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ずらり並んだ公衆電話が物語の小道具 1990年代の西口地下
Reライフおすすめ講座「東京小説散歩 再発見する新宿」 その4
更新日:2019年04月19日朝日新聞東京版の名物コラムだった「東京物語散歩」の筆者・堀越正光さんが語る「東京小説物語 再発見する新宿」。その3回目は、舞台を新宿駅東口方面から西口に移します。1日350万人の往来をのみ込むマンモス駅ならではのミステリーが登場します。
その日のうちに落とし主の女性から連絡があり男性はお礼がいいたいという女性に会って名刺交換をします。後日、同じ交番から女性のことで妙なことを聞かされるという展開です。
この物語を見つけたとき、すでに2000年代に入っていました。そのころ交番近く、西口改札に向かって右側に公衆電話が22台並んでいました。今朝見てきたら5台ほどに減っていました。
島田荘司『踊る手なが猿』(1993年)はおもしろいミステリー小説です。
新宿駅西口地下街にある商店街が舞台です。ある喫茶店で働く29歳の純子が主人公。バツイチの店長とは「いい関係」という設定。ある日、純子に店を任せてどこかへ外出した店長が、翌日、西新宿のホテルで死体となって発見されます。死因は青酸カリで遺書もあるとのこと。自殺とされますが、店長から外出前に指輪をプレゼントされた純子は不自然だと感じました。
後日、今度は喫茶店の向かいにある洋菓子店から、ものすごい勢いで女性店員が飛び出し、西口地下広場の方角をめざし泣きながら走り出すのを純子は目撃します。その後を男性の店員が追いかける。つられて純子も追いかけるという描写があります。
やがてNTTのインフォメーションセンターが見えてきた。その向こうには噴水、その手前の周回路にはタクシーが走っている。(『踊る手なが猿』光文社より)
1989年の『ゼンリンの住宅地図』には、西口地下街を南から北へ向かうと周回路の手前に「NTT新宿西口インフォメーションセンター」が記されています。現在は催事場になっています。このあたりは2010年ごろリニューアルされたようで、小説にでてくる「噴水」も見当たりません。こうした描写は、昔はあったけど現在はないという「失われた光景」の貴重な記録になるパターンです。
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これは朝日カルチャーセンター新宿教室で2019年2月17日にあった朝日新聞Reライフおすすめ講座「東京小説散歩 再発見する新宿」の採録第4回です。次回は「新宿西口高層ビル群」です。
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