義妹、脱毛する。そして兄に恋をする
「お風呂に入ります。半径五メートル以内に近寄らないでください」
「わかってる」
義妹は防御力が最大であった。
マスク、分厚い黒タイツ、セーターをいかなるときも装備し、学校でも男子を近づかせない徹底ぶり。ミステリアスビューティーと学校内で呼ばれ、マスクの下を見たいと熱望する男たちは後を絶たない。義妹はなぜそんなにも防御力が高いのか。
ひょんなことから秘密を知ってしまった義兄――白石篤は心血を注いできたソシャゲのグッズとアカウントを売り払い、脱毛資金を義妹に提供する。篤は見返りなど求めず、ただ家族だからという理由だけで義妹を助けたが・・・どうやら義妹は軽く受け取っていなかったらしい。
風呂
…場に五メートル以内の接近禁止、学校での挨拶はNG、一メートル以内に近づくのもご遠慮ください、一緒に登校などもってのほか。そんなお願いを常日頃からしてきていたのに――
「……お弁当を作りました」
「へっ?」
空白だった関係を塗りつぶすように、二人は少しずつお互いの距離を縮めていく。
果たして篤は義妹の献身ぶりと可愛らしさに義兄の威厳をいつまで保つことができるのか?
これは不器用で恥ずかしがり屋な二人による、小さな恋の物語。>>続きを読む +注意+
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