【パリ=白石透冴】15日夜(日本時間16日未明)、パリ中心部の観光名所のノートルダム大聖堂で大規模な火災が発生した。大きな火柱や白煙が立ち上り、大聖堂の尖塔(せんとう)も炎に包まれて崩れ落ちた。仏メディアによると、現場で実施していた改修工事が原因の可能性があるという。現在までにけが人は確認されていない。
少なくとも400人の消防隊が消火作業に当たった。だが、大聖堂の上部を中心に燃えていたため消火用の水が届きにくく、鎮圧にてこずった。空から大量の水をまく消火方法があるが、建物自体を壊す恐れがあり使えなかったという。仏メディアによると、消防当局は15日深夜、大聖堂の構造の「全体を救うことができた」と発表した。鎮火へのメドが立ち始めているもようだ。
パリ警視庁は「現場付近に立ち入らず、消火関連車両の通行を妨げないようにしてほしい」などと呼びかけている。
マクロン大統領は15日夜、テレビで国民向けに新しい生活支援策などを発表する予定だったが、火災を受けて延期。ツイッターで「我々の一部が燃えるのを見るのは悲しい」と発信した。
一方、トランプ米大統領は15日、ツイッターで「恐ろしい火災だ。早く行動しなくてはいけない!」などと述べた。
12世紀に建設が始まったノートルダム大聖堂は、パリ中心地のシテ島にあるゴシック様式の建築物。フランス革命の時に一部壊されたが、19世紀に修復された。仏メディアによると、年間約1300万人の観光客が訪れる。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産にも登録されている。
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