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【社会】

小学5・6年、教科担任制 高校は普通科再編で専門性

 柴山昌彦文部科学相は十七日、小学校から高校段階に至る今後の教育の在り方に関する総合的な検討を中教審(渡辺光一郎会長)に諮問した。各教科を専門教員が受け持つ教科担任制の小学校高学年への導入推進や、それに伴う免許制度見直し、高校の普通科を専門性の高い学科に再編することなどが柱。「主体的・対話的で深い学び」を掲げる新学習指導要領に対応する指導の充実を図り、教員働き方改革にもつなげる狙い。

 文科省によると、初等中等教育を巡る包括的な検討は義務教育費の国庫負担などが議論された二〇〇三年の諮問以来。教科担任制の推進に向けた教員配置の進め方や、外国人児童生徒の就学機会確保策の検討も求め、答申は二〇年末を見込む。

 文科省によると、小学校では現在、学級担任が全教科を教えるのが基本。教科担任制も小六の場合、音楽や理科で一八年度に取り入れるとした学校が五割前後に上るなど高学年中心に一部教科で広がりを見せるが、算数や国語では一割を切る。

 文科省は、教科担任制の利点として、二〇年度から始まる高学年での英語教科化、プログラミングの必修化などに伴う専門的指導力の発揮や学級担任の負担軽減を想定。一方、教科横断的な授業がしにくいことも考えられ、中教審に先行事例の効果検証とともに、高学年でどの程度まで推進できるかを議論してもらう。一~四年は従来通り、学級担任制を基本とする。教科担任制を進めた場合、教員数や専門性の確保が課題となるため、効率的な配置だけでなく、現在は分かれている小中の教員免許の一体化なども検討する。

 高校を巡っては、中学の時よりも学習意欲が下がるとの調査結果があり、生徒数で全体の七割を占める普通科の役割が明確でないのが一因との指摘が出ている。政府の教育再生実行会議での論点も踏まえ、「理数教育重視型」「地域人材育成型」「グローバル型」といった特色を明確化した普通科再編策を議論する。

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