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ペリカン見た人 便りを 34年前の写真 再発見

撮影したモモイロペリカンの写真を見て思い出を振り返る村本義雄さん=羽咋市上中山町で

写真

トキ研究 村本名誉会長まで

 羽咋市で長年、トキをはじめ鳥類の観察や研究をしている日本中国朱鷺保護協会の村本義雄名誉会長(93)は、撮りためた写真を整理しているなかで、三十四年前に撮影したモモイロペリカンと思われる写真を再発見した。国内では、自然には生息しない種で「能登半島に来たということは、他所を経由しているはず。情報があれば」と、さらに詳しい情報を求めるなど手がかりを探している。(林修史)

 村本さんによると、写真は市内の羽咋川河口で、一九八五年七月に撮影した。シギやミヤコドリなどの鳥を観察しようとしたところ、大きな鳥二羽に気付き「これは逃げんうちに」と望遠レンズで狙った。大きく羽を広げたり、波打ち際でたたずんだりしている姿が写されている。

 日本鳥学会の「日本鳥類目録」によると、モモイロペリカンは中国、欧州、アフリカにかけて生息する。国内では、沖縄県で七九年と八三年に、迷鳥として目撃されたと記されている。また、現在も千葉県印西市の印旛沼には、どこから飛来したのか分からないが一羽生息し、地元漁師らに愛されている。

 村本さんは、市内でフラミンゴの写真も撮影したことがあり、珍しい鳥もまれに訪れるというが、「このフラミンゴなどは一羽だけで、どこからか逃げてきたのだろう」と見る。ペリカンは二羽いたことから「迷い鳥では」と推察。他の目撃情報などがあれば研究の参考にしたい考えだ。

 村本さんは、地元に生息していたトキの魅力に取りつかれ、五六年から観察を開始。絶滅後は、邑知潟を訪れるコハクチョウなどを観察し、これまでに百三十六種類の鳥類を写真に収めてきた。「たくさん野鳥が寄ってくるのは、人間にも住みやすい環境だと教えてくれているんだと思う。これだけの鳥がいたんだと後世に残したい」と大量の写真の整理を進めている。

 

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