ナイアシンでコレステロール低下、何と260倍量 | 医師水野のアメブロ

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テーマ:

ナイアシン(ビタミンB3)

LDLコレステロールががり、

HDLコレステロールはがる。

 

※2017年1月2日に「肝障害」、「使用したナイアシン」、「ナイアシンフラッシュ」、「癌とビタミン・ケトン療法」について文末に付記。

 

※2018年7月10日に、内服していた徐放性ナイアシンを記載。

 

 

 

初めてこの事を目にした時に

「ビタミンごときで、

コレステロール値が良くなる訳がない」

そう思った。

 

 

今や懐かしい限りである。

 

 

私の場合の

ナイアシンの

「推奨量」は

15mg程度。

 

 

詳しくは

「日本人の食事摂取基準 2015年版」

を見ると載っている。

 

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

 

その「推奨量」の決定の仕方も

公開されている。

 

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000067134.pdf

 

 

まず、500mg〜1000mgを

飲んでみた。

 

データは全く変わらなかった。

 

私は両親の家系のどちらも脂質異常症がある

脂質異常症のサラブレッド的な血統。

 

そして、

中性脂肪は高く、

LDLも高く、

HDLは低い、

という最も「良くない」とされるパターン。

 

といっても、

中性脂肪は食べなければ下がるので

採血前の絶食期間を長めにすれば

数値は低くできる。

(中性脂肪 80程度)

 

 

LDLとHDLはそのような小細工は効かないので

数値の調整はできない。

 

そして、

LDLは概ね 220程度。(基準値は139以内。大幅にアウト。)

HDLは概ね 40程度。(基準値は40以上。ライン上ギリギリのセーフかアウト。)

 

 

一般企業なら普通に

「要治療」

とされ、

医療機関での内服加療を産業医から

強くお勧めされるレベル。

 

 

そして、昔は私も

LDL 220はとんでもなくアウト

だと思い

コレステロールを下げる薬剤を飲んでいた。

 

 

 

その頃の話は

神戸講演会、コレステロール

http://www.mizuno.tokyo/2016/06/blog-post_44.html

の所で話している。

 

コレステロールを下げる薬は、

スタチン系の薬剤を飲んでいたが

その間、ずっと

かなりの「不眠症」

であった。

 

マイスリー 10mg、

デパス 0.5~1.0mg、

ベルソムラ 20mg

の3種類を飲んでもなお眠れない、

そんな状態であった。

 

 

そして

飲む前も、不眠はなかったし、

スタチン内服をやめてからも

現在に至るまで、不眠はない。

 

 

そんな筋金入りの

脂質異常症

のある私が

「ナイアシンでLDLコレステロールが下がる」

というのを見て、自分でも飲んでみた。

 

先程書いたように

ナイアシンの推奨量は

私の場合、15mg程度。

 

そこで、

ナイアシン

500〜1000mg

を1日に飲んでみた。

 

 

LDLコレステロール値および

HDLコレステロール値は

全く変わりなかった。

 

 

やはり。

ナイアシンでコレステロールは変わらない。

そう思った。

 

 

しかし、

2000mg以上で

コレステロール値が変わる、

というのも目にしていた。

 

 

これには問題があった。

1000mgの「徐放性のナイアシン」でも

ナイアシン・フラッシュが結構きつい日があった。

 

なお、ナイアシン・エステルは

「フラッシュフリー(Flush-Free)」

と記載されている。

 

サプリの例(ナイアシン・エステル=フラッシュフリーのナイアシン)

https://jp.iherb.com/pr/Now-Foods-Niacin-Flush-Free-Double-Strength-500-mg-180-Veggie-Caps/24418

 

 

今回、飲んでいたのはフラッシュフリーではなく

「徐放性(Sustained Release)」

として表記されているもの。

 

ナイアシン・エステルよりも効果が強いが

その分、フラッシュなどの症状も出やすい。

 

サプリの例(徐放性ナイアシン)

https://jp.iherb.com/pr/Now-Foods-Niacin-500-mg-250-Tablets/693

 

上記のNow社のものを飲んでいた。

 

 

 

ナイアシン・アミドというものもあるが、

効果が弱く、2000mg以上で肝障害が出るので注意。

動脈硬化の改善や、

コレステロール値を変えたい、

という場合にはお勧めしない。

 

サプリの例(ナイアシン・アミド)

https://jp.iherb.com/pr/Now-Foods-Niacinamide-500-mg-100-Capsules/704

 

