防衛大臣記者会見
- 日時
- 平成30年10月12日(11:17~11:37)
- 場所
- 防衛省記者会見室
- 備考
- 岩屋防衛大臣閣議後
1 発表事項
なし。
2 質疑応答
Q:大臣は本日、玉城デニー沖縄県知事と面会される予定ですけれども、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する構えですけれども、どのようなお話をされるお考えでしょうか。また、法的措置を取る時期や内容についても改めて御確認したいのですけれども。
A:今回、玉城知事が12時55分にお越しになります。就任の御挨拶ということでございまして、関係省庁を回られていると承知しています。私も知らない仲ではありませんし、お目にかかって就任のお祝いを申し上げた上で、しっかりと話を伺いたいと思っております。今お尋ねの今後のことについてですけれども、以前からも申し上げておりますように、事業者であります沖縄防衛局において処分理由を慎重に精査しているところでございまして、私どもとしてはその上で、必要な法的措置をとらせていただきたいと考えておりますが、現段階では予断を持っていつ頃になるかということについては、発言は控えさせていただきたいと思います。
Q:昨日になりますけれども、アメリカエネルギー省の国家安全保障局の報告書で、アメリカが昨年12月に、核爆発を伴わない未臨界実験を行っていたという報告がありました。北朝鮮に、アメリカ、国際社会が非核化を迫る中で、アメリカがこうした核実験を行ったことで、非核化のプロセスに影響を与えるのではないかと指摘もありますけれども、その点についてどのようにお考えでしょうか。
A:その報告書は本年の3月に発表した報告書で、未臨界実験を昨年の12月13日に米国がネバダ州の施設において実施をしたと承知をしております。核の脅威に関しては、長期的な課題であります「核兵器のない世界」の実現に向けて、わが国も努力をしていかなければいけないわけですけれども、現在の厳しいわが国をめぐる安全保障環境に鑑みれば、核抑止力も必要だと、米国の拡大抑止というのも必要だと考えているところでございます。そういう意味でいうと、私どものみならず、地域の平和と安全に重要な役割を果たしている米国の拡大抑止というものと、北朝鮮の核・ミサイル問題は必ずしも同列に論じられるようなものではないのかなと思っているところです。
Q:米軍のF-35についてですけれども、サウスカロライナ州に墜落した事故を受けて、点検のため一時運用停止すると米側が発表されましたが、在日米軍機も同様の扱いになると思うのですけれども、航空自衛隊三沢基地に配備されているF-35の扱いについて、今後の対応について教えてください。
A:米国国防省は、先月28日に米国で墜落したF-35B戦闘機の事故原因の調査を踏まえて、エンジンの燃料配管の点検のため、F-35戦闘機の運用を一時的に取りやめる旨発表したと承知をしています。お尋ねの航空自衛隊のF-35A戦闘機については、米国の調査において指摘された燃料配管は使用されておらず、飛行の安全性への影響はないことを確認しております。防衛省としては、引き続き、機体の整備等を着実に実施いたしまして、航空機の安全な飛行に努めてまいりたいと思います。
Q:三沢基地のF-35Aの追加配備の計画に関しては、特に今回の事案は影響を与えないということでよろしいでしょうか。
A:そうですね。わが方のF-35Aには、問題があったとされる燃料配管は使われていないということでございますので、今後の配備予定については、影響がないというふうに考えております。
Q:在日米海兵隊のグアム移転について伺います。普天間飛行場の辺野古移設とグアム移転の関係について、菅長官が先日の会見で、結果的にリンクしているとの認識を示されました。2012年の日米合意では、グアム移転は辺野古の進展から切り離して実施するとしていますが、大臣の御認識をお願いします。
A:御指摘の官房長官の御発言については、官房長官御自身が会見の場で発言されておられるとおりだと思います。御承知のように、民主党政権下でこの問題がかなりダッチロールしたという経過を踏まえて、官房長官は発言されたということだと思います。私どもとしては、在沖米海兵隊のグアム移転をはじめとする、海外移転を今後ともしっかり進めてまいりたいと考えております。
Q:辺野古の進展とグアム移転はリンクしないということでしょうか。
