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【ドラニュース】

勝利呼んだ与田監督の怒り リクエストで判定覆り併殺に

2019年4月22日 紙面から

中日-ヤクルト 5回表、ベンチを飛び出し、審判のもとに向かう与田監督=ナゴヤドームで(谷沢昇司撮影)

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 乱戦ムードを指揮官の怒りが引き締め、中日は快勝した。5-4だった5回1死二塁、ヤクルトの攻撃で、上田の二飛を捕球した堂上が、飛び出していた雄平の姿を見て、二塁送球。いったんはセーフの判定が出たが、与田剛監督(53)が鬼の形相でリクエスト、判定は覆りアウトとなった。これでヤクルトに傾きかけていた試合の流れを取り戻し、逃げ切った。3位は変わらぬが、首位巨人とは1、2位ヤクルトとは0・5差の大激戦だ。

 序盤から点の取り合いとなった大乱戦。ナゴヤドームが最もヒートアップしたのは5回表だ。1点リードの1死二塁で代打の上田が放った二塁後方への飛球を堂上が好捕し、飛び出していた雄平を刺そうとすぐさま二塁へ送球。アウトのタイミングにも見えた中、今岡二塁塁審がちょっと間を取った後、セーフと判定すると、与田監督が一塁ベンチから飛び出した。

 鬼の形相で今岡塁審に詰め寄る。エキサイトもしながら訴えた。「われわれには審判の方が全くプレーを見ていないように見えたので、そこでジャッジされるのは良くない。アウトにも見えた」と与田監督。今岡塁審には見ていたのか確認したというが、「返事はなかった」。結局はその後、審判団がリプレー検証をした結果、判定はアウトに覆り、ダブルプレーでチェンジになった。

 ただ、与田監督にとって、その過程はまったく納得できるものではなかった。「これは審判の方で協議するのが一番いいですよというのは伝えたが、僕の方から、リクエストしてもらわないといけないと言われた。あのジャッジが正しいんでしょうかと言った記憶もある」と話した。

 自らリクエストをする形ではなく、審判団で協議してもらう事案ということ。目を切っていたと思われる中で判定を下すのもおかしい。これが与田監督の言い分だ。もちろん、この日の勝利を目指す中でさまざまな訴えをしたが、何より、野球界全体でルールにのっとった中で正しい判定をしてほしいとの思いもある。だから余計に、言わずにはいられなかった。

 もっとも、このリクエストが、逃げ切り勝利へ向けて大きな出来事にもなった。「自分でもアウトかなという感覚はあった。結果的にアウトになってくれたので(相手に傾いていた)流れを止めることになった」と堂上が言えば、大島は監督の姿について「気持ち的に伝わるものがあった」と話した。近くで指揮官が今岡塁審に詰め寄る様子を見た京田も「迫力が伝わってきた。勝負にかける気持ちがすごく伝わってきた」と語った。先発の吉見、2番手の佐藤もピリッとしない展開が続いていた中、結果的にはここからグッと引き締まって、白星をつかんだ。

 

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