大阪府・市は16日、大都市制度のあり方を議論する副首都推進本部会議を開き、「大阪都構想」の導入で最大1兆円の歳出削減が見込めると試算した大学機関に根拠や実現可能性について質疑した。府市議会議員にも参加を呼びかけたが、自民、公明、共産の各会派は「都構想ありきのパフォーマンス」などと反発し出席を見送った。
試算は受託した嘉悦大学付属経営経済研究所がまとめ、府市が7月に公表。都構想の制度設計を議論する法定協議会では、都構想に有利な試算を疑問視する各会派が議題にすることを認めていない。府市議会の委員会では議論されているが、同研究所への質疑は実施していない。
松井一郎知事は試算の信頼性をアピールしようと府市内部の会議に同研究所を招請。都構想を推進する大阪維新の会の議員や知事らが説明を求めた。
同研究所は「現状の大阪市の規模は大きすぎる。見直しで財政効率化が図れる」と解説。歳出が最少となる人口規模を50万人と想定し、現在の市(270万人)を廃止し4特別区(1区当たり60万~75万人)に改める都構想により、10年間で最大1兆1千億円超の歳出削減が可能と主張した。
「(都構想導入の)コストは織り込んでいない」とも述べた。試算は経済モデルや統計分析に基づく理論値で、どの事業でどの程度の経費削減ができるかは示していない。
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