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♪~
(なつ)あっ!
おはようございます!おはよう。
遅くなって ごめんなさい。(悠吉)なっちゃん目が ウサギみてえに真っ赤だべ。
(菊介)演劇で疲れてるんでねえのか?ううん 元気 元気。
体も もう慣れて 前より元気。
(富士子)なつ 張り切るのもいいけど体壊したら 元も子もないよ。
分かってるよ。 母さんも無理しないでね。
本当に元気みたいだねえ。うん。
今日から 台本の稽古が始まるし。おっ いよいよか!
(菊介)なっちゃん 主役か?
あのね 主役かどうかなんて関係ないの。
もはや 問題は私に 芝居ができるかどうかよ…。
(鳴き声)
♪~
♪「重い扉を押し開けたら暗い道が続いてて」
♪「めげずに歩いたその先に知らなかった世界」
♪「氷を散らす風すら味方にもできるんだなあ」
♪「切り取られることのない丸い大空の色を」
♪「優しいあの子にも教えたい」
♪「ルルル…」
(太田)牛のチーズに比べてヤギのチーズは クセがすごい。
何か 臭いっていうより クセ。うん 何か 全部の料理とかにも勝ってくるから 結構 強い
んよ。(ベル)
はい 今日は ここまで。
♪~
天陽君!
(天陽)やあ!
(雪次郎)久しぶり。久しぶり。
先生 天陽君 連れてきました。
(倉田)おっ!
君が あの雪月にある絵を描いた人か?
はい。そうです。 彼が山田天陽です。
よく来てくれたな。 よろしく頼む。あっ どうも。
台本は渡してあります。読んでくれたか?
読みました。それで どんな絵を描けばいいですか?
好きなように描いてくれ。はい?
君の絵には…十勝の土に生きる人間の魂が…見事に表現されていた。えっ?
魂って言葉が好きなんだわ。
その君の感じるままに好きなように描いてくれたまえ。
うん。まあ 時々 好きな時に ここへ来て芝居の稽古を見て 感じたことを背景にしてくれ
ればいいんだ。おい 大道具の諸君。(一同)はい。
彼が 背景の絵を描いてくれる山田天陽…。
(門倉)あれなら 俺の勝ちだよな。
(良子)えっ? 何に勝ったんですか?
男らしさよ。
男らしいのと いい男なのは別ですからね。
男らしい方がいいべや!
私はね。
♪~
おめえに聞いてねえ。
聞いてたべさ。よし じゃあ 走ってこい。
えっ? 今日も走るんですか?
(雪次郎)当たり前だべ。
(一同)5 6 7 8。(雪次郎)2 2 3 4。
(一同)5 6 7 8。3 2 3 4。
(一同)5 6 7 8。横! 1 2 3 4。
5 6 7 8。 ハハハ…。
5 6 7 8。 ハハハ…。
何で 裏方も走るんさ…。
おめえら! 走んなら シャキッと走れ!
男らしい…。
(一同)ぱ ぺ ぴ ぷ ぺ ぽ ぱ ぽぱ ぺ ぴ ぷ ぺ…。なにぬねの にぬねのな ぬ
ねのなにねのなにぬ のなにぬね。あいうえお いうえおあ うえおあいえおあいう おあい
うえ。
(雪次郎)整列!(一同)はい!
(雪次郎)よ~い!