 

もちろん、徐放性でもない

素のナイアシン

が最も効果が強い。

しかし、最も症状も強く出る。

 

サプリの例(素のナイアシン)

https://jp.iherb.com/pr/Now-Foods-Niacin-500-mg-100-Capsules/30566

 

 

つまり、強さの順で言えば、

1.素のナイアシン

2.徐放性ナイアシン

3.ナイアシン・エステル

4.ナイアシン・アミド

となる。

 

 

 

ナイアシン・フラッシュとは

ナイアシンによるヒスタミン放出作用で

顔がほてって赤くなったり、

皮膚がかゆくなったりする作用の事。

 

最初はナイアシンを朝や昼に飲んでいた。

 

 

このため、寝る前に飲むようにしてみた。

 

すると、ナイアシン・フラッシュは大幅に軽くできた。

 

 

そこで、ナイアシンをさらに増量。

(上記の徐放性「sustained release」のもの)

 

最終的に朝にも追加して、

寝る前 3000mg、

朝 1000mg

の、

合計4000mg/日

まで増量。

 

 

2週間が経過した時点で

採血を行った。

 

 

 

 

劇的に数値が変わっていた。

 

LDL 220→138

HDL 40→80

 

 

LDLが

薬を飲まずに正常範囲

になったのは人生初だった。

 

 

HDLは

薬を飲むとさらに下がる傾向があるため、

HDL80なんていうのは

本当に人生初だった。

 

 

私の人生でHDLが基準値を余裕でクリアする日が

来るなんて、ないと思っていた。

 

 

 

自分でよく患者さんに言っていた事が

身に沁みた。

 

 

「血圧を下げる薬を100分の1、

飲んだとしたら血圧は下がるか?

下がりません。

量を減らしたら効果は不十分です。」

 

 

薬の量を勝手に変える患者さんに向かって

このような説明を臨床医なら

一度はしたことがある。

 

 

ビタミンにも同じ事が言えた。

 

ビタミンも効果を得ようとするなら

「充分な量が必要」

という事。

 

 

 

「推奨量」は

「最低限の健康維持に最低限な必要量」

から少し多めにした量に過ぎない。

 

 

これは本当に最低限の量。

 

 

そして

「健康維持」の量と

「病気を治す量」

とは

全く異なる

 

数倍では済まない。

 

 

私の場合、

ナイアシンの推奨量は

15mg

だった。

 

コレステロール値が変わる量は

4000mg

だった。

 

 

 

実に

267倍

もの差がある。

 

 

 

我が身で実感した、

「驚くべき差」

が、あった。

 

 

 

この情報を、

今年のクリスマス・プレゼントとしたい、

とか言ってみたかった。

言ってみたかっただけである。

 

 

しかし、本当に驚いた。

 

 

長年、脂質異常症のデータ異常を抱えている人や

脂質異常症の治療に関わってきた医師からすると

驚きの結果かと思う。

 

 

ちなみに、他の人も3000mgで

LDLコレステロールが低下した例があった。

 

驚きであった。

 

 

しかも、

ナイアシンによるLDLの低下は

薬剤による

「代謝のどこかを止めたり

吸収を抑えたりして

LDLコレステロールを下げる」

というのとは

異なる

 

 

 

ナイアシンによるLDL低下は

「LDLコレステロールを上げる必要がなくなる」

(酸化的ストレスで体がダメージを追わないので

ダメージを修理するためのLDLをあまり作る必要がなくなる)

という

実に健康的な数値の変化

である。

 

 

我が身の事ではあるが、

ここまで健康的な数値の変化を

ハッキリと確認できる事も珍しい。

 

 

なお、4000mgのナイアシンは

フラッシュ・フリー

のものを内服。

 

https://jp.iherb.com/pr/Now-Foods-Niacin-Flush-Free-Double-Strength-500-mg-180-Veggie-Caps/24418

 

 

 

 

また、上に書いたように

朝・昼に内服すると

フラッシュフリーでもフラッシュが起きたため

寝る前から開始。

 

最終的には

寝る前 500mgx6錠

朝 500mgx2錠

という事。

 

人によっては

フラッシュフリーでも

少量で強いフラッシュが起こる事がある。

 

 

 ナイアシンフラッシュについては、こちらを参照を。

「こてつ名誉院長のブログ

まずはナイアシンを飲める体になる」

https://ameblo.jp/kotetsutokumi/entry-12261847338.html

 

 

以下、引用。

 

