伊藤和子
弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長1994年に弁護士登録。女性、子どもの権利、えん罪事件など、人権問題に関わって活動。米国留学後の2006年、国境を越えて世界の人権問題に取り組む日本発の国際人権NGO・ヒューマンライツ・ナウを立ち上げ、事務局長として国内外で現在進行形の人権侵害の解決を求めて活動中。同時に、弁護士として、女性をはじめ、権利の実現を求める市民の法的問題の解決のために日々活動している。ミモザの森法律事務所(東京)代表。
伊藤和子の最近の記事
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19歳の娘に対する父親の性行為はなぜ無罪放免になったのか。判決文から見える刑法・性犯罪規定の問題写真
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これで再発防止ができるのか? 疑問だらけのNGT48 第三者調査委員会報告とAKS会見。写真
3月24日(日) 7時00分
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家庭裁判所で女性が刺され死亡の衝撃。命がけで救いを求めて訪れる被害者たちを裁判所は守れているのか。写真
3月21日(木) 2時07分
伊藤和子の最近のコメント
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NGT48の山口真帆がAKS報告会見で逆襲 「こんな形で蓋をしてはいけない」と専門家〈週刊朝日〉写真
AERA dot. 3月23日(土) 15時02分
伊藤和子
|被害者である山口真帆さんが全く納得できず、即座に反論せざるを得ない調査結果を公表した第三者委員会の調...続きを読む査のあり方が厳しく問われます。そもそも、第三者委員会が会見して説明責任を果たすべきであるのにそれを行わず、報告書の質も極めて低い。加害者とされる者への聞き取りもできないまま、加害者と複数接触したメンバーがいること、加害者側に山口さんの帰宅時間等の情報を提供したことをメンバーが認めていることを指摘しながら、メンバーの供述のみをもとに「関与がなかった」と一方的かつ粗雑な認定をしていることは極めて問題です。
さらにひどいのはAKSの会見。山口さんからリアルタイムでツイート指摘を繰り返し受けたのに彼女の主張を全面否定し、責任が疑われるメンバーを「不問に付す」姿勢に終始しました。この姿勢でいかにコミュニケーションが可能なのか。有効な再発防止策もないまま山口さんを復帰させようとすることは人権侵害です。 -
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伊藤和子
|イスラム教徒のロヒンギャ住民はミャンマーで長年にわたり差別・迫害を受けてきた。2012 年以降、ラカ...続きを読むイン州の仏教徒とのが深刻化し、多くのロヒンギャ住民が周辺国に避難、国際問題となってきた。
2016年4月アウンサンスーチー氏率いるNLDが政権をとり、同氏が国家顧問に就任し、民主化したと言われるミャンマーだが、アウンサンスーチー氏はロヒンギャ問題を人権に基づき解決するリーダーシップをとらず、昨年10月以降、事態はさらに深刻化した。治安部隊による住民の虐殺、拷問、レイプ等の訴えがあるが、国軍も政権もこれを否定。国連人権理事会は国際調査団の派遣を決定したが、7月にアウンサンスーチー国家顧問は調査団に入国ビザを出さないよう指示し、調査を拒絶。こうしたなか、今回の事態も起きた。軍による人権侵害を隠ぺい、免責し、住民虐殺を容認するなら何のための民主化か。日本を含む国際社会の強い関与が求められている。
伊藤和子
弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長 報告 オーサー山口真帆さんの卒業は、声をあげた被害者が職場を追われる著しく不当な結論です。
事件を発信した際、社長は「不起訴になったことで事件じゃない」と述べたとされますが、不起訴でも所属アイドルに起きた被害、人権侵害である以上、再発防止は運営の責務です。
「会社を攻撃する加害者だ」など、ハラスメントの被害者をトラブルメーカーとして責めるありえない暴言です。
事件について目を「そらさないなら辞めろ」というのは違法な退職強要に該当するでしょう。
NGT48と山口さんの契約は形式上は委託契約等でしょうが、実態からみて雇用類似の契約と考えるべきで、運営は職場環境調整義務、安全配慮義務を負い、違法な退職強要は許されないはずです。
山口さんに犠牲を強いる解決は明らかに不当です。本件はAKSのアイドルに人権が保障されていない現状を改めて露呈した由々しき案件であり、このまま終ることは到底許されないでしょう。