(台北 27日 中央社)中国共産党政権に批判的な「禁書」を販売したとして北京当局に身柄を拘束されたことがある香港「銅鑼湾書店」の元店長、林栄基氏が台湾への移住を希望し、25日に台北入りした。台湾で書店経営を続ける意向を示している。台湾で対中政策を所管する大陸委員会の邱垂正報道官は26日、林氏に1カ月の滞在を許可したことを明らかにし、期間の延長も申請可能だと述べた。
香港立法会(議会)では今月3日から、犯罪容疑者の中国本土への引き渡しについて定めた「逃亡犯条例」改正案の審議が始まっている。林氏は、同案が成立すれば、中国に送還される恐れがあることから移住に踏み切ったとみられる。
台湾を選んだ理由について林氏は、友人の計らいであるほか、自身も台湾が好きだと回答。「ここでは尾行されたり盗聴されたりする心配がない」と話した。
香港では2015年10月以降、銅鑼湾書店の関係者が相次いで中国当局に捕まり、林氏も約8カ月間身柄を拘束された。林氏は台湾で銅鑼湾書店を再開させる計画を進めており、昨年6月の開店を目指していたが、同8月、中国の介入があったとして計画の中止を発表していた。
(繆宗翰/編集:塚越西穂)