提督の憂鬱 作:sognathus
<< 前の話 次の話 >>
影の主は気付かれないようにゆっくりと忍び寄りそして――
皐月「たーいーさっ」ギュッ
提督「ん、急にどうした」
皐月「えへへー、ただこうしたかっただけー♪」
提督「......?」
ササッ
電「うーん......8点!」
文月「9点です!」
敷波「な、7点......ふんっ」
皐月「合計24点かぁ。まぁまぁかなっ」ピョンッ
提督「......なんだ?」
電「一番恋人っぽいセリフを言った人が勝ち! ゲームなのです」
提督「......」
皐月「僕はまぁまぁいい線いってたみたいだね。敷波の評価がちょっと厳しい気がしたけどなぁ?」チラ
敷波「べ、別に嫉妬とかじゃないからねっ。こ、公平に評価した結果だもん!」
文月「本音がダダもれですね~」
電「敷波ちゃんは大佐が大好きなのです♪」
敷波「ち、ちが......! ちが......違わないけど、さ」カァ
提督「もしかしてお前達もするつもりなのか?」
文月「当然!」
電「なのですよ」
敷波「だ、だめ?」
提督「......一応聞いておこうか」
文月「やったぁ。それじゃあ今度はわたしですねぇ」
文月「大佐、ちょっとベッドに寝て貰えますか?」
提督「何故?」
文月「このゲームはシチュエーションも評価の対象なのです。だからお願ーい」
提督「......分かった」ゴロン
文月「あ、布団も被って下さいねー」
提督「ああ」バサッ
文月「ありがとうございますー。それじゃ文月いきまーす」
文月「大佐、大佐起きて。もう起きないと遅刻しちゃうよ」ユサユサ
提督「......」
皐月「うーん、これは......7点!」
電「ちょっと惜しいのです。7点!」
敷波「っ......7点!」
文月「合計21点ですかー。残念ですねぇ」
提督「......因みに皐月との点差が出た理由は?」
皐月「雰囲気は良かったけど、でもこれはどっちかというと」
電「幼馴染なのです」
敷波「惜しかったけどね!」
文月「なるほど~。これは迂闊でしたぁ」
提督「それで、次は誰だ?」
電「電です! 大佐、今度はまた椅子に座っててもらえますか?」
提督「わかった」ギシッ
電「それではいくのです!」
電「おはようございます大佐。昨夜はその......」ポッ
提督「......」
皐月「え? それで終わり?」
電「なのですよ」
皐月「ごめん、よく分からなかった。5点!」
文月「じゅ、10点......」カァ
敷波「10......」カァ
皐月「えっ」
電「合計25点。トップなのです♪」
皐月「えっ、えっ? な、なんで? どうして二人ともそんなに点数が高いの?」
文月「そ、それはぁ......」
敷波「えっと......」
電「金剛お姉ちゃんの言う通りにやったら上手くいったのです。ブイッなのです♪」
提督(あいつか......)
皐月「え~、なんかよく分からないよ~」
文月「ま、まぁ次行きましょう。はい、敷波ちゃんですよ」
敷波「は、はいっ」ビクッ
提督「今度はどうしてたらいいんだ?」
敷波「あ、大丈夫そのまま座ってて」
提督「分かった」
敷波「すぅ......はぁ......。行きます!」
敷波「大佐」
提督「ん?」
ガシッ
皐月・文月・電「えっ」
提督「ん? おい、敷な――」
チュ
敷波「だ、大好き......」カァァァ
皐月・文月・電「......」
敷波「......ど、どう?」
皐月「はっ。......ひゃ、100点!」
文月「これは100点です」
電「これは予測外なのです。100点!」
敷波「......ありがと。や、やった」
提督「敷波......」
敷波「大佐、宜しく......な?」
敷波はただのツンデレではないのですよ。
実はとても素直であざとい子なのです。
大淀がイベント報酬になるみたいですね。
嬉しい筈なのに、このやる気の出なさは一体......。