21日午後2時ごろ、神戸市中央区のJR三ノ宮駅前の横断歩道で、市営の路線バスが歩行者を次々にはねた。兵庫県警葺合署によると、20代の男女が死亡、女性会社員(45)が重傷。ほかに20~50代の男女5人が軽傷を負ったとみられる。同署はバス運転手の男を自動車運転処罰法違反(過失致死)の疑いで現行犯逮捕し、事故原因などを捜査している。
同署によると、男性1人をはねて死亡させたとして逮捕したのは神戸市営バスの運転手、大野二巳雄容疑者(64)=神戸市長田区房王寺町3。
大野容疑者は「ブレーキを踏みながら発進の作業をしていたが、急発進してしまった」と供述しているという。同署は容疑を同法違反(過失致死傷)に切り替え、捜査している。
死亡したのは同県明石市の大学3年、柳井梨緒さん(20)と、神戸市須磨区のアルバイト、那須勇成さん(23)。重傷は奈良県斑鳩町の女性で両脚を骨折したという。
同署によると、大野容疑者は事故現場の手前の停留所で乗客を降ろすため停車。発進する際、すぐ先の横断歩道手前の停止線で止まらず、そのまま歩行者をはねたとみられる。事故の際はバスに乗客はおらず、中央分離帯に衝突して止まった。
神戸市交通局は同日、同市内で記者会見し、内藤直樹自動車部長ら3人が「重大な事故を起こし、心からおわびする」と謝罪した。
同局によると、大野容疑者は1986年に採用され、60歳で定年退職後に再雇用された。この日は午前5時55分ごろに出勤しアルコール検査を受けた後、6時35分ごろから乗務を開始した。同局は「糖尿病の持病がありインスリンを使用していたが、運転に支障はなかった」と説明している。
現場は神戸市中心部の繁華街を通る片側4車線の県道。
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