三重では、菰野と津田学園が決勝に進出するとともに、春季東海大会(5月24日から3日間、静岡・草薙ほか)出場を決めた。菰野はタイブレーク制の延長13回、8番・吉田光輝捕手(2年)の満塁本塁打で、いなべ総合に10-6で競り勝った。愛知では8強、岐阜では4強が決まった。
誰もが驚く一発が勝負を決めた。無死一、二塁から始まるタイブレーク制の延長13回。先頭打者が送りバントに失敗し、いなべ総合に流れが傾きかけた後だった。四球で1死満塁。吉田がフルスイングした打球が、左翼の芝生席に飛び込んだ。
「犠飛でいいと思っていた。ホッとしました」と吉田。高校入学後初の本塁打が、値千金の決勝満塁弾。ベンチに戻ると、普段は厳しく指導される戸田直光監督(56)からハイタッチで迎えられた。吉田が「うれしかった」と喜べば、戸田監督も「こちらも8番打者が打つとは思っていなかった。本当にまさか」と目尻を下げた。
決勝では、昨秋の準決勝で1点差で勝った津田学園と対戦する。「打線がすごい。配球を厳しくしたい」と吉田。センバツ出場校を倒して2季連続で県大会を制し、勢い良く東海大会に臨むつもりだ。