【サッカー】勝ったけど…浦和・興梠「見苦しい試合」 バラバラ神戸に辛勝2019年4月21日 紙面から
◇J1第8節 浦和1-0神戸浦和はFW興梠慎三(32)のPKによる得点で神戸を1-0で下した。ホームで今季初勝利を挙げ、勝ち点14とした。リージョ前監督との契約を解除した神戸は3連敗で、吉田監督就任後の初戦を飾れず。名古屋はジョーのゴールで磐田を1-0で下し、勝ち点16で3位に浮上した。 最少得点を守り切り、浦和が今季ホーム初勝利-。字面だけを見ればハッピーエンドも、実情はそうではなかった。 残り20分余りは専守防衛。それも“よく守った”ではなく神戸の拙攻に助けられた形。前半10分に自ら得たPKを決めた興梠も「ちょっと見苦しい試合ですね。今日はアウェーだったんですかね」とホームとは思えない消極的な試合運びに自虐コメントが口を突いた。 惨敗した第6節・横浜M戦(5日)の反省から今は守りに重きを置く。「いい守備からいい攻撃というか、そこからリズムをつくろうと」と槙野。2戦連続完封は一応の成果を出したとも言えるが、攻撃面での収穫はほとんどなかった。 後ろに重心がかかった布陣は攻めに転じた際も切れ味が悪い。せっかく繰り出したカウンターも途中でミスが出て、大きなうねりとなる前に消失。すぐに長い“守備の時間”に引き戻された。 オリベイラ監督は「常にゴールを狙い続ける質の高いチームを相手に守り切るという難しいタスクを成し遂げた。価値ある勝ち点3」と評価したが、本音だったか。 この日の神戸はイニエスタもビジャもいない飛車角落ち。リージョ監督の突然の辞任など“お家騒動”にも揺れている。そんな相手に薄氷を踏む思いで勝った正直な胸の内は「(心身の)リカバリー(治療)が必要な人がいるとすれば、それは私」(オリベイラ監督)の方かもしれない。 「今は『優勝』というワードを出せない。内容より結果を積み上げていって(上位の)FC東京や広島に勝ち点で離されないようにしたい」。いつもは冗舌かつ威勢のいい槙野の慎重な物言いに、浦和の現状が透けて見えた。 (内田修一)
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