【SKE新オーナー独占直撃(最終回)】アイドルグループ「SKE48」の新オーナー・藤澤信義氏(49=東証2部上場企業「Jトラスト」代表取締役社長)の独占インタビューはついに最終回。藤澤社長からは地元活性化に向けた熱い思いが語られた。サッカーJ2・FC岐阜の大株主でもある藤澤社長がSKEのグループインによって目指すものとは――。
――藤澤社長は2012年にサッカーJ2のFC岐阜が債務超過からJリーグ免許剥奪の危機に陥った際、1億5000万円もの私財を投じてチームを救った
藤澤社長:たまたまヤフーニュースを見ていたら「FC岐阜の危機」という記事があったんです。事業もそれなりに大きくなっていたし、何か地元に恩返しをしようと思って。それでFC岐阜に連絡して支援することになりました。
――それまでFC岐阜とつながりは
藤澤社長:ないです。全然ないです。(当時の)FC岐阜は債務超過だったので資本も入れなきゃいけないし、運営収支も毎年赤字だと困るので、スポンサー契約も引き受けて。県知事と岐阜市長に推薦してもらって、Jリーグに大株主承認をしてもらいました。最初はスポンサーもいなかったので注目を集めなきゃいけない。ラモスさん(元サッカー日本代表・ラモス瑠偉氏)とつながりがあったので(FC岐阜の)監督をお願いしました。といっても夜、飲むだけのつながりですが(笑い)。それから川口能活選手や三都主アレサンドロ選手など元日本代表の選手が入って、盛り上がりましたね。ただ(現場に)口出しはしていないです。
――SKEもFC岐阜と同じように地元に密着して活動をしている
藤澤社長:東海地方はまず中日ドラゴンズがあって、名古屋グランパスがあって、SKEがあって、FC岐阜も、みたいなイメージですよね。やっぱり(東海地方の人は)中日新聞と中日スポーツで育つわけですよ。私もずっとドラゴンズファンでした。立浪選手と同じ世代。年に何回もナゴヤ球場に行って星野仙一監督や宇野勝選手を見てました。カラオケでも「燃えよドラゴンズ!」を歌ってましたね。
――やはりドラゴンズやグランパスと同じようにSKEで地元を盛り上げていきたい
藤澤社長:そういう捉え方をしていますね。FC岐阜も地元への恩返しのつもりで経営危機のときに大株主になり、今は経営が安定しています。今度はSKEを持つことによって岐阜だけに限らず東海3県の皆さんへの恩返しができる。地域活性化にSKEってすごく役立っている。(48グループの中でも)SKEほど地元意識があって地域活性化に貢献しているグループはないと思います。
――ファンの中には「AKB優先でSKEはあまり優遇されてこなかった」という意識があった。そういう意味で新しい運営会社や地元出身のオーナーへの期待は大きい
藤澤社長:SKEはそのまま地元に根付いた活動をしていき、地元の活性化を含めた活動をしていけばいい。SKEで頑張った分はSKEでぼんぼん予算を取っていけばいいと思ってます。われわれとしては、それを核として大きくしていきたいので。SKEを中心とした核があって、派生的なものも含めてAKSや秋元さんに提案しながら、グループ全体を大きくしていきたいと思います。
――JトラストやKeyHolderグループには多くの関連会社があるのも強みになる
藤澤社長:(4月にグループインしてくる関連会社の中には)大手のコンビニエンスストアと一緒に仕事をしていて、タレントのグッズなどを全国のコンビニに拡散させる機能も持っています。一方でテレビ番組の制作会社があって、いろんな番組作りをテレビ局に提案する。例えばSKEのメンバーがテレビなどで発信した商材が全国のコンビニで売られていくとか、そういう入り口から出口のところまでトータルパッケージで事業ができないかということを考えています。普通のアイドル運営会社だとそこまで発想しないと思うんですよ。そういう意味で番組制作会社を持っているのはSKEにとっても大きな話だと思うし、流通を持っているのもコンテンツを展開していく上でメリットがある。そういうのをトータルパッケージしていくと相乗効果は計り知れないくらいあると思います。とにかく盛り上げていきたいですね。
(終わり)
☆藤澤信義(ふじさわ・のぶよし)=1970年1月17日生まれ。岐阜県出身。東京大学医学部卒業。東証2部「Jトラスト」代表取締役社長。3月1日にJトラストの子会社「KeyHolder」がSKEを傘下に収め、実質的なオーナーとなった。