【首都スポ】[大学サッカー]名門復活へ中大好発進 中村-加藤のホットラインで快進撃2019年4月19日 紙面から
6日に開幕した第93回関東大学サッカー1部リーグ(東京中日スポーツ後援)は各チーム2試合ずつを消化した。4シーズンぶりに1部で戦っている中大は2連勝。過去に1部制覇5回を数える名門が復活に向け、これ以上ない発進を見せた。MF中村亮太朗(4年・新潟明訓)のパスから、FW加藤陸次樹(4年・広島ユース)が相手ゴールに迫る。プロ注目の両選手を軸に、進撃をさらに続けたい。 (関孝伸) ◆日本一へ闘志「双子の兄に負けたくない」
FW加藤は、攻撃的なポジションなら、どこでもこなす。オールラウンドなアタッカーは、シュート、ドリブル、パスのいずれも、相手守備陣に脅威を与えるプレーを見せる。「チームを勝たせられる選手になること」を自らに課す中大の顔。チームの浮沈はその出来にかかっていると言っても過言ではない。 広島ユースからトップチームに昇格できず、失意の底に沈んでの大学進学だった。 「挫折でした。大学入学前は引きずっていました。とにかく1年のときから試合に出るんだという覚悟を持って大学に来ました。学年が上がるにつれて、活躍してプロからも注目される選手にならなければと思いました。4年になった今はプロで活躍できなければいけないと考えています」 昨季はチームの2部リーグ優勝に大きく貢献。ゴールに絡む機会が多く、それなりの充実感を味わったが、一方で自身の得点数は6にとどまり、目標に置いた10ゴールに届かなかった。 「本当に悔しかったので、今年こそは2桁取りたいです」 さらに、守勢にまわった際にはよく走る献身的なディフェンスでもチームを助ける。 「守備も普通よりもできる自信があり、自分の持ち味なんです。1部の今年は相手が強いので、守備から入って守備重視。攻撃は二の次になるかもしれません。でも、そういう中から少ないチャンスを生かせる選手になりたいと思います。ボールが来ないなら、自分でボールを取って、そのまま自分でシュートを決めるくらいの強い気持ちを持っています」 ここぞというときに確実に仕留めるスナイパーになる。目指すは日本一だ。双子の兄である法大DF威吹樹(いぶき、4年・広島ユース)は大学ですでに全国制覇を2度経験。「イブには負けたくありませんから」と兄に肩を並べるつもりでいる。 ◆加藤アラカルト◆3回も本体交換 ここ数カ月の間に、スマホの本体を3回も交換している。1回目は雨にぬらしてダメにし、2回目は道に落として通った車につぶされてしまった。3回目はパソコンにつないだあとに操作を誤り、使えなくした。ちょっとそそっかしいらしい。 ◆カメラ 一眼レフのカメラを持ち歩く。人が油断しているときに不意打ちで変な表情を撮ったりするのが好きだ。写真撮影で高尾山や横浜などにわざわざ出かけたりもする。桜の時期には目黒川まで足を運んだが、人が多く、思い通りにはいかなかった。 <加藤陸次樹(かとう・むつき)> 1997(平成9)年8月6日生まれ、埼玉県熊谷市出身の21歳。179センチ、69キロ。同市立妻沼小2年のときに江南南サッカー少年団でプレーを始め、クマガヤサッカースポーツクラブから広島ユースに進んだ。高2時にU-17日本代表に選出され、翌年にはU-18日本代表入り。高3の高円宮杯U-18プレミアリーグ西地区で得点王。中大では、2年、3年時のリーグ戦全試合にスタメン出場した。全日本大学選抜のメンバーに選ばれた経歴も持つ。 ◆憲剛先輩見習う!個人として1部と技術差感じない
MF中村は、中盤の底から繰り出す正確なパスで、相手守備網の穴を突く。広い視野を持つボランチは高い戦術眼と技術で試合展開を一変させ、味方にチャンスをもたらす。 自身にとって初の1部リーグではあるが、プロ入りが有力視される能力を誇るだけに、存在感を発揮することは間違いない。「(1部の選手と自分との間に)技術面での差はそれほどないと感じました」と話す。開幕前に関東B・北信越大学選抜チームで1部勢とともにプレーし、対等にやれる手応えをつかんだ上で、リーグ戦に突入した。 昨季までの2部での戦いのようには自分たちのペースで試合を進めることはできないが、そんな状況だからこそ、安定した技術を備える背番号5の力が必要になる。「自分が持ったときにボールを失わないようにして、チーム全体を落ち着かせたいです」と自らの役割を認識する。 まずは守備を意識するのは必然としても、チームが1部の舞台に慣れてくれば、司令塔・中村が攻撃でパスセンスを発揮するシーンが増えるはずだ。退場者を出した開幕戦では守りに追われる時間が多かったものの、続く第2戦では「ラストパスの精度はまだまだですけど、縦パスや次(の展開)につながるパスはいつも通りの感覚で出せました」と、ある程度納得のパフォーマンスを披露できた。 「チームメートとコミュニケーションをもっと取って、自分がやりたいプレーや味方がやりたいプレーを共有することで、いいパスをもっと出せるようにしたいと思います。評価されるためにはアシスト(のパス)も必要になってくるので、そういうところにもこだわっていきます」 同姓のパサー、MF中村憲剛(川崎)は中大のOBでもあり、目が行く存在だ。「すごいパスを出します」と思わず感心してしまうあの先輩を見習い、必殺のスルーパスで周囲をうならせたい。 ◆中村アラカルト◆オフに関西へ シーズンインする前にサッカー部の同期6人で関西方面に旅行に行ってきた。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを満喫するなど、ワイワイやりながら楽しんだ。食べ物ではやっぱりタコ焼きがおいしかった。 ◆リフレッシュ 新潟明訓高時代のチームメートたちと東京でよく会っているが、それがかなりのリフレッシュになる。頻度は月に2回ほど。新宿に集合することが多く、焼き肉を食べたりしながら盛り上がる。 <中村亮太朗(なかむら・りょうたろう)>1997(平成9)年9月27日生まれ、新潟市秋葉区出身の21歳。179センチ、69キロ。新津第一幼稚園年長組のときにブルーウイング新潟南でサッカーを始め、小5の途中で豊照サッカー少年団に移った。小4からはJ1(当時)新潟のスクールでも活動。中学時のグランセナ新潟FCを経て新潟明訓高に進んだ。高校時代の最高成績は3年時の全国高校選手権ベスト32。中大では2年時の途中からレギュラー。関東B・北信越大学選抜。 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。 PR情報
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