SPORT x ART FESTIVAL 2018
新豊洲オータムフェス
REPORT#013
2018年10月27日、28日に開催されたSPORT×ART FESTIVAL 2018「新豊洲オータムフェス~頑張る人に、いいエネルギーを。~」。新豊洲の魅力を伝えるこのイベントに欠かせない存在だったのが、2名の有名フレンチシェフ・生江史伸氏と手島竜司氏によるフードカー「新豊洲ガストロノミーカフェ」。移転したての豊洲市場と連携し、この2日間のみ食べられる特別メニューが提供されました。
今回生江シェフがプロデュースしたのは、「江戸前アナゴパイ」(¥500)と「秋刀魚のフライサンドイッチ」(¥700)。
一方、現在もフランスのパリを拠点に活躍する手島シェフがプロデュースしたのは、「そば粉のガレット きのことベーコン」(¥700)と「魚介のクリームカレー」(¥1000)。
フランスで最も影響力のあるレストランガイド『ゴーミヨ』にて“未来の巨匠”を受賞し、ミシュランガイドフランス版で一つ星を獲得した彼がカレー?と意外でしたが、「フランスはカレーのイメージがないかもしれないけど実は大好き。ソースが食文化の軸にあるので、カレーのルーもソースのひとつと考えているようなイメージですね」とのこと。クリームの中に豊洲産のミントが入っていて、フレンチ、そして豊洲を感じることのできる一品でした。
「そば粉のガレット きのことベーコン」はフランスの国民食とのことで、わざわざフランスから持ってきた香り豊かなきのこを使用。本場クオリティのガレットでありながら、そば粉の和テイストゆえにどこか親しみやすく、みなを満足させていました。
そんなお二人は、ステージでトークショーも行いました。テーマは「シェフが語る”食のまち”豊洲の未来」。
フランスで生活する手島シェフは、「日本の食文化の魅力は、”研ぎ澄まし”にあると思います。フレンチではガストロノミーとかビストロとか、そういったくくりはあるけれど、”うなぎ屋”とか”そば屋”とか、一品に絞って磨き上げる文化はありません。その姿勢を世界が見習おうとしています」と、日本の職人さんたちにエールを送りました。
さらに、食と建築と音楽の街・サンセバスチャン(スペイン)を例に、「海に面していて食文化が盛り上がっている街は世界にたくさんあるが、実は食材だけでなく、いろいろなものと連動して文化が生まれている。今回のイベントのようにスポーツやアートなど様々な要素の中に食が混ざることが重要なのでは」と、 “食”に偏らないことが新豊洲のブランドづくりで大切だという考えを示しました。
最後に、新豊洲が”ユニバーサルな街”を目指していることについて。
手島シェフは「今回の豊洲のイベントは、みなに対しオープンであると感じます。築地は良い意味でも悪い意味でも閉じた印象のある場所だったと思うので、こういった取り組みにより、誰にでも入りやすい市場になっていくと良いのではないでしょうか」と期待感を持った。
また、生江シェフは「身体的なバリアフリーはもちろん大切ですが、精神的なバリアフリーも意識した街になってほしい。人と人、コミュニティとコミュニティの間には目に見えない様々なバリアがありますが、食はそのバリアを取り払う力があると思っています。美味しさを共有して、年齢や性別、国籍を超えて混ざり合い、新しいエネルギーを生み出す街になってほしいです」
と話しました。
食と街づくりの関係の深さをみなが理解するとともに、ユニバーサルな街づくりを加速させるトークショーとなりました。
※随時更新していきます。