A:リンクという言葉を使うのが適切かどうかということがあるのですが、それを前提としたものではないということだと思います。移転は移転でしっかりと進めていくということです。付け加えて言えば、海兵隊のグアム移転については、平成24年4月の「2+2」共同発表において、嘉手納以南の土地の返還とともに、普天間飛行場代替施設に関する進展から切り離すことを日米両政府で決定しており、この方針に変更はないということでございます。
Q:日本が参加を見送った韓国での国際観艦式ですけれども、軍艦旗を掲げたまま参加した国もあったようなのですが、防衛省として把握されていることと、この度の防衛省の対応について、改めて考えをお聞かせください。
A:御指摘の報道については承知をしておりますが、他国軍の運用について私どもがコメントするのは適切ではないと思っております。結果として、参加できなかったことは非常に残念ですけれども、一方、同時に開催されているシンポジウムには、本日、海幕長も参加をして、日韓の防衛交流をしっかり進めさせていただいておりますので、今後とも、わが方としては、未来志向で韓国との関係の進展に努めてまいりたいと思っています。
Q:同じ観艦式の一連の行事の中で、韓国軍の駆逐艦に昔の水軍の旗を掲げ、その駆逐艦で大統領が演説をしたと言う一場面があったようですが、そのことについてはどのように思われますか。国旗以外の旗を韓国軍の駆逐艦が掲げていたということについてなのですが。
A:なかなかお答えし難いのですけれども、いずれにしても、日韓は未来志向で関係を進展していこうというふうに考えておりますし、特に北朝鮮をはじめとする朝鮮半島情勢の今後を考えると、日韓、日米韓の連携というのは非常に重要でございますので、今回のことは非常に残念でございましたが、それを乗り越えて更に韓国との防衛交流・安全保障交流を進めてまいりたいと思っています。
Q:旗を掲げたこと自体は、未来志向に反して遺憾であるとお考えですか。
A:コメントは控えたいと思います。
Q:先ほどの辺野古とグアム移転の話ですが、先ほどの大臣のお話を聞いていると、辺野古移設の進展云々に関わらず、海兵隊のグアム移転は進んでいるというお考えであるということでよろしいでしょうか。
A:そうですね。ただ、本当は両方が同時進行で進むというような計画であったわけですけれど、民主党政権下で非常に移設問題がダッチロールしたということもあって、そっちがなかなか進んでいないという経緯等も含めて、官房長官が発言されたということなのですが、政府の考え方、我々の考え方としては、先ほど申し上げた24年4月の「2+2」共同発表の考え方に変わりありません。
Q:そうすると、官房長官は結果としてリンクしていると言っているものの、大臣がおっしゃったのは、切り離されていると御説明をされていらっしゃるのですが、少なくとも言葉だけを見ると、結局リンクしているのか、していないのかどういうような認識かよくわからないのですが、そこはどうお考えでしょうか。
A:テレビでの官房長官の御発言も、その後された御発言も、直接、私は聞いているわけではございませんので、正確にはお答えしにくいのですが、官房長官はその経過を説明されたということだと思いますので、政府の方針が先ほど申し上げたところから変わっているということではないというふうに思います。
Q:陸上自衛隊が種子島の民間地域で行っている日米合同軍事訓練についてお伺いします。作戦名が「ブルー・クロマイト」とあります。クロマイト作戦とは、朝鮮戦争当時の米海兵隊の仁川上陸作戦の作戦名であり、この作戦では日本人が第二次大戦時の老朽艦を使って、海兵隊員の79パーセントを運びました。なぜ、年度当初の計画にはなかった訓練が突然決まったのでしょうか。米軍が第二次朝鮮戦争の準備をしており、そこに自衛隊を巻き込むための訓練でしょうか。
A:種子島の空港を使っての訓練は、着上陸訓練だというふうに聞いておりますが、そのような意図があってのことではないと思います。着上陸訓練というのは自衛隊もやっておりますし、日米でもやっておりますし、一連の様々なタイプの訓練の一環ということだと思います。何か特別な意図を持っての訓練ということではないと思います。
Q:昨日、宜野湾の松川市長が官房長官と面会しまして、普天間飛行場所属のヘリで相次いだトラブル等を挙げまして、再発防止といった危険除去について、改めて申入れをしましたが、防衛省として普天間に所属する米軍機の整備状況を把握するために自衛官を派遣して、米軍が拒否したという経緯もありましたが、その後、派遣についてはどのような状況なのでしょうか。
