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2019-05-01

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・平成は一気に遠くなりにけり。
 改元の日について、少しずつみんなが興味を持ちはじめて
 4月1日に新元号発表という大きな山場が来て、
 平成にあったさまざまなものごとを懐かしんだり、
 平成の時代の天皇皇后両陛下の歩みをたどったりして、
 いよいよその時が来るという準備にそわそわしていた。
 それは、主にテレビ局や新聞社のプログラムだったけど、
 それに影響されてか、ぼくらもだんだんと、
 大晦日からの年越しみたいな心持ちになりはじめた。
 除夜の鐘が鳴るわけでもないし、
 紅白歌合戦ががあるわけでもないだけれど、
 あちこちで「カウントダウン」のようなことがあった。

 で、12時を過ぎたら、なんだか普通の時間になっていた。
 ぼくも静かに興奮してテレビを点けたままにして、
 お祝いの夜中をたのしみにしていたのだけれど、
 あらま、そういうものではなかったのね。
 明日からは、どういう「新年特番」をやるのかなぁ。

・昭和の天皇が、世界史的にも有名な人だったので、
 それを引き継ぐ皇太子が平成の天皇になったときの
 背負わされた重さたるや、大変なものだったよね。
 そこから、ご自分なりの「象徴」の役割を、
 大きな彫刻でも彫るように、
 手仕事でつくっていったというふうな様子は、
 まことに芸術的なことだったと、ぼくには思える。
 そして、その作品のおかげで、平成天皇皇后のお二方は、
 昭和天皇とは別の意味での「偉大」に成ってしまった。

 そしてここでまた、新しい令和という時代の天皇が、
 若くてもの足りないなどと言われるのだろうか。
 「高いところに生きる」方々の「生きる」は、
 ほんとうにすごいことだよなぁと、つくづく思う。
 いま、物語の主人公について思うように、
 ぼくらは天皇のことを考える時間を過ごしている。

 おそらく、このあたりのことについて、
 ぼくの考えていることは、きわめて平凡です。
 独創的なことなど、まったくどうでもいい。
 ぼくは、「王様」を好きでいられることを幸せに思う。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
いまは思いつかないことが、また令和にはあるんだろうね。


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