(一同)あめんぼ あかいな あいうえお。うきもに こえびも およいでる。かきのき くりのき
かきくけこ。きつつき こつこつ かれけやき。ささげに すをかけ さしすせそ。そのうお あ
させで さしました…。
大変なんだな 演劇部って。でしょ。
でね 私もこの芝居を 絵に描いてみたのさ。
絵に?うん この芝居の登場人物を絵にしたのさ。
天陽君の参考にはならんと思うけど図書室で借りたいろんな民族の本を参考に勝手なイメ
ージで描いたの。
ふ~ん…。
<「白蛇伝説」。遠い昔の北の国 勇敢な村人のポポロが山道を歩いていると子どもたちが
白い蛇を取って食べようとしていました。ポポロは 子どもたちからその蛇を逃がしてやりま
した。すると 川から一匹の魚が跳ね上がってきたのです。オショロコマという珍しくて おい
しい魚でした。オショロコマをあげると子どもたちは大喜び。あの白い蛇は神様の使いだと思
いました。それから しばらくしてポポロの村で不思議な病気が はやりました。原因は分か
らず死を待つだけの病気でした。やがて 村長が病気を治す方法を見つけました。サケの皮
を焼いて煎じて飲ませるというものでした。しかし 村人たちは困りました。ポポロたちのいる
川上の村は川下の村と 仲がよくなかったのです。そこで 村長は川下の村長と話し合いに
行きました。そして 戻ってきた村長がみんなに告げたのです。「わしの娘 ペチカを向こうに
嫁がせればサケを分けてもらえることになった…」>
なつよ 話が長すぎる。
この続きは 後にしよう。
(雪次郎)「俺は 絶対に反対だ。あんな乱暴者にペチカ様を差し出すくらいなら戦う方が ま
しだ!こうなったら川下のやつらと 戦をするぞ!」。
(高木)「待て!戦って どうする? ポポロよ。戦ってるうちに 病気の者が皆 死んでしまっ
ては 元も子もない」。
「それでも ペチカ様をあんなやつらに渡すよりはよっぽどいいに決まっている!」。(石川)「
ポポロ。お前には 家族がおらんからそんなことが言えんだべ!」。
(橋上)「そうだ!病気の家族を抱えてみれ。そんなことは言えないはずだべ!」。
「お前たちは ペチカ様を犠牲にしてまで自分たちの家族を助けたいのか!」。
「お待ちなさい ポポロ」。
「ペチカ様!」。
「私は 犠牲になるとは思っていません。みんなが 血を流して戦う方がよっぽど 犠牲にな
ると言えるでしょう」。
(雪次郎)「ペチカ様はあんなやつの嫁になりたいのか?」。
「それを望まないことは あなたが 一番よく分かってくれているはずです。ポポロ。だけど
自分のことだけを考えるわけにはいきません。そもそも 私たちはその考え方が間違ってい
たんです」。
(倉田)ダメだ!
えっ?
奥原…。
お前 何考えてんだ?ちゃんとやれ!
あの ちゃんと やってるんですけど…。
(倉田)ポポロに答えるセリフからもう一回。
じゃ なっちゃん きっかけ言うべ。うん。
「ペチカ様はあんなやつの嫁になりたいのか?」。
「それを望まないことは あなたが 一番よく分かってくれているはずです。ポポロ」。
(倉田)ダメだ! もう一回!
「ペチカ様はあんなやつの嫁になりたいのか?」。
「それを望まないことは…」。(倉田)ダメ! もう一回!
「ペチカ様はあんなやつの嫁になりたいのか?」。
「それを望まないことは…」。(倉田)もう一回!
「ペチカ様はあんなやつの嫁になりたいのか?」。
「それを望まないことは…」。ダメ!
分かりません!どうしたらいいんですか?
どうすればいいのか 俺にも分からん。
えっ?(倉田)だが…お前が ダメなのは分かる。自分で考えれ。
そんなの… 当たり前じゃないですか。
私は 下手なんです!
おい おい おい… 何言ってんだ。
下手というのは 何かをやろうとしてできないやつのことだ。お前は 何もやろうとしていない
。下手以下だ。
♪~
ただいま。(一同)お帰り。
なつの頂戴。ん。 ありがとう。
ただいま。(明美)どうだった? お芝居。
うまくできた?
おなかすいたしょ。 先に食べなさい。
ごめんなさい… 先に着替えてくる。
なつ~?(剛男)何かあったんじゃないのか?
(泰樹)具合でも悪いのか?
(夕見子)天陽君と喧嘩でも したんじゃないの。
(照男)お前なあ…そういうことを簡単に言うな。
簡単に考えた方がいいんじゃないの?重~くするより。
余計なこと言うなって言ってんだ。
夕見姉ちゃんには そんなの無理だよ。うるさい。
えっ 何… そんな重いことなの?
どうしたのよ? 何があったの?
悔しい…。
悔しいよ…。
えっ?
私は 何もできないよ。 できんかった…。
できないより もっとダメなんだって…。
何言ってんの…。
悔しい…。
♪~
「それを望まないことは あなたが 一番よく分かってくれているはずです。ポポロ。だけど
自分のことだけを考えるわけにはいきません。そもそも 私たちは…」。あ~ ダメだ!
お前のセリフには魂が見えてこないんだ!
もっと ちゃんと 気持ちを作れ!
はい…。
魂なんて どこに見えるんですか?
♪~
魂なんて作れませんよ。
♪~