トップ > 中日スポーツ > 中部スポ > 羽ばたけ中部勢 > 記事

ここから本文

【羽ばたけ中部勢】

ハンドボールと7人制ラグビー 五輪目指す中3二刀流女子

2019年4月17日 紙面から

右手にハンド、左手にラグビーのボールを持つ水野小暖=大垣市で

写真

 岐阜県大垣市の水野小暖(こはる、14)=同市興文中3年=は、ハンドボールと7人制ラグビーの二刀流で、五輪出場を目指している。両競技を始めたのは、五輪選手の発掘、育成を目指す行政主導のプロジェクトに参加したのがきっかけ。将来的には自分の能力や性格を見極め、どちらかの競技に絞る考えだ。

 水野は3月24日、富山市で開催された春の全国中学生ハンドボール選手権大会の会場にいた。

 部が発足して初の全国大会。主将、そしてエースとして臨んだ初戦で、23得点中15点を決めたが、チームは延長の末に1点差で敗れた。大会直前に痛めた左膝が完全に癒えず、水野本来の動きができなかった。勝負どころのシュートも外した。悔いは残った。でもあらためて、チームスポーツのよさをかみしめた。

 「仲間と気持ちが通じ合うハンドボールがますます好きになった。けがを治して、ラグビーの練習も早く再開したい」

 ハンドボールと7人制ラグビー。いずれも始めたきっかけは、五輪選手の発掘、育成を目指す行政プロジェクトだった。体力測定による選考試験で、高い運動能力が「ダイヤの原石」として認められた。小学5~6年は、岐阜県ジュニアアスリート育成プロジェクトに参加した。さまざまな競技に接して、参加者の適性を見極めるプログラムの中で、「ハンドボールが一番楽しかった」。中学で本格的に始め、めきめきと頭角を現した。

 楕円(だえん)球に初めて触れたのは、中学2年の秋だ。こちらはスポーツ庁主導のジャパン・ライジング・スター・プロジェクトで、7人制ラグビーの対象選手に選ばれた。昨年12月から毎月、3泊4日の合宿に参加する。地元でも週に1、2回ほどクラブチーム「ぎふ清流レディース」や岐阜第一高の練習に交じって汗を流している。

 両チームを指導する岐阜県ラグビー協会の木田敏行強化委員長は、水野の跳躍力に舌を巻く。「とにかくバネが人並み外れていて、相手を抜くのがうまい。物事を前向きに捉える性格も併せ、将来的に伸びる可能性を秘めている」と絶賛する。

 高校でも、ハンドボールとラグビーを並行して続けるのが理想。しかし進学先の事情もあり、現状では不透明だ。「ハンドは防御の間を見つけて抜くのが好き。ラグビーは歩数制限がなく、自由に走り回れるから楽しい。自分の能力、性格により合った方の競技で五輪を目指したい」。競技は決まらなくても、目標だけはしっかりと定まっている。 (末松茂永)

 ▼水野小暖(みずの・こはる) 2004(平成16)年12月16日生まれ、岐阜県大垣市出身の14歳。158センチ、54キロ。小学1~6年は地元少年団のバレーボールチームに所属。ポジションはセンターで「滑り込んでボールを拾うのが得意だった」。ハンドボールのポジションはライトバック。

 

この記事を印刷する

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