「まずはナイアシンを飲める体になる

 

ナイアシン初回服用時には激しいフラッシュが出ます。

 

フラッシュは、細胞内に溜まったヒスタミンを急激に放出させるために起こります。

 

通常は1時間程度で治まりますが、数日間持続する人もあるようです。

 

このフラッシュの起こり方は、非常に個体差が大きい。

 

つまり、ヒスタミンを溜め込んでいない人は、フラッシュは軽度。

 

逆に、ヒスタミンを溜め込んでいる人は、フラッシュは重度。

 

フラッシュが酷くて、ナイアシンを継続できない人は、

ナイアシンが悪いのではなく、

ヒスタミンを溜め込んだあなたに問題があると言えます。

 

100mgで開始し、暫く継続すると細胞内のヒスタミンが枯渇して、フラッシュを生じにくくなります。

 

そうするとナイアシンを増量することが可能になります。」

 

以上、引用。(強調表現等は私による))

 

 

ナイアシンフラッシュが強い場合は

1週間くらい全身の蕁麻疹が起きる事がある。

 

 

ナイアシンを飲み始める前に上記の

「こてつ名誉院長のブログ」

などで

よく情報を

集めてから開始を

 

このブログ記事だけを読んで

すぐ始める事は避けて頂きたい。

 

他のビタミンと違い

ナイアシンは注意が必要。

 

 

 

ナイアシン・アミドの

2000mg以上で肝障害が出る事は

上で書いた。

 

しかし、ナイアシン自体でも

肝障害が起こる事がある

 

 

それについては、

「こてつ名誉院長のブログ

ナイアシンのポジティブな副作用とネガティブな副作用について〜その2」

https://ameblo.jp/kotetsutokumi/entry-12322025990.html

こちらを参照。

 

以下、引用する。

 

「肝機能について

 

メチル基不足は脂肪肝により生じる。

 

ナイアシンはメチル基受容体なので、理論的にはメチル基不足が起こりうる。

 

その場合、メチル基供与体であるレシチン1200mg*2を併用すれば、メチル基不足は容易に解消できる。

 

もしくは、メチル基供与体のベタインを併用する。

 

 

高用量のナイアシンを服用すると、GOTやGPTなどの肝臓酵素が通常の2~3倍に上昇することがある。

 

これは、肝細胞の障害ではなく、ナイアシン投与による肝臓酵素機能が亢進し、一時的に肝臓酵素が血液中に放出されたものに過ぎない

 

血液検査5日前からナイアシンを中断しておけば検査データは正常化する。」

 

以上、引用。(強調表現等は私による)

 

 

外来でもナイアシンによる肝障害を何例か見かけた事がある。

 

しかし、通常の肝障害と違って

倦怠感やビリルビン値の上昇はなかった。

どの症例でも、本人的には至って健康、といった様子であった。

 

またナイアシンを一時的に中止すれば

速やかにGOTとGPTなどの数値の上昇は

正常化するのも特徴であった。

 

 

 

またナイアシンについては

「こてつ名誉院長のブログ

21、ガン(その2)」

https://ameblo.jp/kotetsutokumi/entry-12275964321.html

を参照。

 

以下、引用。

 

「21、ガン(その2)

 

Abram Hoffer:Orthomolecular Medicine For Everyone、より

 

(*は自分の意見)

 

ガン治療における他の栄養素

ナイアシンは抗がん物質である

強力なBコンプレックスも必要。」

 

以上、引用。(強調表現等は私による)

 

 

 

 

 

また、上記にも1度引用したこちらも再度、参照を。

 

「ナイアシンのポジティブな副作用とネガティブな副作用について~その2」

https://ameblo.jp/kotetsutokumi/entry-12322025990.html

 

以下、引用。

 

「ナイアシン長期投与は、死亡率を11%減少させ、寿命を2年延ばす。

 

ナイアシンは、がんの化学療法、放射線治療の効果を高め、かつそれらの副作用を減弱させる。

 

ナイアシンは傷ついたDNAを修復する。

 

ナイアシン不足では、DNA変異が増大する。

 

「潜在性ナイアシン不足」は、女性や高齢者では非常に多い。

 

約40%のがん患者ではナイアシン不足が見られる。」

 

 

以上、引用。(強調表現等は私による)

 

 

このため、ビタミン・ケトン療法では

ナイアシンの摂取も勧めるべき。

 

 

以上、ナイアシンとコレステロール、そして驚きの差、について。

 

 

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