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【首都スポ】

[大学サッカー]上位進出狙う 桐蔭横浜大・滝沢、下村の2トップがけん引

2019年4月26日 紙面から

2桁ゴールをマークできるだけの決定力をともに備える滝沢(右)と下村=横浜市青葉区の桐蔭横浜大で(平野皓士朗撮影)

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 第93回関東大学サッカー1部リーグ(東京中日スポーツ後援)は27日から第3節を戦う。天皇杯予選を行った関係で、2週間ぶりのリーグ戦になる。昨季10位で1部昇格7年目の桐蔭横浜大は1分け1敗のスタート。FW滝沢昂司(4年・桐生第一)とFW下村司(4年・市船橋)の2トップが攻撃の中心となり、巻き返しを図る。チームが目指すのは上位進出をなし遂げての全日本大学選手権(インカレ)初出場。両FWの活躍なくして、目標達成はあり得ない。 (関孝伸)

◆自慢のシュート力武器に2桁得点目指す

エース格の滝沢。泥くささが身につけば、ゴール数をかなり増やせるに違いない

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 昨季、ブレークを果たしたストライカーだ。リーグ戦21試合に出場し、9ゴールをマークしたFW滝沢。「(右利きではあるが)両足どちらでも同じように蹴ることができます」と自負するシュート力を武器に相手GKを破っていった。

 リーグ戦での自身初得点は昨季第5節で記録した。しかも、いきなりのハットトリック。開幕戦こそスタメンだったが、第2~4節はベンチスタートが続き、迎えた先発復帰戦で鮮やかに結果を出した。

 「うれしかったです。自信にもなりました。逆境に立ったときの方が燃えるタイプで、自分が出たときと出なかったときの違いを見せてやろうと思って、気合が入っていました」

 一躍、頼りになる存在となり、最終的にチーム一のゴール数をたたき出した。

 「(全体的には)充実した、楽しいシーズンになりました」

 ただ、シーズン10得点の目標には届かず、しかもラスト4試合がノーゴールという、後味の悪さが残る終わり方でもあった。

 「9点目を取った時点で試合数がまだ残っていたので、2桁(得点)はもう達成できると思いました。できると考えてできなかった自分が情けないですし、本当に悔しかったです」

 昨季が9ゴールなのだから、今季は10得点以上の数字を残すことが使命となる。

 「それ(2桁ゴール)はもう絶対ですし、自分の得点でチームを勝たせて、今年こそはインカレ初出場の目標をかなえたいと思います」

 開幕戦(7日)と第2節(14日)では不発に終わったが、YS横浜(J3)を打ち破った21日の天皇杯予選で「一安心しました」と振り返る先制ゴールを挙げた。上昇気流に乗る気配を漂わせた点取り屋。「得点することに飢えています。次のリーグ戦の試合(27日)でも決めたいと思います」と、たぎる思いで週末の第3節に挑む。

◆滝沢アラカルト

 ◆カワウソが好き きっかけは大学1年くらいのときに見たかわいい写真だった。以来、好きになり、原宿にあるカワウソカフェを訪れたりもした。今一番行きたいのはカワウソが昨年お目見えした新江ノ島水族館。一緒に出かけてくれる人を募集中だ。ちなみに、スマホの待ち受けもカワウソにしている。

 ◆双子 関東大学2部リーグの日大でプレーするMF和司は双子の兄。当然と言えば当然なのだが「仲がメッチャいいです」とのことで、好きな音楽アーティストのライブに一緒に出かけたりもする。まだ一度もない公式戦での直接対決を今季はぜひ実現させたい。

<滝沢昂司(たきざわ・こうじ)> 1997(平成9)年12月17日生まれ、相模原市南区出身の21歳。181センチ、70キロ。座間市の相武台幼稚園年長組のときにミハタサッカークラブ(当時)でプレーを始めた。リトルジャンボサッカークラブから桐生第一高(群馬)へ。同高では3年時に全国高校総体に出場したが、初戦で敗れた。桐蔭横浜大では2年時の一昨季終盤からリーグ戦のピッチに立ち、昨季はレギュラーとして活躍した。関東B・北信越大学選抜。

◆公式戦2戦連発中レフティー得点王狙う

攻撃のみならず、献身的な守備でもチームに貢献する下村。実力を出し切りたい

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 チームの今季リーグ戦初ゴールは攻撃センスあふれるレフティー、FW下村の左足によってもたらされた。第2節(14日)の前半27分、ゴール前で確実に決めた。自身にとって、リーグ戦での得点はおよそ1年ぶり。昨季の第2節以来となる久々の一撃だった。

 「待ちわびていたゴールでした。いつもは大喜びしたりはしないんですけど、そのときは体で表現して、ガッツポーズをしてしまいました」

 復帰後の一発だったことが歓喜をあらわにさせた大きな理由だった。

 昨年9月に左足第5中足骨を折り、リーグ後半戦を棒に振った。昨季からリーグ戦に出場するようになり、前半戦の全試合に出場。その間に挙げたのは1得点だけだったが、リーグのレベルや雰囲気には徐々に慣れてきていた。だから、ここからは自分の良さを出してゴールを奪っていける、そんな思いだったところでの負傷だった。

 「けがをした後の最初のころは今までの人生でメンタル的に最も落ちていました。家にいても家族とあんまりしゃべらなかったほどです」

 負傷が癒えた今季にかける。大学でのラストシーズンでもあるだけに、その意欲には並々ならぬものを感じさせる。

 「勝負の年なので、チームとしても個人としても結果にフォーカスしてやっていきます。一つ一つのプレーに気持ちを込めます」

 リーグ戦では現在1分け1敗と勝利がないが、「得点を取れるチャンスが去年よりも増えているので、いい感触があります。やっていて楽しさを感じます」と、自らの攻撃でのパフォーマンスには手応えを覚える。21日の天皇杯予選でも1ゴールを決め、公式戦2戦連発中だ。

 「チームに貢献できているのはいいことです。でも、1点だけではなくて、2点、3点と取るようにしたいです。(リーグ戦の)得点王を狙っていきます」

 大きな目標を掲げ、自分にあえてプレッシャーをかけるのだという。貪欲さを隠さないFWが最後に光り輝く、そのときを待とう。

◆下村アラカルト

 ◆暇さえあれば 趣味が特にないこともあり、関心はひたすらサッカーに向けられている。海外サッカーを見るのが好きで、見て勉強もする。大いに参考になるのがFWスアレス(バルセロナ)の動きだし。日本人海外組の中では自分と同じ左利きである日本代表MF小林祐希(ヘーレンフェイン)のプレーぶりが気になる。

 ◆おいっ子 姉の子どもたちと遊ぶのがいいリラックスになる。上の姉に3人、下の姉に2人の子どもがいるのだが、そのうち4人が男の子。今はまだ小さいおいっ子たちが大きくなったら、一緒にサッカーをやりたいと夢見ている。

<下村司(しもむら・つかさ)> 1997(平成9)年9月26日生まれ、東京都多摩市出身の21歳。174センチ、68キロ。地元のみさと保育所に通っていた3歳のときに17(セブンティーン)多摩サッカークラブでプレーを始めた。小4~中2の間、東京Vの下部組織に所属した後、FC GLORIAから市船橋高(千葉)に進み、同高1年時に全国高校総体で優勝した。桐蔭横浜大では3年時の昨季からリーグ戦に出場するようになったが、負傷で途中離脱を余儀なくされた。

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 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。

 

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