神道いろは

三種の神器とはどのようなものですか、教えて下さい。

三種の神器とは、歴代の天皇が皇位とともに継承される、八咫鏡(やたのかがみ)・天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ、または草薙剣∧くさなぎのつるぎ∨)・八坂瓊曲玉(やさかにのまがたま)のことをいいます。

これらの神器は、『古事記』『古語拾遺』などの神話を起源とします。八咫鏡と八坂瓊曲玉は、天照大御神が天岩屋にお隠れになられた際、岩屋の外にお出ましを戴くための祭りに用いられたもので、鏡は伊斯許理度売命(いしこりどめのみこと)、曲玉は玉祖命(たまのやのみこと)が奉製しました。

また天叢雲剣は、出雲で素戔嗚尊(すさのおのみこと)が八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した折、大蛇の尻尾より出てきたもので、天照大御神に献上されました。後に日本武尊(やまとたけるのみこと)が東国征討の際に火攻めにあったとき、この剣で草をなぎ払い、火難より免れたことから、草薙剣とも呼ばれるようになりました。

天照大御神は、天孫瓊瓊杵尊の葦原中津国への降臨に際して、この三種の神器を授けて、天照大御神の子孫である皇孫尊(すめみまのみこと)が末永く日本の国を治めるようにとの天壌無窮(てんじょうむきゅう)の神勅を下され、以後、皇位の継承とともに連綿と引き継がれて現在に至っております。

八咫鏡は伊勢の神宮に、天叢雲剣は熱田神宮に祀られております。また宮中には、八咫鏡の御分身が賢所に祀られ、御神剣の御分身と八坂瓊曲玉の御本体(剣璽)は御所内に安置されています。

神社新報 『神道いろは』より転載

平成十四年一月二十八日

第二六三三号

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