サッカーのナショナルトレーニングセンター「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町、広野町)が20日、2011年の東日本大震災以来、約8年1カ月ぶりに全面再開した。既存の施設に加え、国内初の全天候型屋内練習場などが新たに整備され、JR常磐線の新駅「Jヴィレッジ駅」も同日開業。県内外から多くの家族連れらが訪れ、復興のシンボルの門出を祝った。
東電福島第一原発事故の収束作業の前線拠点から「サッカーの聖地」が復活を遂げ、日本サッカー協会の田嶋幸三会長(61)は「過去も未来も日本サッカーの発展にとって、Jヴィレッジは欠くことのできない存在。W杯ベスト8、4に向け、ここを中心に発進していきたい」と語った。
再整備されたJヴィレッジスタジアムでは約9年ぶりの公式戦、なでしこリーグ・千葉-仙台が行われ、熱心なファンが声援を送った。東京五輪のサッカー男女日本代表が事前合宿を行う予定で、なでしこジャパンの高倉監督は「ここで力を付けて、五輪へ向かっていきたい」と笑顔で話した。 (松岡祐司)