スマートフォンのSMS(ショートメッセージサービス)を使って個人情報を盗み取ろうとする「スミッシング」と呼ばれるサイバー攻撃が激化している。宅配業者などをかたる従来型に加え、携帯電話事業者を装う新手口も登場。セキュリティー強化をうたった不正アプリをダウンロードさせるなど巧妙化しており、今後も被害が拡大する可能性がある。(橋本昌宗)
情報セキュリティー会社「トレンドマイクロ」によると、SMSの偽メッセージにだまされて偽のインターネットサイトにアクセスした国内の携帯電話利用者数は、昨年1~3月には123件。これが同10~12月には4万3982件と、約360倍に急増した。
目立つのが、実在する携帯電話の事業者を装う手口だ。たとえば、サービスや物を購入する際に携帯料金に上乗せしてまとめて支払うことができる「キャリア決済」のアカウントが、「不正利用されている可能性がある」と偽メッセージが届き、利用者を偽サイトに誘導。画面上でIDやパスワードを入力させ、盗み取る-というものだ。
こうして盗まれたIDなどが勝手に使われれば、知らないうちに決済で利用できる上限金額まで不正に使われ、携帯料金に上乗せされて多額の請求が来る可能性もある。
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