患者さん一人ひとりの病気や
特性、年齢、社会的背景などは、
皆さんそれぞれ違っています。
もっと細かくいえば、
ゲノム(遺伝子)医療
も大きく前進しており、
患者様の個人レベルで最適な治療方法を
分析・選択し、
それに基づく医療を提供できる時代が
来ています。
この
個別化医療、
Precision Medicineが、
今後のがん診療における
重要なキーワードです。
また、
今回の臨床試験にもありましたように、
検査をするのか、しないのか
手術をするのか、しないのか
どんな抗がん剤をするのか
細かく見極めることで、
治療や検査の上乗せ(escalation)だけでなく
過剰な治療、検査を回避し、(de-escalation)
患者さんにとっての
最善の乳癌治療を目指す
ことが、非常に大切なことだと思います。
①JCOG1017study
(StageIV乳癌における原発巣切除or非切除)
・結果を解析中
・今年のSABCSで一部発表予定
②JCOG1204study
(再発高リスク乳癌術後患者の
標準的フォローアップと
インテンシブフォローアップの
比較第Ⅲ相試験)
③JCOG1505study
(ER陽性、低リスク非浸潤性乳管癌
に対する非切除+内分泌療法の
有用性に関する単群検証的試験)
・やはり人道上、
「非浸潤癌かつホルモン療法はする」
が限界ですよね…。
・海外でも、現在同様の試験
ホルモン療法もなし
④JCOG1607study
(高齢者HER2陽性進行乳癌に対する
T-DM1療法と
ペルツズマブ+トラスツズマブ
+ドセタキセル療法の
ランダム化比較第Ⅲ相試験)
・標準の1stラインのドセよりは
カドサイラの方が副作用が小さいから、
高齢乳癌患者では、
カドサイラを1stラインにしていいのでは
という試験。
【番外編】
新規臨床試験として、
Oligometastasis(オリゴメタ)に対して
手術、放射線などの局所療法で、
完治できないか