提督の憂鬱 作:sognathus
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そこでようやく事態を知るに至った彼女が取る事を決めた行動とは。
彼女『寝込んでる?』
加賀「はい、そうです。どうやら過労が原因らしくて」
彼女『大丈夫なの?』
加賀「それは問題ありません。ちゃんと医師の方にも診て貰ってますし、私達も細心の注意を以て看護していますので」
彼女『......そう。あなたがそう言うのなら間違いないわね。でもそっか......寝込んでるんだあいつ......』ブツブツ
加賀「少将殿?」
彼女『あ、いえ。でもないか、加賀?』
加賀「はい」
彼女『今度査察の任務の帰投中に近くを通りかかる時があるの。だから――』
加賀「分かりました。予定をお教えいただければ出迎えの準備を致します」
彼女『話が早くて嬉しいわ。それじゃ、よろしくお願いできるかしら?』
加賀「委細承知致しました。了解です」
彼女『ありがとう。それじゃあ宜しく......え? なに? あなたも何かあるの?』
加賀「?」
彼女『あ、ごめんなさい加賀、ちょっと代わるわね』
加賀「? はい」
武蔵『聞いたぞ加賀! 私の大佐が――』
ガチャン
加賀「......」
Z1「切ってよかったの? なんかまだ話し声が聞こえた気がしたけど」
加賀「私の、なんて図々しい......」ボソ
Z1「え?」
加賀「なんでもないわ。それより、近く大佐の元......いえ、復縁した彼女さん、少将がここに来るわ」
Z1「そうなの? やったぁ。僕あの人優しいから好きだなぁ」
加賀「確かに優しいですね。というより人物的に隙がない強敵というべきでしょうか」
Z1「え、強敵?」
加賀「恋のライバル、というやつですよ」
Z1「へぇ......ねぇ加賀さん」
加賀「なんですか?」
Z1「僕も恋のライバル?」
加賀「......」
Z1「加賀さん?」
加賀「訂正します。恋の仲間です。略して恋友」
Z1「あれ? “仲間”は?」
加賀「“恋仲”だと恋人になってしまいます。日本語の妙ですね」
Z1「えっと、つまりライバルじゃなくて大佐が好きなもの同士の仲間っていう事?」
加賀「その通りです。流石はレイスですね。賢いです」ナデナデ
Z1「ん......ダンケシェ......加賀に撫でられるのも好き♪」
加賀(可愛い......)
Z3「......」ジー
Z1「あれ? ジェーン? どうしたの?」
Z3「ジェーンの方が可愛いわよ......」ボソ
Z1「え?」
Z3「こほん、なんでもないわ」
Z1「?」
Bis「無理はよくないわよ!」
Z1「あ、マリアさん」
加賀「これはこれは、海外組が勢揃いですね」
Bis「ジェーン、羨ましかったら私が撫でてあげるわよ!」
Z1「え?」
Z3「......っ」カァ
加賀「......」
Bis「恥ずかしがらなくていいのよ? ほら、お姉さんが撫でて――」
Z3「加賀さんお願いします」フイ
Bis「!?」
加賀「私でいいのかしら?」
Z3「デリカシーがないドイツ人はドイツ人じゃないわ」キッパリ
Bis「え!?」
Z1「え? それってマリ――」
加賀「レイス、それ以上はダメ」
Z1「......?」
加賀「......」チラチラ
加賀が目配せしてる方を向くと、そこには涙目になったマリアがいた。
Z1「えっ、マ、マリアさんどうし――」
Bis「うわぁぁぁぁぁん!!」ダッ
バタン!!
Z1「......行っちゃった」
Z3「......ふん」
加賀「ジェーン」
Z3「っ......」ビクッ
加賀「ちゃんと後でマリアさんに謝るのよ?」
Z3「......分かってるわ」コク
加賀「そう。ならいいの」ナデナデ
Z3「ん......♪」
Z1(早く大佐にも撫でて貰いたいなぁ......)
もうすぐ第四部終了ですね。
第五部は提督の復活とイベントの話にするつもりです。
それまでは残りの話の間、今暫く彼には休んでいてもらいましょう。