この説を唱えているネトウヨの典型的な記事を紹介します。



 半島も、かつては日本や中国と同じ漢字文化圏に属し同じ古典を共有していたが、人種が入れ替わったため伝わらなかった。


朝鮮半島の大雑把な歴史は、
7世紀ころ百済・新羅・高句麗の三国時代は終焉
7世紀:唐の隷属国
13世紀:モンゴルの属国
13世紀:エベンキ族の侵入により旧朝鮮民族消滅
1392年:李氏朝鮮時代が始まる
14世紀:明の隷属国
17世紀:清の隷属国
20世紀:日本が莫大な資本と人材の投与で近代化を進める。


 つまり13世紀ころ、エベンキ族が「背乗り」したところでしたところで、エベンキ族が多くの朝鮮人を追放したか、混血した地域とされ、顔立ちなどの容姿、言語、トーテムポールなどの風習等々が酷似していると研究者が発表したもの



 あり得るはずのない珍説です。研究者というだけでどこの大学の誰とは言わない、ネトウヨの珍説のやり口がここでも踏襲されています。こういうときに研究者の具体的な名や所属が出てきた試しがりません。


 民族が消滅するような事態が起きていれば、中国や日本に記録が残らないはずがなく、(背乗り)などという手法が13世紀に存在するはずがなく、エベンキ国と名乗ることになんの不都合もないはずであり、追放された朝鮮人がどうして日本に来なかったのかを説明することができず、出鱈目の説であることは簡単に分かりますが、今でもネトウヨは、議論を相手を在日韓国人と勝手に認定すると、必ずといって良いほどに「このエベンキ野郎」と付けてきます。こんな話を信じているのです。


 ネトウヨが韓国人を蔑むと、古代には多数の人々が渡来人として朝鮮半島から日本にやってきている、天皇も我が家には朝鮮の血が入っていると言っている、血脈で、日本人のみを尊しとして、韓国人を卑しいとする合理的な理由は存在しない、といった指摘がなされます。不当な民族差別に対する当然の指摘なのですが、これに対抗するためにネトウヨは韓国人はエベンキ人だと言い出しました。


 古代に日本にやってきた渡来人の子孫は13世紀に消滅していて、その後の朝鮮半島の住人は野蛮なエベンキ族の子孫であるから、日本人と現代の韓国人との血縁関係は一切なく、遺伝子的にも全く無関係な民族なのである、これがネトウヨの言い分です。


 豊臣秀吉の朝鮮侵略は正しかったという嘘を正当化するために、元寇は高麗の依頼によって起こされたという嘘の歴史を作る、日本人と現代の韓国人は血縁関係にないという嘘を正当化するために、エベンキ族と入れ替わったという嘘を作る。


 嘘で嘘を説明する手法ですが、史実かどうかを追求されれば、韓国人はエベンキ族説が間違いというのであれば、韓国人にエベンキ族の血が一滴も入っていないことを証明せよ、お前にその証明ができない限り韓国人エベンキ族説は否定できないから、この説は正しいのだと、得意技の証明責任を相手に押し付ける論法を使えば、ネット内の議論に負けることはなく、信じている人たちは、議論に勝ったのだからこの説はやはり正しかったのだという確信を深めることになます。


 ネトウヨ発の偽史は、もはや手の付けられない状態に立ち至っているといえます。


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