MPタイプ 自作動力

2012年7月 7日 (土)

本物 VS 偽物 (50cm短距離走)

こんばんは。

スペースの関係で短い実験線でできる比較試験をしていきます。1.5Vと3.0Vで50センチの距離を何秒で走るかを計測します。

写真の黄色いテープ間が50cmです。トレーラー車の連結はしないで動力車単行で行います。

Img_0503

なぜ 1.5V と 3.0V の電圧で測定する事になったかと言いますと…

1.5V 以下 だと電圧が低くて不安定な走行になるため
3.0V 以上 だと短い実験線では速すぎて、ストップウォッチ片手に電源操作もしなくてはいけないので、車止め突破の危険性が高く測定が困難なためです。

Img_0500

各電圧 5回 計測して、そのうち数値の近い3つの平均値を算出しました。

 【1.5V 試験結果】

        自作ギヤ … 平均 8.96 秒 / 50cm 
        MPギヤ   … 平均 8.83 秒 / 50cm

 【3.0V 試験結果】

        自作ギヤ … 平均 3.56 秒 / 50cm 
        MPギヤ   … 平均 3.19 秒 / 50cm

若干の差ですが、MPギヤの方が速度が高いという結果になりました。限られた短い距離での測定なので、この差がどうなのか分かりませんが見た感じの速度差は感じられませんでした。

この電圧(速度)になってくると、MPとニセモノで明らかに変わってくるものがあります。それは、走行音です!

MPギヤは誰もが認める走行性能と静寂性の高さで定評がありますのでコメントは割愛いたします。自作ニセMPは1.5V位まではそれほど感じませんが、3.0V近くにもなると「ギヤ音」が大きくなり「天然の吊り掛けサウンド」を奏でてくれます(笑)

MPは「精密金属ギヤに密閉型ギヤボックス」、自作品は「遊びの大きなプラギヤにオープンギヤボックス」 この差が大きいのでしょう。

音については言葉で表現するのは難しいので、近いうちに比較用の動画をアップしたいと思っています。

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2012年7月 6日 (金)

本物 VS 偽物 (1M3T 起動試験)

お待たせしました。実際に車両に組み込んでの比較実験です。

試験車両は「カツミ製 東武8000系」2002年製完成品です。モーターはエンドウEN-22を搭載しています。

Img_0506

左側が自作ギヤの「つや消し黒」バージョンです。塗装するだけで重量感が増します。

Img_0482

個体差による誤差を極力なくすため、同一動力車両を使用しギヤユニットのみ差し替えて測定しました。

Img_0478

臨時の仮設試験線を敷設しました。私の部屋は周回させるほどの広さがないので、有効長1500mmの直線が限界です。

Img_0487

動力車1両に付随車(トレーラー)3両の比率で、先頭を動力車として3両の付随車を牽引させる形で試験を行います。

Img_0475

まずは、エンドウさんのMPギヤ から。

Img_0481

Img_0488

パワーパックのツマミを少しずつ回していきます。モーターが「ブ~ン」という唸りをあげ、プルプル小刻みに振動を開始し、

約 0.55V

で連続した歩みとなりました。これも良く見ないと分からないほどの、大変ゆっくりとした速度です。

続いて、ニセモノ自作ギヤ です。

Img_0494
左側が無塗装、右側のはつや消し黒塗装しただけで中身は全く同じです。

Img_0495

パワーパックのツマミを少しずつ回していきます。MPギヤのときにあった「ブ~ン」という唸り音と小刻みな振動は少なめに感じます。

約 0.50V

で大変ゆっくりとした速度で起動となりました。

ブラス3両位の引き出しには全く問題が無いようです。また、超低速域では走行音の差も感じられませんでした。

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2012年7月 5日 (木)

本物 VS 偽物 (試験車両の準備編)

こんばんは。

車両に取り付けての比較実験に向け準備をしています。

まずは台車に組み込みます。

Img_0457
使用台車はストック品の「カツミ製FS-10(原型タイプ)」です。同社の東武7820系7890系用に製作された台車です。私は78系の主要機器に8000系の車体を組み合わせた更新車「5000系(非冷房時代)」製作用に購入しました。MPボルスターは旧国用のEセットです。

実車の5000系は非冷房・自動ブレーキで更新、わずか12両のみで打ち切られた異端車でした。後年になって5050・5070系と同じように冷改・HSCブレーキ化され、FS-10台車にもブレーキシリンダの取付、RCC軸受化等の大改造が施されています。
この改造タイプのFS-10もカツミさんより製品化されています。

Img_0459

Img_0460

無着色のままだと目立ちますが、つや消し黒に塗装すると意外と目立ちません。

Img_0461

試験車両は所有唯一のブラス完成品であります「カツミ製 東武8000系」を使用します。

ちなみに、このツートン塗装6両と現行塗装2両の計8両しかブラス完成品を持っていません。

Img_0462

8000系の履く FS-356 台車とはボルスターが異なるので分解し台車交換をします。

Img_0463
2002年製造。もう10年もブラス完成品を買っていない・・・(正確には買えない)

