天皇陛下の譲位により、来年(2019年)のGWは10連休になる見通しです。

政府は、平成31(2019)年4月30日の天皇陛下の譲位に伴い、皇太子さまが即位され、改元される5月1日を「祝日」か「休日」にする方向で検討に入った。即位に伴う儀式などの準備のため、年明けにも設置する菅義偉官房長官をトップとした組織で具体的な検討を行った上で来年中に必要な法案を政府提出で成立させる方針だ。

https://www.sankei.com/politics/news/171206/plt1712060037-n1.html

新聞やニュース等では歓迎する声が多い反面、子育て世帯は戦々恐々としています

 皇太子さまの即位に伴う休日で、来春のゴールデンウィーク(GW)が10連休になる見通しとなった。異例の長期休暇は、どんな影響があるのか。

内閣府によると、来年は皇太子さまが即位する5月1日を祝日とするため、4月27日から5月6日までの10連休となる。10連休は祝日法が定められた1948年以降、最長とみられるという。

予想されるのは海外旅行の増加だ。旅行大手各社からは12日、歓迎の声が上がった。

(中略) 「夏休みの4分の1」という長さの大型連休が、子どもの心身に影響を与えるのではと不安視する声もある。都内の公立中に勤める30代の男性教諭は「新学年になり、ようやく気持ちが乗ってきたかなという頃だ」として、「長く休むことで精神面や体調面で不安定になる子どもが出てこないか心配」と話した。

https://www.asahi.com/articles/ASLBD5GQKLBDUTIL03X.html

———-
(12/8追記)

参議院本会議で可決され、成立しました。

10連休法が成立 皇太子さまの天皇即位に伴い

2018年12月8日 2時18分

皇太子さまが天皇に即位される来年5月1日などを1年限りの祝日とする法律が、参議院本会議で共産党を除く各党などの賛成多数で可決・成立しました。これを受けて、来年は4月27日から5月6日まで10連休となります。(以下省略)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181208/k10011739401000.html

参考として、法律案(このまま成立)をご紹介します。

●天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律案

第一九七回
閣第一三号

天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律案

天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日は、休日とする。

附 則

(施行期日等)
第一条 この法律は、公布の日から施行し、天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成二十九年法律第六十三号)第二条の規定による天皇の即位に関して適用する。

(他の法令の適用)
第二条 本則の規定により休日となる日は、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する国民の祝日として、同法第三条第二項及び第三項の規定の適用があるものとする。
2 本則及び前項の規定により休日となる日は、他の法令(国民の祝日に関する法律を除く。)の規定の適用については、同法に規定する休日とする。

(この法律の失効)
第三条 この法律(次項を除く。)は、天皇の退位等に関する皇室典範特例法が同法附則第二条の規定により効力を失ったときは、その効力を失う。
2 前項の場合において必要な経過措置は、政令で定める。

理 由
天皇の退位等に関する皇室典範特例法を踏まえ、天皇の即位に際し、国民こぞって祝意を表するため、即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g19709013.htm

———

10連休による影響を検討してみます。

土曜日から始まる10連休、保育所・幼稚園・学校等は休み

前提として抑えておかなければならないのは、10連休の仕組みです。4月27日から5月6日までを10連休とする内容です。初日だけが土曜日、残りの9日間は全て休日扱いです。

この間、保育所(27日を除く)・幼稚園・学校等は原則として全てお休みです。9-10日間、子供がずっと家庭で過ごす事になります。3連休でも大騒ぎなのに、9-10日間となるとゾッとしています。

4月から新しく保育所・幼稚園・学校等へ入園・入学した児童にとって、GWは一つの鬼門です。1カ月経過して身についた習慣等がリセットされてしまいます。

たとえば保育所に入園した直後は泣いてばかりだった子供も、4月下旬には園生活や保育士に慣れてくる頃でしょう。

しかし、GWに突入して父母とべったりする毎日が続いてしまい、GW明けの保育所では再び泣き叫ぶ子供が少なくないです。

学校も同じです。机に座って勉強する毎日に慣れてきた頃に連休が始まり、学習習慣等を忘れてしまいます。5月病となる子供もいます。

また、学力低下に悩む大阪市立学校は、大量の宿題が課されると推測されます。課題を作成・採点する先生も大変でしょうし、宿題の山に追われる子供も大変です。

余談ですが2学期以降、毎日の宿題が増えていると感じています。1学期よりプリントの枚数が大きく増えています。教育委員会の方針かと邪推しています。課題を消化しきれない家庭・子供もいるのではないでしょうか。

