ネットの中では朝鮮通信使が鶏泥棒とされてしまっていることは以前に記事にしました。京都大学が持っている淀で鶏が逃げ出したときの騒ぎを描いた絵を、ネトウヨは朝鮮通信使が鶏泥棒だった動かぬ証拠であるとしています。

 

 『日本人なら知っておきたい「朝鮮通信使」の嘘と真実』と題して書いているまとめサイトから一部引用します。

 
 江戸への旅で、過剰な接待を受け続けた朝鮮通信使の一行は、甘やかされた子供のように、しつけをしていない犬のように、どんどん傲慢になり、有頂天になって傍若無人な態度をとるようになっていきました。それは、もはや不良中学生の修学旅行の一行でした

出典 歴史投稿朝鮮通信使

 

 

 船着場から上陸して町の中をうろついていた朝鮮通信使一行が、町人が飼っている鶏を盗んで逃げようとし、日本人とけんかになっている。

欲しいと思った物は、力ずくだろうとなんだろうと、何がなんでも手に入れようとする執念を持っていた

出典 朝鮮通信使の真実

 

宿泊施設の旅館では、部屋にある布団から、花瓶や、食器、掛け軸まで盗まれた。朝鮮通信使が去った後の部屋は、まさに「引っ越した後の空き家」状態になったといいます

出典 ねずさんの ひとりごと 

 

朝鮮通信使を日本側から考えたら、絶対に友好には結びつきません。朝鮮通信使は、単なる朝貢団で平和の使節などではありません

出典 ほぼお江戸発 高橋とみよ です!(仮)

 

 でたらめな内容であり、出典は書いてはあるもののいずれもネトウヨのサイトがら転用です。いつの間にか、ネットの中では歴史を論じる際には、資料を提示しなくても、ネトウヨのサイトを出典として書けば、それで考証が完了していると見做されるようになってしまいました。
 
 出典が怪しいのが気になるのか、こんな言訳を書いています。
 
 図書館で「朝鮮通信使」関係の図書を検索すると、大半が在日の朝鮮韓国人の著作です。1970年代から、在日の朝鮮韓国人の間で朝鮮通信使の研究が始まり、1990年前後に朝鮮通信使ブームが起きました。当時、研究において先行していた在日の朝鮮、韓国人たちが必死になって、朝鮮通信使の本を出しまくっていました。
 
 日本人のまともな研究者も朝鮮通信使に関する著作を出していますが、自分たちの偏見と会わない内容のものは、在日韓国朝鮮人の著作と決めつけています。自分たちにとって都合の悪い内容だから書いたのは在日だ、在日が書いたものだから嘘ばかりであるとする、ネトウヨお得意の、内容から国籍を認定して、認定した国籍を根拠に内容を否定するやり口です。この循環論法を使えば具体的な証明をすることなく相手の議論を否定できます。
 
 韓国人や在日韓国人が朝鮮通信使を再現するパレードを日本各地で主催する行為には、「歴史的な文化先進国の朝鮮と文化劣等国の日本」という歴史認識を日本に広める意図が込められていると指摘する識者もいる。
出典 Wikipedia
 
 朝鮮通信使の実態をきちんと学べば、お祭り騒ぎにして持ち上げることがいかに日本を傷つけ貶めることになるか、解ります。

出典 BBの覚醒記録

 
 識者というのもネットのなかであれこれ書いている人間なのでしょうが、でたらめを並べた末にこの結論が用意されています。
 
 朝鮮侵略の後始末として始まって、鎖国の中でも外交関係のある国として友好を繋いできた記憶として取り上げているのが、日本を傷つけ貶めるのが在日韓国朝鮮人の意図であるとされてしまうのです。
 
 ネットのなかで朝鮮通信使として調べると、こんな記事ばかりが出て来るのが今の日本の現実です。

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