Img_0472 取付けました。床板とギヤボックスのクリアランスに問題は無いようです。

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2012年7月 4日 (水)

本物 VS 偽物 (無負荷 回転抵抗編)

比較実験のためにテスターを初めて購入してきました。

Img_0454
電気の知識があまりないので、簡単そうな物を選びました。測定方法に誤りがあるかもしれませんので参考程度にご覧下さい。

Img_0447 Img_0448
今回の比較実験に使う電源です。
逆転レバー2も折れてしまい痛々しいですが、我が家にマトモなパワーパックはこの「関水金属」しかありません。

Img_0455
テストで使うモーターはエンドウのEN‐22です。回転したのがひと目で分かるように片軸にテープを貼ってあります。

早速、比較実験の開始です。

パワーパックのつまみをゆっくり回していき、モーターが動き出す(連続して回転)する電圧を測定してみました。

Img_0451
まずはモーター単体です。

103.7mV

で回転しました。「比較の参考になるかも」と、ツマミに印のテープを貼っておきましたが…

Img_04501 
続いて偽物です。ご覧のとおり、印テープは全く意味がありませんでした。

149.9mV

で回転を初めました。

Img_0452
最後にエンドウさんのMPギヤです。

164.3mV

で回転開始しました。

よって、無負荷の状態では「ニセモノ」の方が起動時の回転抵抗が小さいのでは?と思われます。この実験方法で正しいのか分かりませんが…

今後は床板に取り付けて、色々な比較をしていく予定です。

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2012年7月 3日 (火)

本物 VS 偽物 (お値段編)

気になる、お値段の比較です。

1両分で算出してみました。

Img_0441

・ レインボープロダツク ウオームギヤセット189円
                            2セット使用 378円

・ タミヤ AO-7005 8Tピニオンセット白(10個)157円
                              4個使用 約63円

・ レインボープロダツク
      軸受け(ハトメ)M 2.5mm(約50個入) 189円 
                             16個使用 約61円

・ エンドウφ11.5 プレート車輪 片絶・プレーン・圧入
                                      4軸 840円

・ タミヤプラ板0.5mm厚 B4サイズ4枚入り 630円
           1枚で約16両分製作可能なので…
                              1両分 約10円

・ 真鍮線250mm×3本入 210円
                     47mm×2本切り出して約28円

                                  合計1,380円(税込)工賃別!?

Img_0446 

一方、本物のMPギヤシステムのお値段は・・・

車輪付きMPギヤ【電車用 B】31.0mmφ11.5 プレート車輪付き

                                   6,930円(税込)

差額は 5,550円 となります。

「精密金属部品」と「プラギヤとプラ板等」の価格差なので当然といえば当然ですが、5両分作れば「クラフトロボ」の購入費用が浮いた事になる!と考えると何か得した気分になります。

つぎは性能面などの比較をしたいと考えていますが、準備のため少々お時間がかかると思います。引き続きよろしくお願い致します。

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本物 VS 偽物 (寸法編)

続いて具体的な寸法の比較です。

※エンドウ「MPギヤ」の寸法図は公式のものではなく、実測による作図なのでご注意ください。Mp_02
レール方向の寸法には、さほど違いが見られません。
モーターへ継るシャフトの高さは図面上0.1mmの差で、ユニバーサルジョイントやシリコンチューブで吸収できる範囲に収まっています。

Mp_01

枕木方向からの図です。

やはりレール面からのクリアランスに大きな差が出ています。上の図は車輪径11.5mmで作図してありますので、標準車輪であるφ10.5mmで製作すると更に0.5mmマイナスになります。
ちなみにφ10.5mm車輪で製作した車両を某所のレイアウトで運転した事ありますが、接触する事なく走行できました。

Img_04321

クリアランスを見るためポイント上での撮影です。

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2012年7月 2日 (月)

本物 VS 偽物 (外見編)

完成しました「偽MPギヤ」(MPギヤと呼ぶのは失礼ですが…)と本物のエンドウさんの「MPギヤ」を、無謀にも色々な角度から比較していきたいと思います。

Img_0433
独身時代?に購入して寝かしてあるMPギヤを比較のため押入れから引っぱり出してきました。これはカツミの東武8000系キットから非冷房時代の5000系を製作するべく購入したものの、例に漏れず製作途中で放置されているものです。

Img_0442

軸の高さもほぼ同じに仕上がっていて真横からでは一見分かりません。

Img_0443

上から見るとプラギヤ丸見えで本物に完敗です。車体を載せれば見えなくはなりますが…

Img_0430

大きさの差がハッキリわかる正面からのショットです。

レール面からギヤケースまでのクリアランスに大きな違いが見られます。これは車軸に付いているピニオンギヤの大きさとケースの厚さに起因するものです。

つぎはクリアランスを含めた具体的な寸法を比較していきます。

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[MPギヤ]タイプ動力を作る - 5(仕上げ)