ただでさえ子育て世帯にとっては間が悪いGW、しかも来年は10連休になってしまいそうです。

保育所は9連休、土日勤務者は死活問題

殆どの保育所は月~土曜日まで開所しています。休日(日曜日や祝日)も開所しているのは一部の例外のみです。

4月27日(土)は開所するでしょうが、残りの9日間は全て休日扱いとなります。保育所は9連休となる公算大です。土日に出勤する事が多い家庭では、この間の保育問題が極めて大きな問題となりそうです。

例年のGWの様に3連休+3連休や4連休であれば、夫婦の勤務スケジュールを調整したり実家に応援を求めて乗り越えてきた家庭が多いでしょう。

しかし、9日間となると別問題です。盆や年末年始以上の難題です。解決方法が思いつきません。

病院・診療所も休み!

子育て世帯にとって深刻な問題なのは「医療機関の休診」です。

多くの医療機関は休日は休診しています。4月27日(土)の次に受診できるのは、5月7日(火)となりそうです。9日間もかかりつけ医の診療を受けられないのは、非常に怖い話です。

小さな子供は簡単に体調を崩します。多少の発熱であれば自宅でゆっくりと様子を見るでしょう。しかし、高熱や外傷等、すぐに受診する必要がある症状もあります。

急を要する時は急病診療所を受診するしかありません。

休日・夜間急病診療所
http://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000371474.html

以前に何度か受診した事がありますが、待ち時間の長さや窓口職員の横柄さに閉口した覚えがあります。

10連休中は激しく混み合うのは必至でしょう。数時間も待たざるを得ない診療所もあるでしょう。非常に大きな負担です。

また、連休明け後の医療機関は非常に混み合うでしょう。数時間待ち、下手をすると当日中の診療が出来ない恐れもあります。

———–

1/15追記:新天皇即位の10連休中の初期救急体制「GWと同様」が6割

日本医師会が各医師会にアンケートを行った結果が公表されました。多くの地域では、通常のGWと同様の体制とする予定としています。

新天皇の即位に伴う10連休中における、初期救急の在宅当番医制実施体制は「多くの地域では、通常のゴールデンウイークと同様の体制の予定」とする都道府県医師会が現時点で6割-。日本医師会は1月9日の定例会見で、全国47都道府県医師会に対して実施したアンケート結果を公表した。(中略)

初期救急の在宅当番医制実施体制について尋ねたところ、「多くの地域では、通常のゴールデンウイークと同様の体制の予定」との回答が22(61.1%)で最多だった。

「全てもしくはおおよその地域で、参加医療機関・診療料を増やすなどの対応を取る予定」も3(8.3%)あった。一方、「多くの地域で未定」は2(5.6%)、「不明・その他」も7(19.4%)となった。

休日夜間の急患センターの実施体制や、二次救急の病院群輪番制実施体制も同様の傾向で、小玉常任委理事は「通常のゴールデンウイークと同じ体制をとるところが多かったが、一部では体制強化を図るところもみられた」と分析した。

https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/66855/Default.aspx

アンケート結果は、日本医師会のウェブサイトに掲載されています。

2019年10連休について
https://www.med.or.jp/nichiionline/article/008365.html

基幹病院はまだしも、一般的な開業医の多くはカレンダー通りに休業するのではないでしょうか。子供が連休中に体調を崩したら死活問題です。

———–

高騰する旅費、混み合う観光地

土日休みの方も深刻な問題を有します。子供がいる10日間、どうやって過ごせば良いのでしょうか。

海外・国内旅行へ出掛ける計画を立てている家庭もあるでしょう。しかし、ただでさえGW中の旅行代金は高騰します。夫婦だけの料金ならまだしも、子供の人数分の旅費等は家計に重くのし掛かってきます。

多くの観光地・行楽地も混み合いそうです。

真っ先に思いつくのはUSJです。既に多くの土日は観光客で溢れかえっています。人気アトラクションは2時間待ちもしばしばです。10連休中は更に激しく混むでしょう。

親子にとって「待ち時間」は非常にストレスが溜まります。じっとしていられない子供はウロウロしたり泣き始め、その相手で親は疲弊します。アトラクションの順番が回ってくる頃には疲労困憊です。

嬉しくない10連休

「10連休は嬉しくない」というのが我が家の結論でした。子供や家庭に掛かる負担が大きすぎます。

正直な所、法改正を見送って欲しい気持ちでいっぱいです。休日で無くても新天皇の即位を祝福できます。

我が家でいろいろ考えたところ、「数日間は実家へ帰省する、数日間は大阪でゆっくりする、後は成り行き任せ」という話で落ち着きました。

皆様はどの様に過ごす予定でしょうか?