A:できるだけ早く調整をさせたいと思います。引き続き、米側と調整中でして、調整の中身については相手国との関係もありまして、お答えは差し控えたいと思いますが、調整が整い次第お知らせいたします。
Q:前小野寺防衛大臣も発表されて、予算委員会でも自衛官を派遣するとおっしゃって、それからもう8ヶ月も経っているわけですが、日程の調整がつかなかったということで、一旦取りやめになったと思うのですが、日程の調整だけで8ヶ月経つというのは常識的になかなか考えにくいと思うのですが、どういう理由で延期になっているのか、沖縄県民も知りたがっていると思いますし、説明する必要があるのではないかと思いますが、その点についてどのようにお考えでしょうか。
A:調整の細かい中身については、差し控えたいと思いますが、今日も急ぐようにと私の方から指示をさせていただきました。できるだけ早く調整を整えてお知らせをしたいと思います。
Q:韓国の関係ですけれども、結局、旗を掲げた他国があったりとか、自国も国旗でないものを掲げたりということがあって終わったわけですけれども、今回、日本が自衛艦派遣を取りやめたということですけれども、今後の寄港であるとか、戦略的な自衛艦と韓国と共同で何かをするというもの対して、引き続き、影響を及ぼすものなのか、それとも、今回の観艦式に限った対応なのか、そこはどのようにお考えでしょうか。
A:影響がないようにしていかなければいけないと思うのですが、自らの軍艦旗を掲げて参加した国もあったと聞いておりますし、結果として韓国の統一事項は必ずしも守られていなかったということだろうと思いますが、我々は過去2回、韓国主催の観艦式に自衛艦旗を掲揚して参加をしているという経緯がありますので、韓国側とこれからもしっかり話し合って、今後のことに影響がないようにしていかなければいけないと思っております。
Q:影響がないようにということですけれども、今後は今回のような対応をとらずに、国内法と国際法に従って掲揚するという理解でよろしいのでしょうか。
A:韓国主催の観艦式に参加しなかったことが、今後の自衛隊の活動とか日韓関係に影響があるのかという問だったと思うので、そういう影響がないように最大限の努力をしていきたいと思っています。
Q:同じような要請を韓国から、今後受けた時の対応というのはどうされるのでしょうか。各国、結果として統一事項は聞き入れた国はなかったわけですけれども、同じような要請があった場合の自衛隊の対応はどうするのでしょうか。
A:韓国も今回の参加各国の対応などを見た上で、いろいろお考えになるところもおありなのではないかと思いますし、わが方はわが方でこれまでのパイプを使って、今後のその種の事業の在り方について、よく話し合っていきたいと思っています。
Q:話し合う対象というのは、誰と誰になるのでしょうか。要するに防衛省のカウンターパートは韓国の国防省であり、韓国海軍だと思うのですが、そのレベルで決めたことではなく、政府レベルだと思うのですが、外交ルート、あるいは政府レベルで抗議なり話し合っていくのでしょうか。
A:様々なレベルを通じてということになると思います。
Q:新型の早期警戒機E-2Dの取得について伺います。今朝、報道で追加で9機3000億円超の取得の方針であるという報道がありましたけれども、現在の検討状況を教えてください。
A:E-2Dの調達に関しては、現行のE-2Cが今後10年程度の間に退役・減勢していくことが予想されておりまして、厳しい安全保障環境を踏まえますと、これを能力の高いE-2Dに切り替えていくということが不可欠だと思っております。平成27年度以降、今年度までにE-2D4機を取得するための経費を計上してきたことから、防衛省としては、残る9機を整備したいと現時点で考えておりまして、御承知のとおり平成31年度概算要求において、防衛省として2機の取得経費と7機の部品取得のための経費の計上をしております。いずれにしても、今後の警戒監視体制の在り方につきましては、現有のE-2Cの取扱いや今後のE-2Dの取得数も含めて、年末に予定される防衛大綱、あるいは次期中期防の策定において検討することとしておりまして、現時点でE-2Dの9機の調達を政府として決定する段階にはまだありません。
以上