4月23日に放送された『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)が、〝差別用語〟を編集せず放送したと物議を醸している。
この日の番組は、令和への改元が間近に迫っていることから皇室のニュースを取り上げることに。「退位の礼」の関係儀式である「親謁(しんえつ)の儀」を行うため、昭和天皇が埋葬されている武蔵陵墓地を訪れた天皇陛下と皇后陛下の様子を報じていった。
武蔵陵墓地には多くのギャラリーも詰めかけており、番組は訪れた人へのインタビュー映像も放送。すると、持参していた使い捨てカメラを「バカチョン!」「チョンバカ写ルンです」と表現した73歳の女性が映され、VTRが明けると「さきほどVTRの中で一部不適切な表現がありました」とスタジオで謝罪が行われた。
番組は謝罪も「過剰反応」との指摘も
「おそらく、番組側が不適切と判断したのは『バカチョン』との表現。『チョン』とはもともと〝半人前〟や〝取るに足らない人〟という意味でしたが、時がたつにつれ『頭が悪い人への侮蔑』や『特定の国籍を持つ人への差別表現』として用いられるようになりました。そのため、現在のマスコミでは〝キチガイ〟や〝メクラ〟と同様の放送禁止用語になっています」(制作会社勤務)
禁止用語が飛び出したことに視聴者は驚き、ネット上には、
《バカチョンカメラはアウトでしょ》
《VTRなのになぜカットしなかった》
《昔は通じたけど今は不適切だよ》
《今の放送してええんか?》
などといった声が続出。しかし一方で、
《謝罪しなくていいのに》
《昔は普通に使ってた》
《特定の国を指すなんて被害妄想》
などと、番組側の対応が過剰だと指摘する者も見られている。
「2015年、大阪都構想の住民投票を巡る街頭演説で、当時、自民党幹事長だった谷垣禎一氏が『〝自民党は都構想に反対している〟〝バカだチョンだ〟と維新の方は言っている』と発言し、後に『不快な思いをさせ大変申し訳ない。不適切な発言についてはお詫びして撤回する』と謝罪・撤回しました。確かに、高齢の世代にとっては悪意のない自然な表現なのでしょうが、一般人の中に〝差別〟を目的として使う者がいる以上、公人やメディアは誤解を避けるためにも使用を控えるべきという大人の対応でしょう。言葉狩りや過剰反応といった指摘は的外れです」(地方紙記者)
昭和の時代、〝キチガイ〟という言葉は、「狂っているように何かに熱中している」というプラスの意味も持ち合わせていた。名作漫画『釣りキチ三平』の〝キチ〟もここからきている。言葉の意味とは、時代とともに代わるものである。
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