提督の憂鬱 作:sognathus
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提督はそんな天気にも関わらず外に出て釣りをするわけでもなく、煙草を吸っていました。
提督「......ふぅ~」
文月「あー、大佐タバコ吸ってるー」
提督「ん、文月か。皆には内緒だぞ」
文月「内緒にしたいような事をするのはよくないよ?」
提督「大人は駄目と分かってても気分がこれを求める事ががあるんだ」
文月「我慢できないの?」
提督「出来ない事もないが、許してくれそうな人の前では少し気が緩んでしまうかな」
文月「えー、文月そんな軽い女じゃないもん」
提督「使い方が間違ってるぞ」
文月「え? そ、そう?」
提督「ああ。あまり良い意味じゃない」
文月「えっ......。ふ、文月良い子よ? ホントよ!?」ジワ
提督「分かってる」ポン
文月「ん......」
提督「文月、もう一本吸っていいか?」
文月「もうズルいんだから。後一本だけだからね?」
提督「ありがとう」シュボ
文月「今日はよく降るね」
提督「ああ。お蔭でこれが美味しく感じる」
文月「雨が降っていた方が気分が良いの?」
提督「多少湿気があるとな。風味が微妙に良くなる事がある」
文月「へぇ~」
提督「文月は雨が嫌いか?」
文月「え? ん~、嫌いじゃないけど......でもやっぱり文月はお日様が好き!」
提督「そうか。うん、晴天もいいよな」
文月「あ、でも......こうやって大佐と長くお話ができるなら雨も悪く、ないかな」
提督「そうだな。俺も偶にはこういうのもいい」
文月「本当?」
提督「嘘をついてどうする」
文月「もし嘘だったら罰として大佐のお膝に乗るつもりだったのに」
提督「......」グシグシ
文月「あれ? もう吸わないの? 大分残ってなかった?」
提督「吸ったままだとお前の頭にタバコの灰が落ちるかもしれないだろう?」
文月「あっ......いいの?」
提督「嫌か?」
文月「ううん! ありがとー♪」
文月「大佐ー」
提督「ん?」
文月「今日は一日雨なのかな」
提督「天気予報は見てなかったからな。時雨にでも聞いてみたらどうだ?」
文月「しーちゃんは雨が好きだからそういう事は聞かない様にしてるの」
提督「そうなのか?」
文月「うん」
提督「......」ナデナデ
文月「ん......っ、大佐?」
提督「良い子だな文月は」
文月「こ、子ども扱いは......」
提督「ああ、悪い」スッ
文月「あ、やっ......だめっ」ギュ
提督「ん?」
文月「撫でるのはやめてほしくないの」
提督「分かった」ナデナデ
文月「~♪」
提督「ん、晴れてきたな」
文月「あ、虹だぁ」
提督「ああ、本当だ......」
文月「きれー♪」
提督「そうだな」
文月「......」
提督「......」
提督「さて、戻るか」
文月「え、もう?」
提督「このままここにいたら、今度は日差しで一気に蒸発した湿気を味わう事になるぞ?」
文月「う......」
提督「ここは大人しく部屋で扇風機に当たっていた方が良いだろう」
文月「扇風機......大佐」
提督「うん?」
文月「どうして文月たちの鎮守府にはエアコンがないの?」
提督「......単純に取り付けられる業者がいないんだ」
文月「パソコンとかはあるのに......」
提督「エアコンが日本ほど普及してない所為みたいだな」
文月「えぇ」
提督「......今度買い物に行くか」
文月「え?」
提督「外出申請を出してもっと都会に行けば、ここでもエアコンが手に入ると思うし」
文月「そ、それって文月も行っていい?」
提督「行きたいのか?」
文月「......!」コクコク
提督「お前の都合が着けば構わないが」
文月「じゃあ予定が分かったら絶対に直ぐに教えて! その日は非番にしたいの!
提督「あまり言いふらすなよ? 遊びに行くわけでもないが、お前だけ特別扱いされているようにも思われたりしたら気まずいからな」
文月「分かった!」
提督「よし、じゃあ戻るぞ」
文月「はーい。戻ったら扇風機の前であ゛~ってするの♪」
提督「......それは口が乾くから駄目だぞ」
久しぶりのヤなしオチなしのゆったりした日常でした。
提督はロリではありません(断言)
ただ、駆逐艦に癒されているだけです!