@chablis777  
シャブリ

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(なつ)母さん。(富士子)ん?
変なこと聞いてもいいかい?変なこと?
母さんは どうして 父さんと結婚したの?
あら!なつには 父さんの魅力が分かんない?
そうじゃないよ!うん 父さんは すてきな人だよ。
ハッ… 無理しなくていいのよ。
あまり してないよ。
ただ… じいちゃんに反対されんかったのかなって思って。
ああ~ そういうことかい。
母さんと父さんは 恋愛結婚だったの?
何人かいるうちの一人だったのよ。
(剛男)えっ?えっ?
♪~
♪「重い扉を押し開けたら暗い道が続いてて」
♪「めげずに歩いたその先に知らなかった世界」
♪「氷を散らす風すら味方にもできるんだなあ」
♪「切り取られることのない丸い大空の色を」
♪「優しいあの子にも教えたい」
♪「ルルル…」
母さんと父さんは 恋愛結婚だったの?
何人かいるうちの一人だったのよ。えっ?
私が 19になった時にねじいちゃんが 私を連れて農家を 一軒一軒 回って一人一人 私に候補者を見せて歩いたのよ。
へえ~ 斬新。
そのうちの一人が 父さんだったわけさ。
そんで 母さんは 父さんを選んだのね。そう。
そしたらね じいちゃん「あれは お前 ほかのやつを引き立てるために入れたやつだぞ」って。
ひどい!ひどいでしょ。
まあ 確かに 働く男としては一番さえない人だったかもしれないけど母さんは この人しかいないって思った。
一人だけ 休憩時間に 本読んでたから。
父さん 勉強してたんだ。
父さんは 家の事情で高等小学校 途中でやめてね家族で 北海道に渡ってきた人なのよ。
じいちゃんと同じ北陸から。本当は もっと勉強したかったんだって。じいちゃんからしたら 同郷のよしみで候補者に入れたってだけなんだけどね。それに 青年団の集まりなんかでも父さんのことは よく見かけてたのよ。
そん時も いっつも 本読んでた。
本読みながら 誰よりも母さんのこと見てるのも知ってた。
それじゃあ 前から 父さんは母さんのこと好きだったんだ。
う~ん まあ それは父さんに限らないけどね。
ああ~。ハハハ…。
じいちゃんはね 組合のことに理解がないわけじゃないのよ。
父さんが 農協で働く時だって「あいつにはそっちの方が向いてるだろう」って喜んでるみたいだったし。
それに…亡くなった母さんのこともあるしね。
母さんのお母さん?そう。
突然 病気で倒れて…私が 9つの時だった。
そのころ うちは 冷害にたたられてお金がなくてね。
じいちゃんが 帯広まで医者を呼びに行ったんだけど来てもらえなかったのよ。えっ?
お金がないと来てくれもしなかったんだわ。
その時 じいちゃん 葬式で誰かに「組合があればな」って言ってた。
組合?うん。はっきり そう言ってたの覚えてる。「組合がなきゃダメだな」って。
(泰樹)お茶が欲しい…。
じいちゃんはね 一人で 北海道に渡って一人で 荒れ地を耕して苦労して苦労して 10年も一人でいてそんでもって 農家の一人の娘にほれてその家に通い詰めては 畑を手伝ってやっと 結婚の許しをもらえて…。
その人を お金がなくて亡くした時には本当に悔しかったと思う。
さてと。 じいちゃんにお茶でも持ってってあげようかな。
♪~
先生。先生は どんな演劇を作りたいんですか?
(倉田)う~ん…。
それは これからアイデアを絞りださなくちゃなんない。
じいちゃんを励ませられるような演劇ですか?
えっ?じいちゃんが見て面白いと思えるような感動できるような…絶対に 傷つけないような演劇ですか?
そりゃ 当たり前だ。
そういう芝居を作らなくちゃ意味がないんだ。
私は じいちゃんに間違ってるとは言えません。
言いたくありません。
だから じいちゃんの気持ちに少しでも寄り添えるようなことをしたいんです。
見つけたいんです。
♪~
演劇とは 生活者が 楽しみながら自分の生活を見つめ直す機会を得られるものであると 私は考えている。
地べたと格闘しそのことだけに苦しみがちな農民にこそ演劇は必要なんだ。
まあ そう思って私は 演劇部の顧問になった。
こんな私にも 何かお手伝いできることはあるんでしょうか?
ある。
お前にしかできないことが ある。それは 何ですか?
女優になれ。
え… えっ?女優として 舞台に立て。
それが 一番おじいさんのためになることだ。
どうしてですか?だって お前が出ていなくてどうやって おじいさんは芝居を楽しめるんだ? え?
お前が出ていなくても おじいさんは芝居を 見に来てくれるのか?
それは…。ほら やっぱり。
出るしかないだろ。え~…。
(雪次郎)はあ はあ…。
あっ 何だ なっちゃん 来てたのかい。
おい みんな 聞いてくれ。
奥原が 今日から 演劇部に入部した。
(一同)ええっ?勝農演劇部 女優 第1号だ!
(一同)おお~!
いや… ちょっと待って下さい!そんなの無理です!
大丈夫だ なっちゃん。
みんな下手だから ハハハ…。そうじゃなくて!
心配するな。 高校演劇はあんまりうまいと お客が冷める。
もう そうじゃないんです!ん?
時間がないんです。時間?
家の仕事をしなくてはならないしそんな時間は作れません。
放課後の1時間だけでもいい。
日曜日だけだっていい。
働きながらやるのが 俺たちの演劇だ。
お前の思い じいちゃんに響かせろ。
じいちゃんに?うん。
あ~ じいちゃん。
ほら この子 よく飲むようなったわ。
もう元気になった。そうか。
じいちゃん…。
いろいろと ごめんなさい。
何 謝る?
いや… わしこそ悪かった。
えっ?
天陽と会うなと言ったわけじゃないんだ。
うん 分かってるよ。
天陽の牛にも 罪はない。
干し草も 持ってってやれ。
ありがとう。
ねえ じいちゃん…。
やっぱり じいちゃん大好き。
おいおいおい… バカ。
いちいち家族に んなこと言うな。
ハハ…。
♪~
ねえ じいちゃん。ん?
私 演劇やってもいい?
ん? 演劇?うん。
一回だけ…。 夏にあの 地区予選の大会があるんだけどその一回だけ 手伝ってもいい?
やりたいのか?う~ん…。
ちょこっとだけ やってみたいかな。
何かを表現するのって 面白そうだし。
それなら お前の好きにしていい。
それでね じいちゃんにもその演劇 見に来てほしいんだわ。
えっ… 何で?
何でって…。
じいちゃんにも楽しんでもらえるようなそういうの作りたいって倉田先生が言ってた。
だから 私も それを手伝いたいと思った。
ああ…お前が出るなら 見に行ってやる。
えっ?
するからには 頑張れ。
1番になれ。
じ… じいちゃん?
お前が出るなら 楽しみだ。
いや… いや あのね出たら毎日 早く帰ってこられないんだよ?
構わん。 出ろ。えっ いや…。
いいから 出ろ!
出ます。
♪~
こうして なつは 演劇に出ることから逃れられなくなったのです。
ああ なつよ夕日に向かって 来週に続けよ。


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