校長 安部 章
立花小Web
学校長あいさつ
本年度、開校第147年次を迎える新宮町立 立花小学校長3年目になりました、安部 章(あべ あきら)です。
歴史も古い立花山の麓に位置し四季折々の姿を見せる素晴らしい自然と、温かい地域の人々に囲まれたコミュニティ・スクール(CS)立花小学校は、「子育ての環境」として、最高の環境であると毎日実感しています。(若干の交通の不便さを差し引いても余りあるほどの素晴らしさです!)
さて、経済産業省が行った調査(「大学生の『社会人観』の把握と『社会人基礎力』の認知度向上実証に関する調査」)によると現代社会で求められる力は、「主体性、コミュニケーション能力、粘り強さ」だということです。その一つである「コミュニケーション能力」の基礎となる「(気持ちのよい)あいさつ」ができるようになるためには、子どもの頃からの日々の積み重ね(トレーニング)が必要だと思っています。
また、いろいろな困難を乗り越えるために必要な粘り強さも幼児期から体験を通して積み上げておくことが大切です。
もちろん、かけがえのない命(心身の健康)を一番大切にしなければならないのは自明のことです。
警察庁の自殺統計に基づく自殺者数の推移では、我が国の自殺者数は、平成10年以降、14年連続して3万人を超える状態が続いていましたが、24年に15年ぶりに3万人を下回り、27年は2万4,025人と4年連続で3万人を下回っています。しかし一方で、若い世代の自殺は深刻な状況にあり、15~39歳の各年代の死因の第1位は自殺となっているのです。男女別にみると、男性では10~44歳という、学生や社会人として社会を牽引する世代において死因順位の第1位が自殺となっており、女性でも15~34歳の若い世代で死因の第1位が自殺となっている現状です。(出生率が低下しているにもかかわらず)
この状況は国際的にみても深刻であり、15~34歳の若い世代で死因の第1位が自殺となっているのは、先進国では日本のみであり、その死亡率も他の国に比べて高いものとなっているのです。
このような状況の中、子どもたちの10年後、20年後を想定しながら、「21世紀をたくましく生き抜く」大人をめざし、本年度も全校児童が集まった際に子どもたちに話すようにしているのが、次の3つのことです。
①みんなが笑顔になるあいさつをしよう。
ただあいさつをすればいいのではなく、した方もされた方も自然と笑顔になるあいさつが目標です。
一日のスタートはまず、家庭でのあいさつです。朝起きてすぐに顔を合わせる際に、「おはよう!」、「おはようございます!」と笑顔でさわやかにあいさつできると一日が気持ちよくスタートできます。「行ってきまーす!」、「行ってらっしゃい。車に気をつけてね。笑顔であいさつも忘れずに!」
次は、集団登校場所でのあいさつや出会った地域の方へのあいさつです。その上、太陽の光を浴びながら歩くことで体内時計がリセットされ、友だちと一緒に立花小学校に向かって元気に登り坂を歩くことで脳にセロトニン(精神の安定や睡眠に深く関わっている神経伝達物質)が分泌され、気持ちが晴れ晴れとしてきます。
学校に着いたら、たくさんの友だちや先生にあいさつをすることで、もっと心と体が元気になり、生きる力が湧いてきます。
本年度も「笑顔であいさつ」の輪を、家庭を中心として、地域、学校へと広げていきましょう。
②何事も一生懸命頑張ろう。
「一生懸命にやる」・・・当たり前のようですが難しいことですし、でも大事なことです。学習だけでなく、読書や運動、そして遊びにも一生懸命に頑張ることで粘り強さが身に付くと考えます。
現代の子どもたちが熱中している(中には大人も)スマホゲームやビデオゲームでは、困ったときにはリセットボタンを押せば済むため、できるまで頑張ることや我慢することを経験することがありません。おもしろおかしく日々を過ごし、そのまま大人になってしまうことがどれほど危険なことなのか、皆様はよくお分かりのことと思います。人生は楽なこと、おもしろいことばかりではありません。逆に辛く苦しいことの方が多いかもしれません。しかし、それを乗り越えることでそれまで以上に成長し、本当の楽しさが見えてくるのは、これまで皆様方が経験されてきた通りです。
本校で進めています「鍛ほめCS立花小メソッド」は、何事も頑張って頑張って、低い壁からより高い壁を乗り越える経験を次々とさせ続けることで、達成感や成就感を感じさせ、自尊感情をも高めていこうとするものです。
家庭でも、いろいろなことに挑戦させ、成功・失敗の結果にかかわらず、頑張った過程をほめて、子どもたちをたくましく成長させていきましょう。
③自分の命は自分で守ろう。
自分の健康や命は他人に守ってもらうのではなく、自ら健康管理をしたり危険を察知し回避したりする能力を身につけ、自分で守る必要があります。
昨年度から立花小学校で取り組んでいる、、子どもたち自らが安全を意識し、交通事故から身を守るために推進しているのが、「青信号になっても、必ず自分で安全を確認し、しっかり手を挙げて横断歩道を渡り、止まってくださった車の運転手さんを見て、ニッコリ笑顔で『ありがとう』を言って礼をしよう!」運動です。
校長のつぶやき「交通安全:昔の立花小学校の子どもはすごかった。その3」6月30日(金)参照(←クリック)
この3つを覚えているか、是非ご家庭で子どもたちに尋ねてみてください。そして、この3つのことの大切さを家庭や地域でもいろいろな機会を捉えてお話ししてほしいと思います。
これまでに築き上げられてきた立花小学校の歴史と伝統を大切に受け継ぐとともに、家庭・学校・地域がこれまで以上に連携し、子どもたちを社会で活躍できる大人へと成長させるために、教職員一同全力を尽くしてまいります。
本年度もコミュニティ・スクール(CS)立花小学校の教育活動へのご理解・ご協力・ご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。
新宮町立 立花小学校 第33代校長 安部 章