第8話 クリスタル買い取りしてもらった
「こちらにどうぞ」
ギルド職員の女性に言われて、買い取りのお部屋に入る。
「うっ」
なんか、変な匂いがいろいろと混ざっていて。
アジアの国の魚とか売っている市場みたい。
行ったことないけど。
「あ、匂い、気になります?」
「あー、大丈夫です」
「魔物素材も買い取りしているから、どうしても匂いがこもってしまって」
「そうですよね」
ほとんど匂いかない日本から来るとこの国は匂いが強いとこ多いなぁ。
まぁ、こっちの方が自然な気がするけどね。
「それでは、買い取り品をお願いします」
「はい」
一度、クリスタルを全部出す。
「えっ、どこから・・・・あ、マジックバックですね」
「あ、そうです」
マジックバックというのか。
でも、本当はバックじゃないんだけど。
「これで全部なんですが、このうちから自分で使う分を分けますね」
「あ、全部、売るんじゃないんですね」
色付きはちょっとレアだから、多めに取り分けて。
あと、大きいクリスタルをいくつか取って。
あとは、適当にクリスタルをある程度取って。
取り分けをしていると、ギルドの女性の表情がくるくる変わっておもしろい。
紫のを動かすと、なんかがっかりしている。
少し、戻すとにこにこに。
彼女の顔を見ながら調整して、大きな山と小さな山に分かれた。
小さな山の方をバックにしまう。
「これだけお願いします」
重さにすると30キロぐらいある。
クリスタルとかは、魔法を使う時の触媒にしたり、魔法道具に使ったり、錬金の素材になったり。
いろいろと使い道があるらしい。
「それでは計算しますね」
まずは色で分けて。
大きさでも分ける。
重さを計って、羊皮紙に数字を書き込んでいる。
最後に計算して、数字を書いている。
「できました。金貨20枚と銀貨3枚です。どうでしょうか」
「はい?どうって?」
「あ、金貨20枚と銀貨3枚で買い取り希望なのですが、買い取りしますか?」
「あ、はい。お願いします」
笑顔になって、お金を受け取りに別の部屋に彼女だけ行った。
「ずいぶんといいお金になるな」
金貨の価値がよくわからないけど、そこそこ価値があると思う。
江戸時代の小判が6万円くらいだと何かで読んだ気がする。
「はい。金貨20枚と銀貨3枚です」
「ちなみになんですが。金貨1枚で宿屋に何泊くらいできますか?」
「えっ、宿屋ですか?宿屋によって値段違いますが、冒険者の泊まるようなとこなら1か月は泊まれます」
あ、思ったより価値があるみたい。
もちろん、贅沢なところに泊まったら、もっとするかもだけどね。
「ありがとうございました。これはチップです」
銀貨を1枚残して金貨20枚と銀貨2枚を受け取る。
「ありがとうございます」
この世界はチップ文化があると聞いている。
ギルドで必要なのかは分からないけど。
これからも買い取りはしてもらうだろうから印象よくしたいしね。
さて、お金も手に入ったし。
ちょっと街を探検してみようかな。