時間的には民主党政権が出来たころだったと思いますが、博物館の前を通りかかったら街宣をやっている集団があります。内容を聞いてみると、博物館の貸しギャラリーで韓国民団が日韓併合の写真展を開催するらしく、その街宣は写真展に反対し、ギャラリーを貸与しないことを博物館に求めていました。
言っている内容を要約すると、韓国民団は反日団体である、今回の写真展は反日宣伝である、日本人の税金で作られた施設を反日団体の反日宣伝に貸与することは許されない、というものでした。
博物館の貸しギャラリーはお金を払えば誰でも借りられるものであり、展示内容も法で禁じられている猥褻物以外であれば自由です。写真展をどのような思いで韓国民団の人たちが行なおうが、思想信条の自由にまで貸与する博物館側が踏み込んで審査して、貸与の是非を決めることは、憲法で保障された思想信条の自由の否定になるので出来ません。
ギャラリーを貸すというのは博物館にとっては商売です。貸し代金のみならず、人が来れば物品も売れますし食事もします、ギャラリーに借り手がつけば儲かるのです。
この人たちは貸しギャラリーが博物館の商売であることに気が付かず、ギャラリーの貸与は博物館を建設した日本からの恩恵であり、日本を批判するような内容になるであろう日韓併合展に対してそのような恩恵を施してやる必要はないから、貸すべきではないと主張しているのです。
外国籍の人たちが日本の公共施設を使うことは許されないとすれば、海外からやってきたアーチストが日本武道館などで公演することも許されないことになりますが、どうも一律に外国籍だから使用させるべきではないというのではなく、韓国民団が反日団体であるから、展示内容が反日的であるから貸与は許されないとしているのです。
思想信条も表現の自由も憲法で保障されています、反日であれば憲法で保障された権利を制限できるのか、法治国家として基本的におかしいと思いましたが、これが極右やネトウヨが保有する反日認定特権との最初の現実社会での出会いでした。
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Re:「朝鮮人憎悪」に燃える狂人ども
戦後の日本人はアメリカに憧れる一方で、韓国朝鮮の歴史にも在日韓国朝鮮の立場にも無関心でした。
40年くらい前の話ですが、高校で大学に行ったらどの外国語を学びたいかという話になったときに、一人だけ韓国語と答えた生徒がいたら、こいつは韓国語を覚えるんだとさ、とクラス中から大笑いされたという話を聞いたことがあります。
その一方で、身近に住む在日韓国朝鮮人に対しては、日本人が嫌がる低賃金の汚れ仕事をやっている貧しい人とたちとして、自分たちとは違うB級の住民として蔑視をしていました。蔑視するだけで、どうして低賃金の汚れ仕事にしか就けないのかといったことは考えようともしなかったのです。
そういう戦後の日本人の意識を利用して、韓国朝鮮人をターゲットにして極右運動を展開すれば、既製右翼のように天皇だ自主憲法だと言っているよりも組織の拡大が容易であり、人生に向き合わないネット住民がその差別に群がってきて、今のような状態になったと思えるのですが、この経緯は今の連載で順次説明して行くつもりです。
huyunohi1684
2017-05-26 22:42:55
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