最終的な仕上げの作業をします。

Img_0420

簡易的にモーターをつないで回転試験を行います。

ここでモーターが停止するような引っ掛かりがあったら使い物にはなりませんので、つぎの点などをチェックして修正するか最悪組み直すしかありません。

・ プラギヤにバリや傷、潰れがある
・ ギヤの噛み合わせ(隙間)が適切でない
・ プラケースの接着面の直角(平行)が出ていない
・ 軸受など回転部に接着剤が廻っている
・ ピニオンギヤ脇のワッシャーを入れ忘れている
・ 軸受ハトメがきちんと入っていない
・ ハトメに潰れや変形がある
・ 車軸に曲がりや軸受部分に傷による出っ張りがある
・ ウォーム軸に曲がりや軸受部分に傷による出っ張りがある
・ ウォーム軸の切断面が滑らかになっていない

Img_0424 Img_0425

ギヤにはプラを侵さないグリスを、軸受(ハトメ)には軸受用メタルオイルをそれぞれ注油します。グリスアップするだけで、滑らかになり騒音もかなり軽減します。

Img_0426

底板を接着します。

最後に瞬間接着剤を回転部分に付着しないよう注意しながら、プラケースの接合部分に塗り込み補強し、つや消しブラック等で塗装して完成となります。

Img_0440

つぎは番外編として本物の[MPギヤ]との寸法やお値段の比較をしてみます。

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[MPギヤ]タイプ動力を作る - 4(ウォーム軸)

完成まであと一息となりました。モーターからの回転を受けるウォーム軸の製作です。

Img_0410
ウォーム軸はφ2.0真鍮線で、

[ウォーム軸受け外板(枕木方向)]→[ハトメ]→[ウォームギヤ]→[ハトメ]→[ウォーム軸受け外板×2]→[ハトメ]→[ウォームギヤ]→[ハトメ]→[ウォーム軸受け外板]

のように通して行きます。なお、ウォームギヤは圧入となります。

Img_0411

ウォームギアの位置ですが車端部側は3.0mm、ユニバーサルジョイント側は7.0~8.0mmが丁度良いと思いますので、

ウォーム軸の長さは  「軸距」+「16~17mm」 となります。

今回製作しているギヤは軸距31.0mm用なので、真鍮線を47mmの長さで切断して使っています。切断部はヤスリで滑らかに整えておかないと、ブレ、振動、引っ掛かりの原因になりますので注意が必要です。

ウォームギヤ間距離で「軸距」が決まります。下記の図を参考に調整してみて下さい。

Photo Img_0414

ギヤを架装する予定の台車枠を裏返しにしてケースごと車輪を組みます。

ウォーム軸を車輪ケースに仮組みします。このときウォーム側のハトメをケース溝に落とし込むようにします。

ここで軸距が合わなければ現物合わせで再調整します。接着後の調整は不可能に近いので、面倒ですがやっておいた方が良いです。

Img_0416
軸距に問題がなければ「ウォーム軸受け外板」を接着します。このときウォーム軸とハトメが内板の溝にしっかり落とし込まれていることを確認します。

Img_0417
同じように他の3ヶ所も接着します。

Img_0418
カタチになりました。ウォーム軸を回して車輪にきちんと伝達しているか?引っ掛かりなく滑らかに回転するか?十分に確認します。

次は仕上げ作業をします。

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2012年7月 1日 (日)

[MPギヤ]タイプ動力を作る - 3(車輪加工)

続いて車輪側の加工です。 車輪と車軸を分解しピニオンギヤを車軸に圧入します。

軸受とギヤは「レインボープロダクツ」さんのパーツを中心に使います。
ピニオンギヤは「タミヤ」さんのミニ四駆用の8歯を使用しました。

Img_03561

なお、ピニオンギヤの軸穴がφ2.0用なので、「日光モデル」さんのようなナット締め車輪や「だるま屋」さんのようなネジ切り車軸は軸径が太く使用できないので注意が必要です。

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車軸が曲がらないように注意しながら、絶縁側の車輪を抜き取ります。何ともいい加減な作業ですいません。

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車軸に[外ケース]→[ハトメ]→[ワッシャー]→[ピニオンギヤ(圧入)]→[ワッシャー]→[ハトメ]→ [外ケース]の順番で入れていきます。

※ピニオンギヤはセンターになるように注意して圧入して下さい。

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流し込みタイプのセメントで外ケースを接着します。

Img_0384

Img_0385
車輪を所定の位置に圧入し、手で空回しして引っかかりがなければ、車輪側の主な組立は終わりです。

次はウォーム軸の製作です。

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