迫る“Xデー”
ポスト池田時代へ学会内部にひずみ

 創価学会を“最強教団”たらしめている最大の強みは、公称827万世帯という会員数だ。無論、この数字をうのみにはできず、日本の人口の2%程度という学術調査もあるが、仮に人口の2%の250万人程度だとしても他の新宗教教団を凌駕する。

 歴史を振り返れば、その会員数が急増したのは1960~70年代だ。公称会員数は60年に172万世帯、70年に755万世帯と爆発的に増加していった。

 その教勢拡大の最大の貢献者が、60年に第3代会長に就任した池田氏だ。東京都大田区ののり製造業を営む貧家の五男に生まれ、生活の困窮や病、戦火に苦しみながら戸田城聖第2代会長に師事し、信仰を深めたその半生に、多くの会員は「人間革命」を見いだした。

 組織の急成長を背景に、学会は61年に公明政治連盟(後の公明党)を発足させ、政界進出を果たす。一方、経済力においては「財務」と呼ばれる膨大な寄付金を会員から集め、バブル期には“兆円規模”にも達したとされる。無論、その収益は全て非課税だ。また東京・信濃町を中心に全国で学会施設が建設され、ゼネコンや関連企業が群がる構図は今も変わらない。

 だが、これら学会の強みは今、一気に弱みへと“逆転”しかねない事態に直面している。

 日本の人口が減少期に入り、高度経済成長期に入会した多くの会員も今は老齢。新規入会も進んでおらず、学会幹部も「若い人が昔ほどは入会しない。難しい時代であることは間違いない」と認める。そして今、学会が抱える最大の懸案が、迫る池田氏の“Xデー”だろう。