2016年忠清南道唐津(タンジン)に設立した子会社「フェローテック・アドバンスマテリアルズ・コリア」がシリコンカーバイドリングの製造事業から撤収すると明らかにした。シリコンカーバイドリングは半導体の切削に使われる消耗品だ。フェローテック・ホールディングスは、事業撤収は「フェローテックコリアと元従業員3人が『不正競争防止および営業機密保護法』違反の容疑で韓国検察当局に起訴された件と関連し、安定的な収益の確保が難しいと判断」したためだと明らかにした。
フェローテック・ホールディングスはまた、「裁判で無罪を主張しているが、最近の韓国の日系企業に対する司法判断を考慮すると、司法判断の独立性が完全に担保されないという懸念があり、潜在的リスクを最小化することが最適と判断した」と主張した。強制徴用問題と関連のない企業が、強制徴用被害の賠償判決を取り上げ韓国司法府の公正性を問題視したのだ。
NHKは17日、「徴用問題で日本企業に賠償を命じる判決が相次ぎ、韓国の司法判断に対する懸念が(日本企業の)事業継続に影響を与えているもよう」と報道した。菅義偉官房長官はこの日、フェローテックに関する質問に対し強制徴用賠償判決に触れ「現在まで韓国政府が(韓日)協定違反状態を是正する具体的措置をとらず、日本企業の資産差し押さえの動きが進んでいる点を深刻に受け止めている」と述べた。
フェローテックコリアは、韓国企業からスカウトした職員らを通じてシリコンカーバイドリングの製造技術を引き抜いた疑いで、2月に職員らとともに起訴された。被害を被った韓国メーカーは最近、フェローテックコリアを相手に民事訴訟も起こした。
日本フェローテックグループの売上高は、2017年に約738億円(約7481億ウォン)だった。フェローテック・ホールディングスは「フェローテックコリアの事業撤収はシリコンカーバイド分野に限定され、フェローテックコリアは他の事業をする案を検討している」と明らかにした。